story 6 違和感
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*綱吉 said*
部屋に行ってみれば、いつも通りの友羅。
何処か違和感は感じたが。
友羅に少し聞こえる程度の声で“心配して損した"と呟けば、勿論言い返してきた。
本当は心配して損したなんて思ってはいない。
何故か逆にもっと心配になってしまった。
服着たまま肌寒い季節に冷水を浴びるなんて普通の奴ならしない。
それなのに彼奴はそれをしていた。
何が彼をそうさせた?
なんて考えても分かりはしない。
風邪引かれても困るし、しょうがなく部屋に戻り、なるだけ小さ目の服を探した。
彼奴、男にしては小さすぎるからな。
探しながら、友羅を気にする自分がいる事に疑問を抱いた。
最初はパシリってだけでそこまで気にもしてなかったが、何故か放って置く事が出来ない。
なんて変な感情を消すように頭を振り、見つけた服を持ち友羅の部屋に向かった。
友羅の部屋に入れば、考え事をしているのか少し難しい顔をしていた。
俺に気付いて声を掛けられる前に服を顔面に投げつけた。
服だし、痛くはないだろう。
一瞬キョトンとした顔をした友羅だったが、すぐに今まで見せたことのない笑顔でお礼を言ってきた。
その笑顔に俺は顔を歪めた。
友羅の笑顔は本当の笑顔じゃなかった。
本人は普通に笑ってるつもりだろうがそれはあまりにも作った感のある笑顔だった。
お礼を言ってるんだから、感謝してることは分かるが笑顔が不自然で違和感がありすぎる。
その表情を見て何故か友羅の事を知りたくなった。
だって、彼奴だけが俺の事を知ってるなんて可笑しいだろう?
そこではっと気付く。
なんで此処まで奴に拘る?
友羅が脱衣所に行ったのを確認すると目を覆い溜め息をついた。
「本当にどうしたんだ、俺。」
そう呟いても答えは返って来ない。
もやもやした感情と闘う羽目になってしまった。
*綱吉 said 終*
.