6ワ 熱
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*臨也 said*
やっとの事で見つけた玲音。
俺の事を相当嫌いなのは前々から知っていたけど,面と向かって言われると流石の俺でもグサッとくるよ。
だからといって諦める気は更々ないけどね。
絶対玲音を手に入れる。
そんな訳で昨日の今日でまた池袋に訪れたのはいいけど一向に玲音に会う事がない。
それに玲音の事に関しては殆んど情報が手に入らない。
シズちゃんと仲が良いのは知ってるからシズちゃんに聞くのも手かもしれないけど会った瞬間、自販機とか飛んで来そうだから絶対嫌なんだよね。
「一体何処に居るのかな?」
そんなことを考えながら空を見上げれば雨雲が広がり始めていた。
雨に降られると面倒だね。
そう思いながらも近くの店で傘を買えば再び池袋を散策する。
雨雲とすっかり夜になってしまった事で辺りは暗く街の灯りが照らす。
そして、暫くすれば雨が降りだした。
傘をさしつつ歩いているとふと昨日玲音と会った裏路地を思い出した。
まぁ、昨日の今日で同じ場所で会うなんて事そうそうないと思うけどね。
期待を全くしていないと言えば嘘になるけど行くだけ行ってみようと思えばその場所へと向かう。
そう遠くもなかった為,数分歩けば路地の入り口まで来た。
ゆっくりとした足取りで入っていき裏路地に出れば少し辺りを見渡す。
「…まさか、ね。」
丁度一人くらいが雨宿り出来そうな場所に座り込み伏せている人を見つけた。
何の確信もないけど何となく玲音な気がして音を立てないようにして近付く。
そして、声をかければ返ってきた声に言葉に確信を得た。
まさか本当に此処で会うとは、ね。
少し浮き足立ちながらもずぶ濡れな彼はいつもと様子が違う。
疑問に思いながらも何故か高校で大怪我させた時の事を思い出し心配になった。
「随分ずぶ濡れだけど大丈夫かい?」
「は…だい、じょうぶ、だ…このくらい。」
問いに対しての言葉が途切れ途切れ。
結構無理をしていそうだ。
そう思った矢先、立ち上がったはいいけどふらつく玲音。
咄嗟に支えるも雨のせいで体が冷えきってしまっている。
「全然大丈夫そうじゃないんだけど。」
「はぁ…だい、じょ、ぶ…ッ!」
大丈夫だと言い張っているけど,何処をどう見ても全然大丈夫そうじゃない。
全くこんな時くらい頼ればいいのに。
嫌いだからとかそういうのは置いておいて。
プライドが高い玲音には無理か。
自問自答していると急に重さが増し驚きつつ声をかけるも返ってこない。
片手で支えながらフードを取り顔を見れば頬が赤く辛そうな表情。
まさかと思いながら額に手を当てれば熱く熱を出しているのが分かればすぐさま玲音を抱え路地を出れば丁度近くに居たタクシーに乗り込み場所を伝える。
「熱で意識が飛んだみたいだね。」
小さく呟きながらも徐に携帯を取り出せばとある人物に連絡を取る。
その人物は勿論彼。
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