story 14 真実
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「即答どうも。確かに持ってるよ。」
「だろうね。」
観念したように言えばやっぱりなという表情をする綱吉。
少し苦笑いを浮かべるも続ける。
「そう…持ってるから隠してるの…隠して必死に奴等に、見つからないように、っ!」
普通に話すつもりが途中で恐怖が込み上げて来て言葉に詰まりながらも言う。
そうだ。
奴等が…。
ふと出先で聞いた奴等の事を思い出した。
グッと拳を握り感情を抑える。
だけど、苦しくなる。
「奴等って?って、友羅?!」
「は、ぅ…だいじょーぶ、ちょっと、さっきの事が…っ、!」
焦る綱吉に苦し気に笑みを浮かべながら言う。
「あーもう。無理しなくていいから!」
そう言ってぐいっと引っ張られればふわりと抱き締められる。
今度は私が焦る。
「つ、つな、よし?」
「無理しなくていい。もう独りじゃないから、その奴等からも守ってやるから。」
優しい声色でそれでいて強い意思を感じる声色で言う綱吉の言葉に自然と涙が溢れる。
嗚呼、そうか。
もう、独りじゃないんだ…。
皆が、綱吉が、居るんだ…。
居るんだよね、信じていいんだよね?
私は此所に居て、此処が私の居場所でいいんだよね?
奴等みたいに酷いことだってしないんだよね…!
「大丈夫、友羅の居場所は此処だよ。友羅に何か酷いこともしないから。」
心を読んだのかそう言って優しく頭を撫でる綱吉。
なんでそんな優しいの。
会ってそんなに経たないのに。
可笑しいね、信じてみたくなる。
止めどなく流れる涙を拭う。
「ごめん、ありがと、っ…。」
「ん、大丈夫。」
安心したのか急激な眠気に襲われる。
まだ話、終わってないのに。
「友羅、少し休んで。また後で聞くから。」
その言葉に私は意識を手放した。
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