storia 22 記憶混濁
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「主。」
「嗚呼、戻ったか。Jokerは?」
「先程申したように跳ね馬によって記憶混濁を起こしたようで…。」
「そうか。まぁ、そう簡単には戻らないだろうから安心して良い。」
「はっ!」
声が聞こえる。
うっすらと目を開くと主とその部下がいた。
どうやら、僕は気を失っていたようだ。
気がつけばこのソファーの上にいた。
「おや、起きたようだね。大丈夫かい?」
「あ、主、様…。」
僕が起きたのに気付いたらしく主が近付いて来た。
そして、優しく頭を撫でられる。
ふと前にもこうして優しく撫でられた事があったような気がした。
でも、それは、主ではない。
変な違和感があるんだ。
「どうした?そんな顔をしかめて。」
「え、いえ…なんでもありません…。」
顰めっ面をしていたらしい。
なんでもないと言えば、今度は主が顰めっ面になる。
「そうか…まぁ、ゆっくり休め。久しぶりで疲れただろう。」
「あ、はい…失礼します。」
立ち上がり即些々と自室に戻ろうとしたが止められた。
「待て、Joker.」
「なんですか?」
くるりと方向転換して主を見る。
近付いて来た主は僕の頬を撫でながらじっと顔を見つめる。
「な、なんですか?」
耐えきれなくなった僕は顔を赤くし戸惑いながら問う。
「いや、可愛らしくなったもんだと、ね?」
「ぅ、し、失礼します!」
一瞬何かを考えるような素振りをしつつもクスリと笑いながら言う主に恥ずかしく思えば急いで自室に戻った。
「…やはり、手強いか…Joker…」
主の呟いた言葉を僕は知るはずもなかった。
.