storia 14 過去
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「君に少し前の話をしてあげるよ。」
「少し、前?」
あまり状況が読めていない骸をそのままに、僕は話始めた。
~*~*~
それは僕がまだ5歳の時、
いつものように恭弥と二人で家の近くで遊んでいた。
その時はまだこの後に起きることなど何も知らずに遊んでいたんだ。
時は夕暮れ時。
そろそろ帰ろうと恭弥と公園を後にしようとした時、突然背後に誰かが立った。
小さな僕らより、大きな大人。
その人達の影が僕らの光を遮った。
本当に突然のことだった。
「!?お、おにいちゃんっ!」
「ソラ!」
いきなりその大人達に捕らえられた。
どんなに足掻いても子どもと大人では力の差が有りすぎる。
どうすることも出来ず、泣きそうになった。
僕らを連れて行こうとする大人達に僕は勇気を出して言った。
「お、おにいちゃんをはなして!ぼくだけにしてっ!」
「ソラ…!」
その言葉にピタッと足を止めた大人達。
言葉が通じているのかも分からない。
見た目が日本人とは違って見えたから。
じっと見つめられ、僕も唇を噛み締めながらも見つめた。
「…いいだろう、お前の方が肝が座っていそうだ。」
そう言って、恭弥だけは離してくれた。
良かった、言葉が通じた。
これで恭弥は無事だ。
そうホッとしてるのも束の間。
すぐに歩き出す大人達に抵抗しようにも再び恐怖心が襲ってきてそれは叶わなかった。
「ソラをはなしてっ!」
恭弥の声が聞こえる。
でも、その声を無視して大人達は僕を車の中に放り込む。
「きゃっ!」
「大人しくしてろよ?お嬢ちゃん。」
その言葉の一つ一つに恐怖を覚えた。
バタンとドアの閉まる音がして、あっという間にその場から離れる。
恭弥がどうなったのかはその時は分からなかった。
薬みたいなのを嗅がされ気を失ってしまったからだ。
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