壱ノ章
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『鬼灯様、せっかく1週間有給を貰ったので以前から話があった研修に行ってきます。しばらく留守にしますね』
「私は休暇をとって欲しかったのですが…わかりました。研修がてら天国観光でもしてゆっくりしてきてくださいね」
『はい、そのつもりです』
「あと、研修先のスケコマシには気をつけて」
『はい?』
休暇の朝はそんな会話で始まった
自由を手に入れた途端、何か新しいことをしたくてたまらない
最近自覚したがどうやら自分は動いていないと落ち着かない性分らしい
研修先は天国で店を構える吉兆の神獣、白澤様のところだ
彼は医学的な分野はプロであるが鬼灯様とは仲が悪いらしく、相談した時には鬼灯様は見るからに嫌そうだった
天国へ来るのは初めてではない、といっても書類確認と薬草の調達で何度か赴いただけであるが
桜は常に満開で植物は光を吸い込み、瑞々しい鮮やかな色である
なるほど、この空間にいるだけでも気分転換にはなりそうだ
ようやく店が見えてきた
小さいが、周りでは研修中のウサギが数羽おり癒しの空間である、かわいい
ドアを開けると鬼灯様と同じくらいの背丈の男性がちょうど女性に殴られて吹っ飛ばされてきたところだった
「地獄に落ちろ!!」
「ゴフッ!」
『えっ、ちょ、うわっ』
飛んできた男性を真正面で受けてしまい一緒に衝撃で転がる
女性は怒り心頭で帰ってしまった
「いたた…女の子ってたまにすごい力出るよね、大丈夫?うちの店に用?」
そう言って男性は何事も無かったように手を差し伸べてきた
女性関係には問題があるようだが一応心配はしてくれるらしい
『はい、問題ないです。研修で来たのですが白澤様はいらっしゃいますか?』
「あ、白澤は僕。ということは…アイツの部下かよ…」
立ち上がろうとしていたのに手を離されたので尻餅をつく
無意識下とはいえびっくりした
『それは失礼しました、時雨と申します。これから1週間お世話になります』
「うん、よろしくー」
上手くやっていけるのか早くも不安だ
【白澤視点】
今日は女の子に浮気がバレて殴られた上に冷徹鬼の部下が研修に来た
ついてない1日だ
第一印象は話し方や服や髪の色、無表情なところまでどことなくアイツに似ていて癪に障る、という感じ
切りたての前髪から覗く顔はえらく整っていて、女に生まれていたらさぞ妖艶な美女になっていただろう
小柄で華奢という所も中性的な雰囲気に拍車をかけている
『白澤様、この効能を出すにはどっちの薬草が最適ですか?』
「あぁそれはね…」
研修態度はいたって真面目
よく働き、よく学ぶ
今は休憩時間だが店に置いてある古い薬草図鑑を読んだりしている
「時雨君ってさ、冷徹鬼に似てるよね」
『冷徹鬼?』
「君の上司」
『鬼灯様ですか?』
「そうそう、顔は似てないけどさ、雰囲気?」
『何かとお世話になっているので癖が移ったのかも知れませんね』
「ふーん」
嬉しかったのか少し頬が緩んでいる
男相手に言うのも変だが可愛いところもあるじゃないか
その原因がアイツというところには腹が立つが
「今日はこの辺にしようか。部屋は空き部屋を使っていいよ。風呂は部屋の中にあるからね」
『寝るところまで…ありがとうございます』
1日目の感想は悪くなかった
ところどころアイツと重なるところがあってイラッとすることがあったが、時折みせる笑顔はなかなか可愛い
目を離しているあいだも黙々と作業を続けていたから一週間後の成長が楽しみだなぁ
「私は休暇をとって欲しかったのですが…わかりました。研修がてら天国観光でもしてゆっくりしてきてくださいね」
『はい、そのつもりです』
「あと、研修先のスケコマシには気をつけて」
『はい?』
休暇の朝はそんな会話で始まった
自由を手に入れた途端、何か新しいことをしたくてたまらない
最近自覚したがどうやら自分は動いていないと落ち着かない性分らしい
研修先は天国で店を構える吉兆の神獣、白澤様のところだ
彼は医学的な分野はプロであるが鬼灯様とは仲が悪いらしく、相談した時には鬼灯様は見るからに嫌そうだった
天国へ来るのは初めてではない、といっても書類確認と薬草の調達で何度か赴いただけであるが
桜は常に満開で植物は光を吸い込み、瑞々しい鮮やかな色である
なるほど、この空間にいるだけでも気分転換にはなりそうだ
ようやく店が見えてきた
小さいが、周りでは研修中のウサギが数羽おり癒しの空間である、かわいい
ドアを開けると鬼灯様と同じくらいの背丈の男性がちょうど女性に殴られて吹っ飛ばされてきたところだった
「地獄に落ちろ!!」
「ゴフッ!」
『えっ、ちょ、うわっ』
飛んできた男性を真正面で受けてしまい一緒に衝撃で転がる
女性は怒り心頭で帰ってしまった
「いたた…女の子ってたまにすごい力出るよね、大丈夫?うちの店に用?」
そう言って男性は何事も無かったように手を差し伸べてきた
女性関係には問題があるようだが一応心配はしてくれるらしい
『はい、問題ないです。研修で来たのですが白澤様はいらっしゃいますか?』
「あ、白澤は僕。ということは…アイツの部下かよ…」
立ち上がろうとしていたのに手を離されたので尻餅をつく
無意識下とはいえびっくりした
『それは失礼しました、時雨と申します。これから1週間お世話になります』
「うん、よろしくー」
上手くやっていけるのか早くも不安だ
【白澤視点】
今日は女の子に浮気がバレて殴られた上に冷徹鬼の部下が研修に来た
ついてない1日だ
第一印象は話し方や服や髪の色、無表情なところまでどことなくアイツに似ていて癪に障る、という感じ
切りたての前髪から覗く顔はえらく整っていて、女に生まれていたらさぞ妖艶な美女になっていただろう
小柄で華奢という所も中性的な雰囲気に拍車をかけている
『白澤様、この効能を出すにはどっちの薬草が最適ですか?』
「あぁそれはね…」
研修態度はいたって真面目
よく働き、よく学ぶ
今は休憩時間だが店に置いてある古い薬草図鑑を読んだりしている
「時雨君ってさ、冷徹鬼に似てるよね」
『冷徹鬼?』
「君の上司」
『鬼灯様ですか?』
「そうそう、顔は似てないけどさ、雰囲気?」
『何かとお世話になっているので癖が移ったのかも知れませんね』
「ふーん」
嬉しかったのか少し頬が緩んでいる
男相手に言うのも変だが可愛いところもあるじゃないか
その原因がアイツというところには腹が立つが
「今日はこの辺にしようか。部屋は空き部屋を使っていいよ。風呂は部屋の中にあるからね」
『寝るところまで…ありがとうございます』
1日目の感想は悪くなかった
ところどころアイツと重なるところがあってイラッとすることがあったが、時折みせる笑顔はなかなか可愛い
目を離しているあいだも黙々と作業を続けていたから一週間後の成長が楽しみだなぁ