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◇
3月──
桜も満開にならないまま、中学の卒業式が終わった。
3年間学んだ校舎。お世話になった先生。仲が良かった友人。悲しみ、別れを惜しむ人たちが廊下や校庭に集まっている中、伊織はそんな相手もおらず、3年間ひとりで過ごした校舎に背を向けて校門に向かっていた。
「先輩!」
突然、伊織を呼び止める声。振り返ると、ひとつ下の日南 大夢が目に涙を溜めて立っていた。
「あぁ…大夢くん」
「先輩……卒業、おめでとうございます……」
祝福の言葉をくれるにしては浮かない表情の大夢。
「……どうしたの?」
「…先輩がいなくなるの、、寂しいです」
「……」
伊織は、少し困ったように笑う。
「ありがとう。でも、大夢くんは友達が多いから大丈夫だよ」
「いや…俺は……、先輩がいないと何も楽しくないです」
また困ったように笑う伊織。
「……また、来年会えますか?」
「え……?」
「俺、先輩と同じ高校受けます!」
「…自分の行きたい高校いきなよ」
「先輩が行くところが行きたいところです!」
「……」
「だから…来年、絶対に先輩と同じ高校行くから…待ってて」
伊織は大夢の頭を撫で「じゃあね」と言って去っていった。
「先輩……」
大夢は、伊織の背中を見つめながら強く決心した。
「絶対、先輩と同じ高校行くから」
◇
3月──
桜も満開にならないまま、中学の卒業式が終わった。
3年間学んだ校舎。お世話になった先生。仲が良かった友人。悲しみ、別れを惜しむ人たちが廊下や校庭に集まっている中、伊織はそんな相手もおらず、3年間ひとりで過ごした校舎に背を向けて校門に向かっていた。
「先輩!」
突然、伊織を呼び止める声。振り返ると、ひとつ下の
「あぁ…大夢くん」
「先輩……卒業、おめでとうございます……」
祝福の言葉をくれるにしては浮かない表情の大夢。
「……どうしたの?」
「…先輩がいなくなるの、、寂しいです」
「……」
伊織は、少し困ったように笑う。
「ありがとう。でも、大夢くんは友達が多いから大丈夫だよ」
「いや…俺は……、先輩がいないと何も楽しくないです」
また困ったように笑う伊織。
「……また、来年会えますか?」
「え……?」
「俺、先輩と同じ高校受けます!」
「…自分の行きたい高校いきなよ」
「先輩が行くところが行きたいところです!」
「……」
「だから…来年、絶対に先輩と同じ高校行くから…待ってて」
伊織は大夢の頭を撫で「じゃあね」と言って去っていった。
「先輩……」
大夢は、伊織の背中を見つめながら強く決心した。
「絶対、先輩と同じ高校行くから」
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