storia 18 動き出す影
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「はぁ…はぁ…ッ!」
暗闇を宛もなく走る。
逃げなきゃ。
この言葉と恐怖だけが僕を支配していて考える余裕がない。
どれだけ走ったかなんて分からない。
ずっと同じ所を走ってるような気もする。
もう限界が近い。
否、限界なんてとっくに超えているかもしれない。
人、一人と居ない暗闇を走り続ける。
「んー、そろそろ飽きてきたよ、Joker.」
「ッ!?」
突然目の前に奴等が現れた。
吃驚しつつ方向転換し、逃げようとした瞬間、捕まった。
「捕まえた。もう逃げられないな。」
「嫌だ、離せ!」
どんなに足掻いても男女の差があり、逃げれない。
クッ、嫌だ、イヤだ、ヤダっ!!
「おい、準備は出来てるんだろうな?」
「勿論。」
「なら、いい。さて、行こうか、Joker.」
「ぅ…っ!?」
ハンカチみたいな物で鼻と口を塞がれる。
それからは何か薬品の匂いがして、それを嗅いでしまい意識が朦朧としてきた。
「ったく、手間かけさせやがって…でも、これで漸く手には入ったわけだ。」
「そうだな、ボスも喜ぶだろう。」
意識が朦朧としている中、奴等の会話が耳に入った。
でも、身体に力が入らずどうすることも出来なかった。
「よっ、と。うわ、此奴、軽っ…ん?」
僕を抱えたはいいが、何かが落ちたらしい。
暗闇で見えるわけがない。
「おい、早くしろよ。」
「嗚呼、今行く。」
そこで限界だった僕は意識が途絶えた。
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