4ワ 波瀾万丈
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高校時代とそう大して変わらない。
少しは大人びた様な気もするが嫌な感じは前から変わっていない。
「随分と嫌そうな顔をしているね?俺との折角の再会を喜んではくれないのかい?」
ニコリと笑いながら言いつつ此方へと近付く。
近付かれるほど、後退りをし距離を保つ。
勿論、答えはせずに無言で。
「答えてくれないのかな?まぁ、それでも構わないけど…やっと見つけたよ、月宮君。」
やれやれと言ったジェスチャーをしつつ獲物を見つけて喜ぶかの様な笑みを浮かべる。
その様子にゾクリと悪寒が走る。
「…見つけた?何の事やら。寧ろ、会いたくなかったんじゃねぇの?怪我しようが何しようが散々嫌がらせして置いて。俺の事なんか嫌いなんだろう?」
否、探していた事を知っていながらも挑発じみた事を言う。
つか、口を利く気は更々なかった筈が気付けばそう言っていた。
さっさとその場を去れば良い話だが足が竦む。
見つけた獲物を逃さぬ様、鋭い目付きで見つめる。
これだから此奴は嫌いなんだ。
「嫌い、ね…嫌いなのはシズちゃんだけだよ。君は嫌いじゃない。寧ろ、好きだね。ほら、よく言うじゃないか好きな子程虐めたくなるって。シズちゃんは別だけど。」
「っ!何、言って、やがる…?遂に頭をやられたか?」
笑みを浮かべる臨也に対し、頭が追いつかない。
奴の言ってる事はなんなんだ?
嘘か真か。
人ラブであるのは知ってるがそれに当てはまるのか否か。
奴が俺を好きな訳がない。
散々色々仕掛けて来たんだから。
グルグルと必死に頭を回転させていると急に痛みが走った。
「かはッ?!折は、ら、く…?」
「駄目だよ、敵の前で隙を見せちゃ。」
どうやらいつの間にか目の前に来ていた奴に壁に押さえ付けられたらしい。
それにクスッと笑いながら愉しそうに言う辺り騙したのだろう。
糞、なんでこんな簡単な手に引っかかって。
会ってしまった事に動揺を覚えている所為だと思いながらも何とか逃げる策を考える。
「色々考えてる所悪いけど、好きって言うのは本当だよ?それも特別な方で。」
「ッ、な、何、冗談、言って…!」
耳元で囁かれればゾワッとして抵抗しつつ言葉に動揺を見せてしまった。
「まさか、冗談なんかでこんな事を言う訳がない。本気なんだよ、玲音。」
低いトーンで囁かれ、しかも、呼ばれた事もない名の方で呼ばれればいよいよ思考がショートする。
「止めろ…嘘だ…また嫌がらせか何かだろ…?俺を嵌めて面白がるんだろ?」
「やれやれ、信用ないな…これなら信じてくれるかい?」
その瞬間、目の前が暗くなり唇に柔らかい感触を覚えるもすぐには理解する事が出来なかった。
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