storia 16 嫉妬
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翌日の昼。
僕はディーノを見送る為、空港に来ていた。
ディーノは相変わらず離れるのが惜しいようで僕を抱き締めている。
「やっぱりイタリアに連れて帰りたい。」
「ボス、僕はまだやらなきゃいけないことがあるらしいからダメだって昨日、師匠に言われたばかりでしょ。」
「ぅ…でも、心配なんだよ。」
駄々っ子状態のボスに苦笑いを浮かべる僕とその他のキャバッローネの人たち。
「全くボスなんだからしっかりしなよ。」
「そうだぜ、ボス。あんまりしつこいとソラに嫌われるぜ?」
「!嫌われねぇよ。」
ロマーリオの言葉に即答するディーノ。
うん、僕も嫌いになることはないと思うよ。
あ、そう言えば、昨日の事、聞いとこうかな…。
気になってるんだよね。
「ボス、昨日の…。」
「え、や、き、気にすんなよ?」
目線を泳がせ、どもるボス。
昨日のまでしか言ってないのに、ね。
益々気になるよ。
「ボス…僕、昨日のまでしか言ってないのに何のことか分かったの?」
「え、あ…!」
ニッコリ笑顔で言えば、どうやら墓穴掘ったことに気づいたらしい。
ちょっと焦ってるね。
「観念して言いなよ。」
「嫌だ。カッコわりぃし。」
え、ボスのカッコ悪い事って何?
傾げながらも言うまでジーッと見つめる。
そしたら、観念したらしくポツポツと言い始めた。
「あ…いや、だから、な…その…ツナと、恭弥に…。」
「ツナと恭弥に?」
口どもるボス。
サラッと言えばいいものを。
僕は待つの苦手なんだからね。
「ボスー、そろそろ時間だぜ?」
「お、おう!じゃ、じゃあ、またな!」
「ちょっ、逃げないでよ!」
時間だからと言わずに逃げようとするボスの服を掴み止める。
そして、見つめているとやっと言ってくれた。
「あーもう、だから、な…つまり嫉妬したんだよ!」
「嫉妬?」
ヤケクソに言うボスの言葉に首を傾げる。
嫉妬という言葉は見たことはあるが意味までは知らないから。
「ったく、分からないならいいんだよ。んじゃ、またな。」
僕の額にキスをしてロマーリオたちのとこに行く。
ちょっと赤くなってるボスとククッと笑ってるロマーリオ。
なんなんだ?と首を傾げる。
嫉妬の意味は聞いた所で言いそうもないから帰ったら調べようと思った。
「ボス、仕事、無理しない程度に頑張ってね。」
「おう!サンキュー!」
お互いに笑う、立つものと送るもの。
この笑顔が数日後には消えることになるなんてこの時は誰も思ってなかったんだ。
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