storia 32 決意
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「ソラ!」
「んぅ…ディーノ、?」
目を開けるとディーノの顔が見えた。
嗚呼、ディーノだ。
そう思うと安心している自分と罪悪感に駆られる自分が居ることに気付いた。
「ソラ、良かった、目覚めて。」
「ん、ありがとう、ディーノ。」
ホッとしている様子のディーノ。
そんなディーノに僕はぎこちない笑みを浮かべる。
全てを思い出した。
取り戻した記憶。
でも、この記憶は酷いもの。
そう思い出すだけで恐怖に身体が震え涙が溢れる。
「ソラ…。」
何か言いた気なディーノだけど、何も言わずに抱き締めてくれる。
それが嬉しいのか悲しいのか僕には分からなかった。
優しく頭を撫でながら抱き締めてくれる。
安心出来るのに出来ない。
「ディーノ…ごめんなさい…ッ!」
不意に出た言葉。
でも、一番言いたかった言葉でもある。
だって、傷つけたんだから。
だけど、僕の言葉を聞いたディーノは僕の頭を撫でる手を止めた。
「なんで、ソラが謝るんだよ。ソラは何も悪い事なんてしてないだろ?」
そう言われてなんで僕を攻めないのかと思った。
「ッ、記憶が無かったにしてもディーノに刃を向けたのには変わりない、なのに、どうして、!」
僕が言っている途中で口を塞がれ驚いた。
「ソラ、俺はお前を攻めたりしないぜ?刃を向けたのに変わりなくてもそれはソラの意思ではない。奴等の所為だ。だから、気にするな。その事があったからって離れねぇし、離さないからな?」
何もかも見透かされた様な言葉。
真っ直ぐに見つめられどれも真実である事を物語っている。
再び涙が溢れる。
「ふっ、よしよし。大丈夫だ。俺はずっと傍に居るし離れねぇから。もう二度と怖い目には合わせねぇ。絶対護るから。」
ぎゅっと抱き締め撫でつつ真剣な口調で言うディーノ。
心から安心している自分が居る。
優し過ぎるよ、ディーノ。
「ありがとう、ディーノ。」
「ふっ、どういたしまして。」
お互いに笑顔を浮かべる。
近くに居る。
大切で大好きな人が。
もう二度とこんな事がないようにもっと強くなって護るから。
護られるばかりじゃ嫌だからね。
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