story 8 戸惑い
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少しすれば部屋に着き荷物を置けば溜め息を吐く。
「友羅。」
「何?」
綱吉に呼ばれそちらを向けば前髪を上げられる。
「あーあ、赤くなってんじゃん。」
「そりゃ思いっきりぶつけましたからね?」
「たんこぶ出来る前に冷やすことだな。」
綱吉の行動に驚きつつも動揺しないように返す。
…他の人にもこんなことするのかな?
なんて野暮な疑問が浮かぶもすぐに考えないようにしながらバッと綱吉から離れれば荷物を漁り救急ポーチから丁度よい大きさの湿布を取り出す。
「なんだ、持ってたのか。」
「一応怪我した時の為にも持ってるよ。」
「ふぅん?」
「なんだよ、ってちょっと!?」
持ってないと思っていたのか少し驚いた表情をしながらもすぐに何を思ったのか俺の手から湿布を奪う。
「大人しくしてろ。」
「っ、冷たッ!」
「当たり前だ。」
先程のように前髪を上げ優しく湿布を貼る綱吉。
湿布の冷たさを感じながら偶に優しいよなと思ってみたりする。
そうすれば当然の様に答えるんだけどね、こいつは。
「偶にじゃなくて常に優しいよ?」
「…何処がだよ。つか、また読心術を!」
「ほう?生意気なお口はこれかな?」
「痛ッ!」
にっこりと笑みを浮かべ頬を引っ張る綱吉。
さっきまでの優しさは何処へ?
そんな事を思えば容赦なく引っ張りやがる。
「いたいかりゃ、はにゃせ!」
「ん?何て言うんだっけ?」
「っ、ごめんにゃしゃいッ!」
文句を言えば笑顔で対応する綱吉に仕方なく謝ればやっと離してくれた。
痛みを和らげようと頬を擦りつつ綱吉を睨み付けるも平然としてらっしゃる。
「友羅、そんなに仕事増やして欲しいの?」
「んなわけあるか!」
睨んだのがいけなかったのか真っ黒い笑みを浮かべながらど偉い事を言い出す始末。
これ以上仕事増やされてたまるか。
まだそんなやってないけど…!
「取り敢えず、片付けを済ませて執務室に来てよ。仕事大量にあるから。」
「……りょーかいです。」
間を開けつつ返事をすれば何処か不服そうではあるが部屋を出て行った綱吉。
元はといえば荷物取りに行ったからだもんね。
「はぁ…頑張りますか。」
小さく呟きつつ荷物整理を開始した。
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