6ワ 熱
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倉庫を後にして少し離れた所で眉間を押さえる。
本格的に頭痛が増してきた。
それに加え目眩といつもはほぼしない怪我で結構辛い。
それでもこんな所で止まれはしない為,家に向けて歩みを進める。
見慣れた裏路地に入った所で突然雨が降って来た。
「嘘だろ…勘弁してくれ…。」
天気予報で雨なんて言ってたっけ?
そもそも天気予報自体見てねぇや。
自問自答しながらも気が滅入り雨宿り出来そうな所まで行くもその間に結構ずぶ濡れになってしまった。
なんか最近ツイてないな。
そんな事を思いながらも座り込む。
寒いし、頭痛い。
ザーッという雨の音が嫌でも耳につく。
全く止む気配はない。
走って帰れば良いのだろうけどそうする余裕はないし、タクシーとかもこんな裏路地じゃ捕まえれない。
どうしようと考えてみるも頭痛の所為で考える事を破棄される。
このままじゃ風邪どころじゃ済まない気がするなと思いながらもどうする事も出来ない。
はぁと深い溜息を吐き顔を伏せる。
早く雨が止むか頭痛が治れば。
ふとさっきまではしなかった人の気配を感じれば顔を上げる。
其処に居た人物に顔を顰める。
「こんな所で何してるんだい?」
「おり、はら…く、ん…。」
昨日の今日で会うなんて本当にツイてない。
会うくらいなら何が何でも家に帰ってればよかった。
後悔したって意味なんてないけどね。
つか、フードで顔隠れてるのによく俺だって分かったな。
それとも何となくで声かけて声で判断したのか。
なんて、今はどうでもいいや。
「随分ずぶ濡れだけど大丈夫かい?」
「は…だい、じょうぶ、だ…このくらい。」
珍しく何処か心配そうに尋ねてくる相手に壁に背を預けつつ立ち上がりながら大丈夫なはずもないのにこいつだけには頼りたくないが為にそう言う。
しかし、立ち上がった所で立ちくらみがして倒れそうになるも折原君に支えられる。
突き放そうと試みるも殆んど力が入らない。
「全然大丈夫そうじゃないんだけど。」
「はぁ…だい、じょ、ぶ…ッ!」
折原君の言葉になんとか答えるも頭がぐわんぐわんしてきた。
寒い、熱い、痛い。
色んな物が一気に来る。
嗚呼、もう無理。
「ちょっ、玲音!?」
驚いた様な折原君の声を最後に意識が遠退いた。
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