storia 31 記憶の欠片
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無意識に呟いていた。
はっとして口を手で抑えるが聞こえていたらしく、彼は一瞬驚いた顔をした。
だけど、すぐに微笑んで答えてくれた。
「ディーノだ。」
「ディーノ…。」
小さく呟く。
知ってる気がするけど、出てこない。
「嗚呼。無理に思い出そうとするなよ?気を失う可能性が高いからな。」
僕が考え込んだのが分かったのかそう言われた。
気を失うって…。
それが分かっているってことはもしかして前にもあったのかな…。
思い出せないことに何故か涙が溢れそうになる。
「ソラ。」
名を呼ばれ彼を見ようとする前に彼に抱きしめられた。
驚きつつも心地良い暖かさから安心感を覚える。
僕は知ってる…。
この温もりも彼の事も…。
本能的にそう思った。
思い出そうとすれば頭が痛む。
でも、思い出したい。
「ディーノ…。」
ぎゅっと彼の服を掴みながら名を呼ぶ。
そして、お願いする。
「貴方の知ってる”僕”を教えて。」
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