短編
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木暮を好きになったのは、小学生のとき。
私は走ることが大好きで速かった。男勝りな一面もあり、女なのに女子に良く告白されていた。それに嫉妬していた男子が私に嫌がらせをするようになった。はっきり言っていじめだ。
でも、些細なもので上履きや靴を隠されるだけだった。下校時間になって靴ロッカーを見てみると案の定、靴が隠されていた。私は、そのまま上履きで帰ろうとした。
「足立さん、くつ無いの?」
声をかけてきた子は、同じクラスの木暮だった。
「へーき。うわばきで帰る」
「だめだよ!ちゃんと先生に言って探そう。ぼくもいっしょに行くから」
木暮は、私の腕を掴んで一緒に職員室まで付き添ってくれた。無事に靴も見つかった。
「足立さんのくつとうわばき隠すのやめろよ!」
「なんだよ!ヒョロメガネのくせに!」
逆上したいじめっ子達は木暮を突き放した。
私はプチンと堪忍袋の緒が切れた。そして、いじめっ子達をボロボロにしてやった。
「木暮、だいじょうぶ?!」
「うん。あ!足立さん、顔擦りむいてる!」
「こんなの、へーきだよ」
「だめだよ。女の子なんだから、キズ残っちゃうよ!」
そのとき恋の矢が私のこころを貫いた。
中学に進級すると木暮はバスケットボール部に、私は陸上部で充実した日々を過ごした。
「え!?足立、海南大附属高校に行くのか!?」
「親が進学は海南しか受験させないって、あと推薦もらった」
「そうか…俺、湘北でバスケやるよ」
「試合応援に行けないけど、がんばって」
「もう少し労いの言葉はないのか…」
高校からは、お互い違う道へ進んだ。
勉強と部活に追われながら何度か壁にぶつかって挫折しそうになった。
たまに木暮と電話するときが心の支えだった。
湘北バスケ部はインターハイ初出場し、惜しくも3回戦敗退に終わったみたいだが、木暮も悔いはなく引退して大学受験に励んでいるようだ。
私はというものの、湘北高校の校門前で木暮を待っていた。
木暮は、校門前に立っている足立を見つけ赤木に先に帰るように頼んだ。足立の元へ駆け寄る。
「足立…なんでうちの学校にきてるんだよ」
「む。木暮、また背が伸びたか?」
「図々しくなったな…お前」
思い出したように木暮は会話を続けた。
「そうだ!3年連続全国一位だったんだろ。すごいじゃないか!」
「木暮がいたから頑張れた」
率直な私に木暮は照れくさそうにしていた。暫く見つめあって先に私が口を開こうとした。が、木暮が遮ってしまう。
「俺たち付き合おう。お互いここまで支え合ってきたんだ。これからもやっていけるさ」
「なんだ。プロポーズみたいに…」
ああ、今まで頑張ってきたことが報われた瞬間だった。その言葉をどれ程聞きたかったか。我慢してきた涙が溢れた。
「な…!もう泣くなよ」
「好き…大好き…。木暮」
木暮から渡されたハンカチで涙を拭く。拭いても拭いても涙が止まらない。木暮は私の手を優しく握ってくれて泣き止むまで離さなかった。
私は走ることが大好きで速かった。男勝りな一面もあり、女なのに女子に良く告白されていた。それに嫉妬していた男子が私に嫌がらせをするようになった。はっきり言っていじめだ。
でも、些細なもので上履きや靴を隠されるだけだった。下校時間になって靴ロッカーを見てみると案の定、靴が隠されていた。私は、そのまま上履きで帰ろうとした。
「足立さん、くつ無いの?」
声をかけてきた子は、同じクラスの木暮だった。
「へーき。うわばきで帰る」
「だめだよ!ちゃんと先生に言って探そう。ぼくもいっしょに行くから」
木暮は、私の腕を掴んで一緒に職員室まで付き添ってくれた。無事に靴も見つかった。
「足立さんのくつとうわばき隠すのやめろよ!」
「なんだよ!ヒョロメガネのくせに!」
逆上したいじめっ子達は木暮を突き放した。
私はプチンと堪忍袋の緒が切れた。そして、いじめっ子達をボロボロにしてやった。
「木暮、だいじょうぶ?!」
「うん。あ!足立さん、顔擦りむいてる!」
「こんなの、へーきだよ」
「だめだよ。女の子なんだから、キズ残っちゃうよ!」
そのとき恋の矢が私のこころを貫いた。
中学に進級すると木暮はバスケットボール部に、私は陸上部で充実した日々を過ごした。
「え!?足立、海南大附属高校に行くのか!?」
「親が進学は海南しか受験させないって、あと推薦もらった」
「そうか…俺、湘北でバスケやるよ」
「試合応援に行けないけど、がんばって」
「もう少し労いの言葉はないのか…」
高校からは、お互い違う道へ進んだ。
勉強と部活に追われながら何度か壁にぶつかって挫折しそうになった。
たまに木暮と電話するときが心の支えだった。
湘北バスケ部はインターハイ初出場し、惜しくも3回戦敗退に終わったみたいだが、木暮も悔いはなく引退して大学受験に励んでいるようだ。
私はというものの、湘北高校の校門前で木暮を待っていた。
木暮は、校門前に立っている足立を見つけ赤木に先に帰るように頼んだ。足立の元へ駆け寄る。
「足立…なんでうちの学校にきてるんだよ」
「む。木暮、また背が伸びたか?」
「図々しくなったな…お前」
思い出したように木暮は会話を続けた。
「そうだ!3年連続全国一位だったんだろ。すごいじゃないか!」
「木暮がいたから頑張れた」
率直な私に木暮は照れくさそうにしていた。暫く見つめあって先に私が口を開こうとした。が、木暮が遮ってしまう。
「俺たち付き合おう。お互いここまで支え合ってきたんだ。これからもやっていけるさ」
「なんだ。プロポーズみたいに…」
ああ、今まで頑張ってきたことが報われた瞬間だった。その言葉をどれ程聞きたかったか。我慢してきた涙が溢れた。
「な…!もう泣くなよ」
「好き…大好き…。木暮」
木暮から渡されたハンカチで涙を拭く。拭いても拭いても涙が止まらない。木暮は私の手を優しく握ってくれて泣き止むまで離さなかった。
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