壱ノ章
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鬼灯様の献身的な看病のおかげで風邪は治り、ようやく仕事が出来る所まで回復した
そのはずなのに…
『…』
「時雨君、聞いてる?」
『は、はい!なんですか?』
「らしくないね、ぼーっとしちゃって。まだ調子悪い?」
『そんなことありません、今日締切の書類を貰ってきます。……アダッ』
「本当に大丈夫かなぁ?」
頭が回らないしドアにぶつかるし、どうしたんだ…
大王から鬼灯様に伝わったらと思うとあとが怖い…恐らくプチGWの始まりだろう…
『すみません、烏頭さん。今日までの書類がまだ届いていないんですが』
「おーちょうど今行こうと思ってたところだ、ほらよ」
『どうも』
「…なんかあったか?」
『いえ、どうしてです?』
「いつもなら一言言ってから帰るじゃねぇか、『期限に余裕を持って』とかさ」
そんな分かりやすくなった覚えはないんだが…
第三者の意見を取り入れるのもいいのかもしれない…
『少し、時間をもらってもいいですか?』
「?あぁ、いいぞ」
一人で悩んでいても一向に解決策が見つからないので、烏頭さんに事のあらましを話した
『と、言うわけなんです』
「要約すると、鬼灯に看病してもらってから目が合わせられなくなって、仕事をしていても集中出来ないと?」
『はい…あれから鬼灯様といると動悸が激しくなって…』
「典型的だなぁ…そこまで自覚症状あって気づかないかね普通」
『ま、まさか…不甲斐ない部下への怨念が呪いとなって…』
「あーそっち行っちゃうかー」
烏頭さんはどことなく楽しそうである
原因に気づいているなら助けて欲しい、本当に困っているんだ
『あの、真剣に悩んでるんですが…』
「俺から言うのも簡単だけど、こういうのは自分で気づかないとな」
『そうですか…』
「まぁ、そう落ち込むな!そこまで気づいてんなら割とすぐだって」
烏頭さんが頭をワシャワシャと撫でてくる
下積み時代を思い出すなぁ…
『なんとなく人に話したら少しはスッキリしました、ありがとうございます、烏頭さん』
「おー、いいってことよ!」
『要は気づくまでは待つべしと言うわけですね!まだモヤモヤしますがちょうど研究したいことがあったのでしばらく頑張ってみます!!』
「お、おぅ?がんばれ…?」
その日から僕は食べる間も寝る間も惜しんで研究に没頭した
おかげで鬼灯様とはあまり顔を合わせることは無くなったが、仕事の効率は上がり、頭の整理もできた
これはいいぞ…とても調子がいいじゃないか…
気づいたこともあった
どうやら鬼灯様は僕の中でかなり重要な存在になっているらしい
いや、お世話になってきたからというのもあるが、それとは別の言い表せない感情も持っているようだ
人事のように分析したが、実際本当に分からないのだから仕方がないだろう
今日も今日とて化粧で濃くなる隈を塗りつぶして仕事開始だ
『おはようございます、大王』
「おはよう、完全に復活したみたいで安心したよ〜昨日も遅くまで書庫の電気がついてたみたいだけど大丈夫?無理してない?」
『いえ、しばらく調子が悪かったせいか、動いていないと落ち着かなくて…では天国に視察に行ってきます』
「それならいいんだけど…あ、いってらっしゃい」
「今日もすれ違いましたか」
「あれ?鬼灯くんか、時雨君なら朝一で視察にいったよ。そういえば最近君らが一緒にいるところ見ないね」
「仕事は仕方がないとして、食事の時間まで会わないとなると少し心配です」
「まぁ元気そうだし、そんなに心配しなくても大丈夫だと思うよ」
「だと、いいんですが…」
カビとホコリまみれの書庫室にこもっていたせいか天国の空気はうまいなぁ
「あ、時雨様、いらっしゃいませ!」
『こんにちは、桃太郎さん。朝早くからご苦労様です』
「今日はいつもの研究用ですか?」
『ええ。あ、それとこのリストに書いてあるものを別会計で』
「わかりました!少し待っていてくださいね、って…あー白澤様!!」
桃太郎さんの背後から突如として現れた白澤様がひょいっとリストを奪い取る
「やっほー時雨君〜」
『どうも…』
しくじった…いつもなら花街に行っていていないであろう時間を狙って来たのに
今日は真面目に働く日だったか…
「へぇ…」
「どうかしましたか?」
白澤様は先程のヘラヘラした表情から一変、こちらと真っ直ぐに目を合わせてくる
なんとなく居心地が悪いので目をそらすと今度は手が伸びてきて顔をつつまれ、親指で指の下をなぞられる
「やっぱりね」
「うわぁ!どうしたんですかその隈!」
慌てる桃太郎さんに対して今だ白澤様は真顔だ
指でなぞられたせいで化粧が落ちてしまい、隠していた隈がバレた
化粧直しをしたいが、易々と解放してはくれない雰囲気だ
「とりあえず座りなよ」
冷え冷えとした空気は和らがず、僕はただ促されるまま椅子に座った
そのはずなのに…
『…』
「時雨君、聞いてる?」
『は、はい!なんですか?』
「らしくないね、ぼーっとしちゃって。まだ調子悪い?」
『そんなことありません、今日締切の書類を貰ってきます。……アダッ』
「本当に大丈夫かなぁ?」
頭が回らないしドアにぶつかるし、どうしたんだ…
大王から鬼灯様に伝わったらと思うとあとが怖い…恐らくプチGWの始まりだろう…
『すみません、烏頭さん。今日までの書類がまだ届いていないんですが』
「おーちょうど今行こうと思ってたところだ、ほらよ」
『どうも』
「…なんかあったか?」
『いえ、どうしてです?』
「いつもなら一言言ってから帰るじゃねぇか、『期限に余裕を持って』とかさ」
そんな分かりやすくなった覚えはないんだが…
第三者の意見を取り入れるのもいいのかもしれない…
『少し、時間をもらってもいいですか?』
「?あぁ、いいぞ」
一人で悩んでいても一向に解決策が見つからないので、烏頭さんに事のあらましを話した
『と、言うわけなんです』
「要約すると、鬼灯に看病してもらってから目が合わせられなくなって、仕事をしていても集中出来ないと?」
『はい…あれから鬼灯様といると動悸が激しくなって…』
「典型的だなぁ…そこまで自覚症状あって気づかないかね普通」
『ま、まさか…不甲斐ない部下への怨念が呪いとなって…』
「あーそっち行っちゃうかー」
烏頭さんはどことなく楽しそうである
原因に気づいているなら助けて欲しい、本当に困っているんだ
『あの、真剣に悩んでるんですが…』
「俺から言うのも簡単だけど、こういうのは自分で気づかないとな」
『そうですか…』
「まぁ、そう落ち込むな!そこまで気づいてんなら割とすぐだって」
烏頭さんが頭をワシャワシャと撫でてくる
下積み時代を思い出すなぁ…
『なんとなく人に話したら少しはスッキリしました、ありがとうございます、烏頭さん』
「おー、いいってことよ!」
『要は気づくまでは待つべしと言うわけですね!まだモヤモヤしますがちょうど研究したいことがあったのでしばらく頑張ってみます!!』
「お、おぅ?がんばれ…?」
その日から僕は食べる間も寝る間も惜しんで研究に没頭した
おかげで鬼灯様とはあまり顔を合わせることは無くなったが、仕事の効率は上がり、頭の整理もできた
これはいいぞ…とても調子がいいじゃないか…
気づいたこともあった
どうやら鬼灯様は僕の中でかなり重要な存在になっているらしい
いや、お世話になってきたからというのもあるが、それとは別の言い表せない感情も持っているようだ
人事のように分析したが、実際本当に分からないのだから仕方がないだろう
今日も今日とて化粧で濃くなる隈を塗りつぶして仕事開始だ
『おはようございます、大王』
「おはよう、完全に復活したみたいで安心したよ〜昨日も遅くまで書庫の電気がついてたみたいだけど大丈夫?無理してない?」
『いえ、しばらく調子が悪かったせいか、動いていないと落ち着かなくて…では天国に視察に行ってきます』
「それならいいんだけど…あ、いってらっしゃい」
「今日もすれ違いましたか」
「あれ?鬼灯くんか、時雨君なら朝一で視察にいったよ。そういえば最近君らが一緒にいるところ見ないね」
「仕事は仕方がないとして、食事の時間まで会わないとなると少し心配です」
「まぁ元気そうだし、そんなに心配しなくても大丈夫だと思うよ」
「だと、いいんですが…」
カビとホコリまみれの書庫室にこもっていたせいか天国の空気はうまいなぁ
「あ、時雨様、いらっしゃいませ!」
『こんにちは、桃太郎さん。朝早くからご苦労様です』
「今日はいつもの研究用ですか?」
『ええ。あ、それとこのリストに書いてあるものを別会計で』
「わかりました!少し待っていてくださいね、って…あー白澤様!!」
桃太郎さんの背後から突如として現れた白澤様がひょいっとリストを奪い取る
「やっほー時雨君〜」
『どうも…』
しくじった…いつもなら花街に行っていていないであろう時間を狙って来たのに
今日は真面目に働く日だったか…
「へぇ…」
「どうかしましたか?」
白澤様は先程のヘラヘラした表情から一変、こちらと真っ直ぐに目を合わせてくる
なんとなく居心地が悪いので目をそらすと今度は手が伸びてきて顔をつつまれ、親指で指の下をなぞられる
「やっぱりね」
「うわぁ!どうしたんですかその隈!」
慌てる桃太郎さんに対して今だ白澤様は真顔だ
指でなぞられたせいで化粧が落ちてしまい、隠していた隈がバレた
化粧直しをしたいが、易々と解放してはくれない雰囲気だ
「とりあえず座りなよ」
冷え冷えとした空気は和らがず、僕はただ促されるまま椅子に座った