storia 17 忍び寄る影
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「もう空がオレンジ色に染まってる…。」
空を見れば夕方というのが一目瞭然で分かるくらいオレンジ色に染まってる。
この時間は苦手だ。
皆が遊びから帰る時間。
あの時もこのくらいの時間だったはず。
思い出したくない過去がどんどん思い出される。
拒むように頭を振り、前を見た瞬間、あの公園が目に入った。
「…此処って…。」
公園の前で足を止めた。
時間も時間で人は誰もいない。
公園を見渡せば再び蘇る過去。
嗚呼、どうしよう。
思い出す恐怖に身体を震わせる。
目に焼き付いた、この場所での出来事。
日本に居るのが怖い理由。
それは、また奴等に出会ってしまうんじゃないかという恐怖。
今度捕まれば逃げることは不可能に近いだろう。
奴等が諦めてさえくれてれば何の問題もないんだけど。
その確信が持てない。
奴等の事が全く分からないから。
辺りが暗くなり始める。
帰らなきゃ、そう思っても何故か動けないんだ。
そんなとき携帯が鳴った。
携帯を取り出し見てみれば師匠の文字。
すぐに安堵し、電話に出る。
「ちゃおッス、ソラ、早く帰ってこい。ママンが心配してるぞ。」
「あ、う、うん。ごめん、すぐ帰るよ。」
「…嗚呼。ソラ、何かあったのか?」
そう言われてドキッとした。
自分でも分かるくらい声が震えていた。
師匠はそれに気付いたらしい。
でも、言えない…。
「ううん、なんでもないよ。じゃ、すぐ帰るね。」
そう言って電話を切った。
少し罪悪感があるが仕方ない。
今はあまり話したくない。
帰ろうと公園から目を離し沢田家の方向に歩き始める。
すると何故かふと違和感を感じた。
前後左右見渡すが何もないし誰もいない。
気のせいかと思い再び歩き出す。
この時、もう少し警戒して確かめておけばよかった。
忍び寄る影はすぐ傍に…。
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