storia 22 記憶混濁
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キャバッローネファミリーアジト。
部下達が走り回っている。
「おい、ボスは?!」
「なんとか致命傷には至ってないから大丈夫ではあるが…。」
「畜生、奴等の情報は!!」
「今、探っていますが全く。」
「くっ…。」
騒がしく、焦っている様子だ。
それにしても、ドン・キャバッローネが怪我?
僕は怪我なんてさせてない。
じゃあ、誰が?
リベルタの誰か?
…普通にそうしかないよね…。
罪悪感が募る。
今行けば、キャバッローネの連中に捕まるかもしれない。
だけど、事実を確かめなきゃ。
塀から飛び降り、キャバッローネのアジト内に入る。
フードを取り、ドン・キャバッローネのいる場所を捜す。
早歩きで出来るだけ誰とも会わないようにしていたが、キャバッローネの奴と出くわしてしまった。
「!お嬢じゃないですか!」
「え、?」
お嬢?
僕の事?
不思議に思っていると腕を掴まれた。
「!?ちょ、!」
「ボスが大変なんです!」
そう言って腕を引っ張り早足で何処かへ向かう。
「良かった、
「え、あ、嗚呼…。」
曖昧になりながらも答える。
なるべく怪しまれないように。
僕は記憶がないから、分からないけど、どうやら、日本に行っていたらしい。
それにこの接し方は僕がキャバッローネであると示しているようなもの。
彼が本当で主が嘘?
分からない、分からないから、確かめなきゃ!
強く心に決めキッと前を見る。
「此処です。」
ゆっくりと扉が開かれる。
そこは何もかもが真っ白で消毒液のにおいがした。
「ロマーリオさん、お嬢を連れてきました。」
「!?ソラだと?」
案の定、驚いている。
その人は確か彼を助けようとした人だ。
そういえば、ドン・キャバッローネも彼も僕のことをソラだと言っていたな。
何故だろう。
そっちの方がしっくりくる。
分からないまま、相手に合わせることにした。
じゃないと、真実を知ることが出来そうにないから。
「…そうだけど、ボスの状態、どうなの?」
「…ソラ…。」
顔をしかめ何も言おうとしない。
何故?
やっぱり、僕は裏切り者?
案内した人は頭を下げ、出て行った。
沈黙がツラい。
暫く、沈黙が続き、突然、胸倉を掴まれた。
「っ!?な、何、?」
「ソラ、お前は…!」
その人…確か、ロマーリオ、だったかな…。
その人の顔が怖い。
とても怒っているようだった。
流石の僕も怖かった。
でも、当たり前だよね…。
僕がドン・キャバッローネを攻撃したのは事実なんだから。
「ぅ…ッ!」
「ボス!?」
「けほ、ごほ…ッ!」
ドン・キャバッローネが目を覚ましたようだ。
強く掴まれてたから、放されてから咽せた。
「ロマ、リオ…?」
「嗚呼、大丈夫か?ボス。」
二人の様子を見つめる。
今、僕はどんな顔をしているだろうか。
彼が目覚めてほっとした顔しているのだろうか。
それとも、顰めっ面をしているのだろうか。
分からない。
否、分かりたくない。
「大丈夫だ、って、そうだ!ソラは?!」
「…っ。」
黙るロマーリオ。
そんなに言いたくないか。
まぁ、僕の記憶がないことに気付いてないのだろう。
彼に抱き締められた時、もうすでに他の敵の相手をしていたからね。
残念だったね。
君が黙ってたって僕は此処に居るんだから。
それに僕は彼に用があるんだ。
「此処に居るよ。ディーノ。」
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