storia 3 お出掛けと猫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーーーー
ーーーー
ーーー
「ーっ!ソラッ!」
「はッ、ぅ?クロ、ム?」
「ソラ、良かった…何かあった?大丈夫?」
名前を呼ばれれば一気に現実に引き戻された。
相手を認識すれば途切れ途切れになりながらもクロームの名を呼ぶ。
そうすれば安堵しつつも心配そうに問うクローム。
「ごめ、ちょっと、具合、悪い…でも、少し、休めば、だいじょ、ぶだから…ッ!」
「無理しなくていいから。飲み物、買ってくるから待ってて。すぐ戻るから。」
必死に伝えれば伝わったのかそう言って飲み物を買いに行くクローム。
背凭れに凭れながら先程の事を考える。
しかし、考えようにもほぼ思い出せない。
猫が居たことまでははっきり分かるのに。
後は痛みだけ。
「はい、水。ゆっくり飲んで。」
「ん、ありがと。」
すぐに戻ってきたクロームから水を受けとれば考えを放棄し身体を起こし水を飲む。
少しすれば先程までの具合の悪さはなくなり落ち着いてきた。
それが分かったのかクロームが問い掛けてきた。
「それで、何かあったの?」
「あ、いや…特には。元々体調が優れなかったから気を抜いて一気に来ちゃったみたい。」
一瞬先程の事を言ってしまおうかとも思ったが言ってはいけないような気がして誤魔化すように、だけど本当の事を織り混ぜて話す。
すると勿論、怒られるよね。
「具合悪いなら言っててくれれば良かったのに。」
「ごめんごめん。どうしても気分転換したくて。」
「…あの人と何かあったの?答え次第では絞めるけど。」
クロームに対して嘘はつけず困ったような笑みを浮かべながら言えば察した のかそんな事を言い出すクロームにクロームならやりかねないと思ってしまった。
「いや、ディーノは悪くないの。ただ僕が嫉妬しちゃっただけ。」
「嫉妬させる時点でダメよ。」
「それは僕も人の事言えないから同意できないかな。後、意図的にじゃないから仕方ない事だよ。」
「ソラ…。」
真剣なクロームに俯き気味に昨日の事を思い出してしまいながら答える。
ふと何かを思い付いたクロームが僕の頬に手をあて目を合わせれば言う。
「じゃあ、今から甘いものでも買って私の部屋でお茶会しよ!きっと気分転換になる。それに部屋ならゆっくり出来るでしょ?」
「そうだね、ありがとう、クローム。」
「いいの、大好きなソラの為だから。」
クロームの提案に一瞬驚くも微笑みお礼を言えば笑顔で返してくれる。
本当に良い友達を持ったものだ。
二人でスイーツショップに行き好きなものを買えば屋敷へと向かった。
.
7/7ページ