「そう言えば、ガッドファミリーって知ってる？」

「ガッド…？」

急に仕事方面の話を振られれば顔を顰める。

何処かで聞いたような…。

「キャバッローネの傘下だと思うんだけど。」

「あ！嗚呼、あの失礼な令嬢のファミリーね。」

「失礼なって何やったの、その令嬢。」

苦笑いで問う綱吉。

思い出せばまた沸々と怒りが沸いてくる。

いや、本当にあの令嬢はどうかと思う。

「ぶつかってきたかと思えば睨み付けて立ち去った不届き者。」

「うわ…女の嫉妬は怖いね。」

若干苛ついた声色で言えば苦笑いを浮かべたままの綱吉。

やっぱり、好意を持ってたのか。

ああいうタイプはただただ面倒くさい。

「まぁ、取り敢えず気を付けて。良い噂を最近聞かないから。」

「へぇ？要するに悪い噂が立ち始めてるってことかな？」

「うーん…悪く言えば、ね。根拠がまだないからどうかとも思うけど接触してきてるなら注意するに越したことはないかなって感じ。」

「そっか…まぁ、気を付けとくよ。」

真剣ながらも腑に落ちない様子の綱吉。

超直感で分かってるけど、みたいな感じかな。

まぁ、どちらにせよ悪い芽は早めに対処しないとね。

ボスを護る為にも。


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