短編
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早朝6時、湘南の海岸にトランペットの音が響き渡る。約1分間、雨の日以外毎日。
パァー、またあの音だ。ロードワーク中にイヤホンの音楽が掻き消される。海岸で走ってるといつもそうだ。
流川は片方のイヤホンを取り、音の正体の方へ視線を送る。
その先に女性が海に向かって楽器を拭いていた。
「………」
声をかけずに俺はそのままロードワークを続けた。
数日間、同じ光景を何度も繰り返す。慣れたもので海岸に行けばあいつがいる、前を素通りしようとした。が、気まぐれでチラッと女性を見てみる。すると、こっちに気がついて軽く会釈をされた。されたことを返そうと俺は会釈をし返した。
海岸で会ったら挨拶代わりに会釈するという日が何日も続いた。
今日も早朝から楽器の音と共にいる。いつも通り走り去ろうとしたとき大声で呼び止められた。
「私、今日でここに来るの最後なんだ!明日ウィーンに行くの!」
俺は一瞬驚いて、そのまま話を聞くことにした。
「君が頑張ってロードワークしてくれたから、私も頑張れた!ありがとおー!」
勝手なやつ、ウィーンって何処だ。俺はてめえの名前も楽器のことも知らねえ。どあほう。
女性は大袈裟に大きく手を振って最後にパァーと吹き、その音は太く真っ直ぐだった。
パァー、またあの音だ。ロードワーク中にイヤホンの音楽が掻き消される。海岸で走ってるといつもそうだ。
流川は片方のイヤホンを取り、音の正体の方へ視線を送る。
その先に女性が海に向かって楽器を拭いていた。
「………」
声をかけずに俺はそのままロードワークを続けた。
数日間、同じ光景を何度も繰り返す。慣れたもので海岸に行けばあいつがいる、前を素通りしようとした。が、気まぐれでチラッと女性を見てみる。すると、こっちに気がついて軽く会釈をされた。されたことを返そうと俺は会釈をし返した。
海岸で会ったら挨拶代わりに会釈するという日が何日も続いた。
今日も早朝から楽器の音と共にいる。いつも通り走り去ろうとしたとき大声で呼び止められた。
「私、今日でここに来るの最後なんだ!明日ウィーンに行くの!」
俺は一瞬驚いて、そのまま話を聞くことにした。
「君が頑張ってロードワークしてくれたから、私も頑張れた!ありがとおー!」
勝手なやつ、ウィーンって何処だ。俺はてめえの名前も楽器のことも知らねえ。どあほう。
女性は大袈裟に大きく手を振って最後にパァーと吹き、その音は太く真っ直ぐだった。
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