storia 31 記憶の欠片
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彼、ディーノを見つめて言うと一瞬少し驚いた様な表情をするもすぐに微笑む。
「嗚呼、いいぜ。教えてやるって言ったもんな。」
何かを思い出すように言う彼。
今の僕にはその事さえ分からない。
それがとても悲しくなる。
「そんな表情すんなよ。きっと思い出すさ。」
顔に出ていたのかそう言って頭を優しく撫でてくれる。
それだけでも何故か落ち着く自分がいる。
不思議だ…。
そう思いながら話を聞く。
出会った頃の話、キャバッローネっていうマフィアの話、ディーノと僕の話、日本に居る家庭教師や兄さん、ボンゴレの話…。
色々な話をしてくれた。
時折ツラそうな表情をしていたりして心配にもなったけど。
怪我した理由や記憶を無くした原因は教えてはくれなかったがそれは僕にとってもディーノにとってもきっとツラい事な気がして聞く事は出来なかった。
でも、きっと思い出すよね。
「ソラ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう、ディーノ。」
心配そうに尋ねてくる彼に精一杯の笑顔を向ける。
上手く笑えてるかは、まぁ、一目瞭然なんだけどね。
ディーノが軽く顔顰める辺り多分上手く笑えていないのだろう。
「俺が傍に居るから、絶対護るから。」
傷に響かない程度の強さで抱き締められる。
その言葉には強い意思が感じられる。
それに応えるようにぎゅっと抱き着く。
必ず思い出すから、それまで待ってて。
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