story 13 悲想
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
綱吉にどうしたのか聞こうとした瞬間に目に入った長いハニーブラウンの髪。
慌てて洗面所へ行き鏡を見て術が解けてる事がはっきりした。
あぁ…やってしまった…。
髪も瞳も戻ってる。
すぐに術をかければいい話なのだが問題は絶対綱吉にバレた。
ほんとダメだね。
弱いまま…。
気落ちしつつも取り敢えずは綱吉になんて言い訳するか。
本当の事を話す?
それとも隠す?
…どちらにせよいずれバレる事。
でも…本当の事を話していいのだろうか。
もし話して奴等に見つかったら…?
そもそも信用していいものなのか。
少しだけ居てもいいんだって思ったりはしたけど…それでもやっぱり怖い。
綱吉は優しいし信頼あるボスだから信じてもいいのかもしれない。
腹黒ではあるけど。
「誰が腹黒だって?」
「ぅわっ!?」
急に話しかけられて驚きつつ綱吉の方を見る。
考え込んでて気付かなかった。
それにしてもいつも通りの読心術といい笑み。
それが逆にホッとさせた。
「それはさておき、説明してもらおうか、友羅。」
「ぅ…。」
いざ聞かれれば言葉につまる。
どうしよう…。
言うのが怖い。
唇を噛み締め俯く。
「…友羅。」
「ッ!?つ、つな、よし?」
不意に呼ばれ抱き締められれば驚く。
「大丈夫だから。友羅の事、教えて?」
「ッ…信じても、いいの…?」
「嗚呼、何を聞いたからって逃がすつもりはないから。」
流石俺様。
思わず笑ってしまう。
それでも真剣なのは分かるから。
「何笑ってるの?」
「ごめん、ごめん。話すから許して。」
顔を顰める綱吉に少し焦りながらも謝る。
「分かった。取り敢えず、シャワー浴びておいで。濡れたままじゃ風邪引くから。」
「あ、うん、ごめん、ありがと。」
綱吉の言葉に雨で濡れていたことを思い出せば素直に頷く。
「いいよ。俺も着替えてくるから。」
それだけ言うと出て行く綱吉。
綱吉が出て行ったのを確認すれば大きく息を吐く。
大丈夫、綱吉なら信じられる。
真剣に向き合おうとしてくれてること分かるから。
そう自分に言い聞かせる。
「くしゅん…ッ!」
くしゃみが出る。
これ以上このままじゃ絶対風邪引く。
そう思えばさっさとシャワーを浴びることにした。
.