壱ノ章
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現世では社会問題である過労が原因で死者が増える一方
それと同時に地獄も繁忙期を迎えている
閻魔大王、鬼灯様、僕も含め地位のある立場になってくると忙しさは平の獄卒とは比べ物にならない
とはいえ、鬼灯様の日々の積み重ねと戦略によりピークからはだいぶ落ち着いてきた今日この頃、白澤様に新しい弟子ができたと聞いた
なんでもチンピラの様なことをしていたところ、鬼灯様にこってり絞られて桃源郷の人員不足の改善に務めることにしたのだとか
ちなみにその人の仲間はとある地獄の部署で働いているらしい
今日は鬼灯様にその人への挨拶と様子見に天国へと派遣されたというわけである
正直あまり気は進まないが…
【桃太郎視点】
さんざん迷惑をかけてこってり説教されたのにも関わらず、鬼灯様の紹介で天国での仕事に就くことが出来た
しかも性格には難があるが名のある神獣、白澤様の弟子として薬学を勉強している
あの世でなにをしていいか分からずにイキリ散らしていたつい先日までが恥ずかしい…
鼻歌を歌いながら庭の掃除をしていると前方から全身黒ずくめの、どこか鬼灯様と似た美少女が歩いてきた
他の人達とは少々雰囲気が違うが十中八九白澤様の彼女だろう
「いらっしゃいませ、白澤様なら中にいますよ」
『いえ、今日は桃太郎さんという方にに用があってきたのですが…』
「えっ、僕にですか?」
近くで見るとさらに美人だなぁ
こんなに綺麗な人と知り合いになった覚えはないからきっと地獄の獄卒が鬼灯様のお使いで来たという所か
『初めまして、私は閻魔大王第二補佐官をしております、時雨と申します。今日は挨拶と様子見に参りました。』
第二補佐官だって!?
たしかにわざわざ挨拶に来るなんてそれなりの立場であるはずだろう
「あ、ご丁寧にどうも…桃太郎ともうし…」
「時雨君!来てたの!?」
『はぁ…だから嫌だったんですよ…』
ん?何か言ったように聞こえたのは気のせいか…
僕の挨拶を遮ったのは白澤様
酷く顔がだらしない、というか数年来の運命の相手にでも巡り会ったような興奮のしようだ
時雨様は美人だからなぁ
ん?いま「君」って…
「あの、失礼ですがご性別は…」
『あぁ…よく間違われるんですがれっきとした男ですよ。筋肉が付きにくいのでどうも細く見えてしまうのでしょうかね?』
「ええええ!?あ、すみません…」
『いえいえ、慣れていますのでお気になさらず』
「時雨君は性別関係ないくらい美人だから関係ないよね〜」
『そんなこと言っているとお弟子さんに呆れられますよ、早く嫁さん貰って元弟子を安心させてください』
「時雨君がお嫁においでよ」
『桃太郎さんが弟子ということはボクは兄弟子になりますね』
「え?そうなんですか?」
「相変わらずいけずだなぁ」
流石、だいぶ白澤様の扱いに慣れていらっしゃる模様…
『短期間でしたがここで研修してその後も数年間、薬学を中心に色々と教わっていました。
何か困ったことがあったらいつでも相談してくださいね、可愛い弟弟子、ですので…』
「は、はい!」
時雨様が照れたようにはにかむと周りに花が咲いたようだった
か、可愛い…!
これは白澤様に目をつけられるのも納得だ
ココ最近ドS鬼神やらスケコマシ上司と言った人に関わってばかりだから一般人が眩しい…
「ありがとうございばず…」
『ど、どうしたんです??』
「僕、あなたに会えてよかったです…!」
『?』
「ちょっと!!桃太郎君抜け駆けしないでよねー!」
「抜け駆けって、時雨様は男性ですよ!」
「そんなの関係ないね!僕の運命の相手なんだから!」
「え、まさかお二人は」
『何かとんでもない勘違いをされているようですが断じてそんなことはありません』
「絶賛片思い中だよ〜」
ダメだ…白澤様が何を言っているのか全然わからない
神獣というか神っていう存在は性別なんて関係の無いのかも…いやでも白澤様は女の子めちゃくちゃ好きだし…
『桃太郎さん、白澤さんの言うことは気にしないでください。一時の気の迷いです』
「はぁ…」
「気の迷いで何百年も一途に追いかけないよ〜」
「これ以上なく説得力ないですね」
『それでは僕は次の仕事がありますので失礼します、忙しなくて申し訳ありません』
「いえ、こちらこそお忙しい中ありがとうございました!」
「また来てねぇ〜」
時雨様、不思議な方だった…
「僕達も店に戻りましょうか、白澤様」
「…」
「白澤様?」
「僕、昔は今ほど毎日のように遊びに行っていたわけじゃないんだよ」
「どういうことですか?」
「今より店番はしてたし従業員も少なかったしね、正直言って退屈だった。そんな時に時雨君が来たんだ」
真面目に働く白澤様…ぶっちゃけあんまりピンと来ない…
「真面目で無口で頑固、博識なのに勉強熱心。一見堅物そうなのに気が利いて時々笑う顔が可愛くて…気づいたらベタ惚れだよ」
「それが今の女癖とどう…」
「きっぱり振られちゃってね、それでもずっと忘れられなくて気を紛らわすために花街に通って酒も飲んで」
「うわぁ…悲惨」
「人に惚れるって怖いねぇ〜」
「白澤様、」
「なに?」
怖いと言いながら見たことないくらい幸せそうですね
「僕も時雨様が気になってきました」
「何ぃ!?」
それと同時に地獄も繁忙期を迎えている
閻魔大王、鬼灯様、僕も含め地位のある立場になってくると忙しさは平の獄卒とは比べ物にならない
とはいえ、鬼灯様の日々の積み重ねと戦略によりピークからはだいぶ落ち着いてきた今日この頃、白澤様に新しい弟子ができたと聞いた
なんでもチンピラの様なことをしていたところ、鬼灯様にこってり絞られて桃源郷の人員不足の改善に務めることにしたのだとか
ちなみにその人の仲間はとある地獄の部署で働いているらしい
今日は鬼灯様にその人への挨拶と様子見に天国へと派遣されたというわけである
正直あまり気は進まないが…
【桃太郎視点】
さんざん迷惑をかけてこってり説教されたのにも関わらず、鬼灯様の紹介で天国での仕事に就くことが出来た
しかも性格には難があるが名のある神獣、白澤様の弟子として薬学を勉強している
あの世でなにをしていいか分からずにイキリ散らしていたつい先日までが恥ずかしい…
鼻歌を歌いながら庭の掃除をしていると前方から全身黒ずくめの、どこか鬼灯様と似た美少女が歩いてきた
他の人達とは少々雰囲気が違うが十中八九白澤様の彼女だろう
「いらっしゃいませ、白澤様なら中にいますよ」
『いえ、今日は桃太郎さんという方にに用があってきたのですが…』
「えっ、僕にですか?」
近くで見るとさらに美人だなぁ
こんなに綺麗な人と知り合いになった覚えはないからきっと地獄の獄卒が鬼灯様のお使いで来たという所か
『初めまして、私は閻魔大王第二補佐官をしております、時雨と申します。今日は挨拶と様子見に参りました。』
第二補佐官だって!?
たしかにわざわざ挨拶に来るなんてそれなりの立場であるはずだろう
「あ、ご丁寧にどうも…桃太郎ともうし…」
「時雨君!来てたの!?」
『はぁ…だから嫌だったんですよ…』
ん?何か言ったように聞こえたのは気のせいか…
僕の挨拶を遮ったのは白澤様
酷く顔がだらしない、というか数年来の運命の相手にでも巡り会ったような興奮のしようだ
時雨様は美人だからなぁ
ん?いま「君」って…
「あの、失礼ですがご性別は…」
『あぁ…よく間違われるんですがれっきとした男ですよ。筋肉が付きにくいのでどうも細く見えてしまうのでしょうかね?』
「ええええ!?あ、すみません…」
『いえいえ、慣れていますのでお気になさらず』
「時雨君は性別関係ないくらい美人だから関係ないよね〜」
『そんなこと言っているとお弟子さんに呆れられますよ、早く嫁さん貰って元弟子を安心させてください』
「時雨君がお嫁においでよ」
『桃太郎さんが弟子ということはボクは兄弟子になりますね』
「え?そうなんですか?」
「相変わらずいけずだなぁ」
流石、だいぶ白澤様の扱いに慣れていらっしゃる模様…
『短期間でしたがここで研修してその後も数年間、薬学を中心に色々と教わっていました。
何か困ったことがあったらいつでも相談してくださいね、可愛い弟弟子、ですので…』
「は、はい!」
時雨様が照れたようにはにかむと周りに花が咲いたようだった
か、可愛い…!
これは白澤様に目をつけられるのも納得だ
ココ最近ドS鬼神やらスケコマシ上司と言った人に関わってばかりだから一般人が眩しい…
「ありがとうございばず…」
『ど、どうしたんです??』
「僕、あなたに会えてよかったです…!」
『?』
「ちょっと!!桃太郎君抜け駆けしないでよねー!」
「抜け駆けって、時雨様は男性ですよ!」
「そんなの関係ないね!僕の運命の相手なんだから!」
「え、まさかお二人は」
『何かとんでもない勘違いをされているようですが断じてそんなことはありません』
「絶賛片思い中だよ〜」
ダメだ…白澤様が何を言っているのか全然わからない
神獣というか神っていう存在は性別なんて関係の無いのかも…いやでも白澤様は女の子めちゃくちゃ好きだし…
『桃太郎さん、白澤さんの言うことは気にしないでください。一時の気の迷いです』
「はぁ…」
「気の迷いで何百年も一途に追いかけないよ〜」
「これ以上なく説得力ないですね」
『それでは僕は次の仕事がありますので失礼します、忙しなくて申し訳ありません』
「いえ、こちらこそお忙しい中ありがとうございました!」
「また来てねぇ〜」
時雨様、不思議な方だった…
「僕達も店に戻りましょうか、白澤様」
「…」
「白澤様?」
「僕、昔は今ほど毎日のように遊びに行っていたわけじゃないんだよ」
「どういうことですか?」
「今より店番はしてたし従業員も少なかったしね、正直言って退屈だった。そんな時に時雨君が来たんだ」
真面目に働く白澤様…ぶっちゃけあんまりピンと来ない…
「真面目で無口で頑固、博識なのに勉強熱心。一見堅物そうなのに気が利いて時々笑う顔が可愛くて…気づいたらベタ惚れだよ」
「それが今の女癖とどう…」
「きっぱり振られちゃってね、それでもずっと忘れられなくて気を紛らわすために花街に通って酒も飲んで」
「うわぁ…悲惨」
「人に惚れるって怖いねぇ〜」
「白澤様、」
「なに?」
怖いと言いながら見たことないくらい幸せそうですね
「僕も時雨様が気になってきました」
「何ぃ!?」