壱ノ章
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【時雨視点】
『ックシュン…』
「あれ?時雨君、風邪?」
『いえ、死んでから1度も風邪をひいたことは…』
「最近流行ってるよねぇ」
『鬼灯様には…』
「分かってるよ、無理はしないでね(鬼灯君に心配かけさせたくないのかな)」
寝不足にはよくなるけど風邪をひくなんて…
体調管理がなってない証拠だ、鬼灯様に呆れられてしまう
休み休み、体調を整えないと…
「時雨様、資料チェックお願いします!」
「時雨様〜すいません、先月分の書類の提出が遅れてしまいました」
「うちの部署に今から来てほしいのですが…」
な、なんでこういう時に限ってこんなに忙しいんだ…
『ケホッ…』
増える咳の音が虚しい
3日後
頭が痛い…目の前がグラグラする
暑いのか寒いのかわからないがやたらと震える
これはまずい、仕事は終わらせてるから早めに休むと電話を…
とりあえず水を飲まなきゃ、前もって風邪薬を調合しとくんだった…
ベッドからは抜け出たが足に力が入らず、本が乱雑に積まれた床へ倒れ込む
床が冷たい、このまま寝てしまおうか…
そこで僕の意識は途切れた
目を開けて初めに映ったのは見慣れた天井
ベッドで寝ているようだ、ご丁寧に氷枕まで、一体誰が…
生前に風邪をひいた時は1日でも休めなかったから体に鞭打って働いて、それでも倒れた時は人目につかないところでじっとしていた
治って数日後、育ての親の元に怒られると怯えながら帰ると、何食わぬ顔で生活している
その時に、僕がお金を稼がなくてはこの人達は死んでしまうんだという傲慢な考え方が恥ずかしく思った
僕はホントはいてもいなくてもよくて、僕なんかを必要とする人は誰も…
じっとしていると余計なことまで考えてしまう
そして、ガチャリと誰かがドアを開ける音が聞こえた
「目が覚めましたか」
『ほ…ずき…さま…』
思いのほか喉が枯れている
なんとなく息もしにくい
「水、飲めますか?」
『…ありが、とうございます…』
喉をよく冷えた水が落ちていく、火照った体が冷えていくのを感じた
「遅いので部屋に来てみたら貴方が倒れていたので肝が冷えました」
『ご迷惑をお掛けしました…』
鬼灯様がベッドの端にある椅子に座って手を僕の額に当てた
手が冷たいのが心地いい
「熱が上がってきていますね、体質上鬼神に効く薬はなかなかありませんから…」
『厄介ですね…』
「今日は1日寝ていてください、夜にまた様子を見に来ます」
背を向けた鬼灯様の服の端を掴む
驚いたのか鬼灯様はもう一度向き直りこちらを見た
僕は何を…
『あの、さみしい…です…』
風邪をひくと心細くなるって言うのは本当だったらしい
どこまで迷惑をかけるんだと嫌になる
「………」
鬼灯様が携帯を取り出す、完全に嫌われた…失望された?さんざん迷惑をかける部下なんてもう…
「もしもし?大王、今日は休暇をいただきます。…はい、仕事?部下の尻拭いくらいやってくださいよ。」
『え、あの…』
「今日は1日ここにいますよ。こんな状態の貴方を1人にしておけませんから」
『…あ、ありがとうございます…』
「あんなに可愛らしいことを言われて出ていけるわけがないでしょう、気にしないでください」
『かわっ…』
今更ながらに幼なすぎて恥ずかしくなってきた…
羞恥で顔を背けると頭を撫でられた
人肌恋しいのか嫌な感じはしない、むしろ…
「時雨さんが大人しく撫でられているのは珍しいですね」
『…今日だけです』
「おや、」
むしろ嬉しいだなんて、馬鹿なことを
体温が上がっているからかやけに鬼灯様の声と手つきが優しく感じる
「熱が上がってきたようですね、そろそろ休んでください」
『そうします…』
さっきからやけに顔が熱い…そろそろ寝た方がいいかもしれない
『ックシュン…』
「あれ?時雨君、風邪?」
『いえ、死んでから1度も風邪をひいたことは…』
「最近流行ってるよねぇ」
『鬼灯様には…』
「分かってるよ、無理はしないでね(鬼灯君に心配かけさせたくないのかな)」
寝不足にはよくなるけど風邪をひくなんて…
体調管理がなってない証拠だ、鬼灯様に呆れられてしまう
休み休み、体調を整えないと…
「時雨様、資料チェックお願いします!」
「時雨様〜すいません、先月分の書類の提出が遅れてしまいました」
「うちの部署に今から来てほしいのですが…」
な、なんでこういう時に限ってこんなに忙しいんだ…
『ケホッ…』
増える咳の音が虚しい
3日後
頭が痛い…目の前がグラグラする
暑いのか寒いのかわからないがやたらと震える
これはまずい、仕事は終わらせてるから早めに休むと電話を…
とりあえず水を飲まなきゃ、前もって風邪薬を調合しとくんだった…
ベッドからは抜け出たが足に力が入らず、本が乱雑に積まれた床へ倒れ込む
床が冷たい、このまま寝てしまおうか…
そこで僕の意識は途切れた
目を開けて初めに映ったのは見慣れた天井
ベッドで寝ているようだ、ご丁寧に氷枕まで、一体誰が…
生前に風邪をひいた時は1日でも休めなかったから体に鞭打って働いて、それでも倒れた時は人目につかないところでじっとしていた
治って数日後、育ての親の元に怒られると怯えながら帰ると、何食わぬ顔で生活している
その時に、僕がお金を稼がなくてはこの人達は死んでしまうんだという傲慢な考え方が恥ずかしく思った
僕はホントはいてもいなくてもよくて、僕なんかを必要とする人は誰も…
じっとしていると余計なことまで考えてしまう
そして、ガチャリと誰かがドアを開ける音が聞こえた
「目が覚めましたか」
『ほ…ずき…さま…』
思いのほか喉が枯れている
なんとなく息もしにくい
「水、飲めますか?」
『…ありが、とうございます…』
喉をよく冷えた水が落ちていく、火照った体が冷えていくのを感じた
「遅いので部屋に来てみたら貴方が倒れていたので肝が冷えました」
『ご迷惑をお掛けしました…』
鬼灯様がベッドの端にある椅子に座って手を僕の額に当てた
手が冷たいのが心地いい
「熱が上がってきていますね、体質上鬼神に効く薬はなかなかありませんから…」
『厄介ですね…』
「今日は1日寝ていてください、夜にまた様子を見に来ます」
背を向けた鬼灯様の服の端を掴む
驚いたのか鬼灯様はもう一度向き直りこちらを見た
僕は何を…
『あの、さみしい…です…』
風邪をひくと心細くなるって言うのは本当だったらしい
どこまで迷惑をかけるんだと嫌になる
「………」
鬼灯様が携帯を取り出す、完全に嫌われた…失望された?さんざん迷惑をかける部下なんてもう…
「もしもし?大王、今日は休暇をいただきます。…はい、仕事?部下の尻拭いくらいやってくださいよ。」
『え、あの…』
「今日は1日ここにいますよ。こんな状態の貴方を1人にしておけませんから」
『…あ、ありがとうございます…』
「あんなに可愛らしいことを言われて出ていけるわけがないでしょう、気にしないでください」
『かわっ…』
今更ながらに幼なすぎて恥ずかしくなってきた…
羞恥で顔を背けると頭を撫でられた
人肌恋しいのか嫌な感じはしない、むしろ…
「時雨さんが大人しく撫でられているのは珍しいですね」
『…今日だけです』
「おや、」
むしろ嬉しいだなんて、馬鹿なことを
体温が上がっているからかやけに鬼灯様の声と手つきが優しく感じる
「熱が上がってきたようですね、そろそろ休んでください」
『そうします…』
さっきからやけに顔が熱い…そろそろ寝た方がいいかもしれない