壱ノ章
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次の日、昼まで鬼灯様のスパルタ演習を受け、獄卒のノウハウを学んだ後は昔なじみがいるという技術課への配属が決まった
トントン拍子に事が運んで行くことに少し申し訳なさを感じつつ、視線を送ると
「時間の感覚が麻痺していたのかも知れませんが、百年とはそれほどの時間だったということです」
『口に出てました…?』
「顔に書いてあります」
生前から拷問されていた時にかけて表情筋は死んだと思っていたがそんなことは無かったらしい
「ここが技術課です。主に拷問器具の開発を行っていますが…」
『どうかなさいましたか?』
「ここの獄卒は少し…いやかなり変人ぞろいなので気をつけてください」
『鬼灯様がそう仰るなんて相当なんですね…気をつけます。送って下さりありがとうございました。』
「いえ、では話は通してありますのでなかに入ったら烏頭という獄卒に話を聞いてください。ただのバカですが仕事はできます。私は閻魔殿にいますので。」
そう言うと鬼灯様は職場に戻ってしまった
本当はしばらく付き添うつもりだったらしいがそろそろ閻魔大王が限界らしくSOSが来たのだ
朝の盛大な舌打ちはなかなかの迫力でした…
技術課の扉を開けると図面やら部品やら工具やらが散らばった部屋だった
従業員は少なめで、1人1人思うがままに何かを作っている
「お前が時雨か?」
『は、はい』
びっくりした…いきなり背後から話しかけないでほしい…
明るめの髪につり目、聞いていた特徴とそっくりだ
『烏頭さん、ですか?』
「おぅそうだ、よろしくな!何か不安なことあったらなんでも聞けよ!」
『はい、よろしくお願いします。』
よかった、悪い人じゃなさそうだ
「仕事内容は見ての通り以来された部署の器具を作るのがメインだけど…」
『私は今のところ資格がないので書類整理と雑務をするように言われてきました。約立たずですみません…』
「いや、うちの課そういうのからっきしだから助かるわ!鬼灯のやつ分かっててよこしたんだよ、抜け目のねぇやつ」
『お役に立てる様がんばります!』
自分がいる意味があると言われたようで俄然やる気が出てきた
上手くいくといいなぁ
烏頭さんの作業台の近くに机を用意してもらい、早速片付ける書類を貰うとすぐ取り掛かった
なかなか量が多いなぁ、これとかいつのヤツだろう…期限がだいぶ前に過ぎてるがこんな時は鬼灯様直伝のお偉いさんへの謝り方が使えるはずだ
「何かお前」
『どうしました?』
烏頭さんが作業台に頬杖をつきながら言う
「家とエサもらった子犬みたいだな」
『はい??』
何を言い出すかと思えば子犬呼ばわりとは…
「弟ができたみたいで可愛いわ」
『うわっ』
今度は頭をぐしゃぐしゃに撫でられる始末
ほかの従業員は自分の事に集中していてこっちには目を向けないが、大の大人がこれは恥ずかしい
『からかわないでください…』
「こら烏頭、新人君が戸惑ってるだろ」
『えっと…蓬さんですか?』
「そうだよ、鬼灯から聞いてた?」
『はい』
鬼らしい天然パーマの黒髪、温厚な性格と聞いていたがこの人が重度のオタクとは信じられない
「お前今日オタク仲間と会議あるからサボるって言ってなかったか?」
「そうだよ、ちょっと忘れ物取りに来ただけ」
『サボるって…大丈夫なんですか』
「いいんだよ、最低限自分の仕事はやってるから」
「それじゃ、烏頭、あんまり迷惑かけるなよ」
「へいへい」
なんか、自由な職場だ…
最低限のことって器具の開発だけで書類整理や掃除なんかはめっきりなのだろう
やることは多そうだ
数時間後
『お、おわった…』
気づけば周りには一人もいなくなっていたので、軽く掃除までしてしまった…
内容も確認したから場所は間違っていないはずだ、多分…
烏頭さんも戸締りを任せて帰ってしまったし、部屋は文机の灯り以外真っ暗
提出は挨拶がてら明日行くのでいいだろう
どうせ期限は過ぎてる
帰ったら資格取得の勉強をしなければ、閻魔殿の書庫ならまだ開いているだろうか
鍵を締めながら生あくびが出る
一日目から張り切り過ぎたか…
「随分かかりましたね」
『ちょっと仕事の効率が悪くて…あと書庫にも用がありましたので』
「勉強熱心なのは結構ですがまずは夕食をとってゆっくり睡眠してください。あまり負荷をかけると体を壊しますよ」
『お気遣いありがとうございます、食事は朝とったので大丈夫ですよ』
本で読んだ母親のようなことを言うので言葉を返すと鬼灯様は目を見開いた
『えっと、何か』
「食事は朝、昼、晩と3食食べるものです。睡眠は短くとも5時間はとってください」
それは流石に贅沢過ぎではないのか
「これが普通の生活ですよ。なにも変なことも贅沢なこともありません」
『僕は5日は食べなくても寝なくても生きられます』
「では普通の生活に慣れてください。効率的に動けるはずです」
『で、では食堂に行ってきます』
「はい、行ってらっしゃい」
普通に慣れるのは少し難しそうだ…
夕食のさば味噌定食はなかなかのお味でした
トントン拍子に事が運んで行くことに少し申し訳なさを感じつつ、視線を送ると
「時間の感覚が麻痺していたのかも知れませんが、百年とはそれほどの時間だったということです」
『口に出てました…?』
「顔に書いてあります」
生前から拷問されていた時にかけて表情筋は死んだと思っていたがそんなことは無かったらしい
「ここが技術課です。主に拷問器具の開発を行っていますが…」
『どうかなさいましたか?』
「ここの獄卒は少し…いやかなり変人ぞろいなので気をつけてください」
『鬼灯様がそう仰るなんて相当なんですね…気をつけます。送って下さりありがとうございました。』
「いえ、では話は通してありますのでなかに入ったら烏頭という獄卒に話を聞いてください。ただのバカですが仕事はできます。私は閻魔殿にいますので。」
そう言うと鬼灯様は職場に戻ってしまった
本当はしばらく付き添うつもりだったらしいがそろそろ閻魔大王が限界らしくSOSが来たのだ
朝の盛大な舌打ちはなかなかの迫力でした…
技術課の扉を開けると図面やら部品やら工具やらが散らばった部屋だった
従業員は少なめで、1人1人思うがままに何かを作っている
「お前が時雨か?」
『は、はい』
びっくりした…いきなり背後から話しかけないでほしい…
明るめの髪につり目、聞いていた特徴とそっくりだ
『烏頭さん、ですか?』
「おぅそうだ、よろしくな!何か不安なことあったらなんでも聞けよ!」
『はい、よろしくお願いします。』
よかった、悪い人じゃなさそうだ
「仕事内容は見ての通り以来された部署の器具を作るのがメインだけど…」
『私は今のところ資格がないので書類整理と雑務をするように言われてきました。約立たずですみません…』
「いや、うちの課そういうのからっきしだから助かるわ!鬼灯のやつ分かっててよこしたんだよ、抜け目のねぇやつ」
『お役に立てる様がんばります!』
自分がいる意味があると言われたようで俄然やる気が出てきた
上手くいくといいなぁ
烏頭さんの作業台の近くに机を用意してもらい、早速片付ける書類を貰うとすぐ取り掛かった
なかなか量が多いなぁ、これとかいつのヤツだろう…期限がだいぶ前に過ぎてるがこんな時は鬼灯様直伝のお偉いさんへの謝り方が使えるはずだ
「何かお前」
『どうしました?』
烏頭さんが作業台に頬杖をつきながら言う
「家とエサもらった子犬みたいだな」
『はい??』
何を言い出すかと思えば子犬呼ばわりとは…
「弟ができたみたいで可愛いわ」
『うわっ』
今度は頭をぐしゃぐしゃに撫でられる始末
ほかの従業員は自分の事に集中していてこっちには目を向けないが、大の大人がこれは恥ずかしい
『からかわないでください…』
「こら烏頭、新人君が戸惑ってるだろ」
『えっと…蓬さんですか?』
「そうだよ、鬼灯から聞いてた?」
『はい』
鬼らしい天然パーマの黒髪、温厚な性格と聞いていたがこの人が重度のオタクとは信じられない
「お前今日オタク仲間と会議あるからサボるって言ってなかったか?」
「そうだよ、ちょっと忘れ物取りに来ただけ」
『サボるって…大丈夫なんですか』
「いいんだよ、最低限自分の仕事はやってるから」
「それじゃ、烏頭、あんまり迷惑かけるなよ」
「へいへい」
なんか、自由な職場だ…
最低限のことって器具の開発だけで書類整理や掃除なんかはめっきりなのだろう
やることは多そうだ
数時間後
『お、おわった…』
気づけば周りには一人もいなくなっていたので、軽く掃除までしてしまった…
内容も確認したから場所は間違っていないはずだ、多分…
烏頭さんも戸締りを任せて帰ってしまったし、部屋は文机の灯り以外真っ暗
提出は挨拶がてら明日行くのでいいだろう
どうせ期限は過ぎてる
帰ったら資格取得の勉強をしなければ、閻魔殿の書庫ならまだ開いているだろうか
鍵を締めながら生あくびが出る
一日目から張り切り過ぎたか…
「随分かかりましたね」
『ちょっと仕事の効率が悪くて…あと書庫にも用がありましたので』
「勉強熱心なのは結構ですがまずは夕食をとってゆっくり睡眠してください。あまり負荷をかけると体を壊しますよ」
『お気遣いありがとうございます、食事は朝とったので大丈夫ですよ』
本で読んだ母親のようなことを言うので言葉を返すと鬼灯様は目を見開いた
『えっと、何か』
「食事は朝、昼、晩と3食食べるものです。睡眠は短くとも5時間はとってください」
それは流石に贅沢過ぎではないのか
「これが普通の生活ですよ。なにも変なことも贅沢なこともありません」
『僕は5日は食べなくても寝なくても生きられます』
「では普通の生活に慣れてください。効率的に動けるはずです」
『で、では食堂に行ってきます』
「はい、行ってらっしゃい」
普通に慣れるのは少し難しそうだ…
夕食のさば味噌定食はなかなかのお味でした