『ありえないありえないありえない』

今、何が起きているかと言うと眠りについたと思えばいきなり夢の中に1匹の猫が現れた。そして「D.Gray-manの世界に行け」とだけ伝えられ、床に穴が空いたと思えば私は重力に逆らうこともなくそのままどんどん加速をし落ちていってるのだ

あのクソ猫！と思ってる場合ではない。
命の危機に晒されている

そういえば……と思い一か八かで呟いた

『イノセンス発動……！』

すると背中からは純白の翼が現れた。
そう現れたが……

『飛び方なんて知ってるわけないでしょううううう！』

あぁ、これで人生終わるのかあ……
あのくそ猫次会ったら……などが頭を過ぎる中下を見れば何と男の子がいた。

やばい……！
そう思った私は叫んだ

『そこの人おおお！どいてえええええ』

「え？……ええええ？？！？！」

そして下にいた男の子にぶつかり、けたたましい音を立てた

『な、なんとか助かっ……』

下を見れば何とあの男の子がいた

『なっ……なん……』

「いたた……大丈夫でしたか？……って？！？」

私が上から退き、驚きで震えていれば下敷きになった男の子は私を見て驚愕の表情をしていた。しかも顔を赤らめながら

「な、何で？！と、とりあえずこれ着て下さい！！」

そう言い、男の子は自分が着ていたスーツを渡してきた

『え、どうした……』

言葉は続かなかった。自分の服装を見て驚いた

『きゃああああああ？！？』

何と、上はワイシャツ1枚しかも何故かはだけている、下は下着しか着ていなかった。

「見、見てないですから！！」

懸命に身体の前で手を振りながら男の子は言った
そしてスーツを羽織り、もう一度じっと男の子の顔を見つめた

「え、あ、僕の顔に何かついていますか？」

急に見つめられどうしていいか分からずしどろもどろに尋ねてきた。

……何で、何で……？

『なんで目の前にアレンがいるの……？』

「え、何で僕の名前を……」

そこでハッとした。
まずい……私かなり変な子なんじゃないか……？
いきなり空から現れたと思えば裸同然の服装で、会ったこともないのに名前を言ったり。

「あ、あの……もしかしてどこかで会ったことありますか？」

悶々と考えているとアレンは声をかけてきた

『信じてもらえるか分かりませんが……』

そして私は話した。自分が何者かを。どうして空から降ってきたかを。

『……というわけなんです』

アレンの方を見ると俯いていて表情がよく分からなかった

『ご、ごめんなさい……こんな話信じれない……』

私はこの沈黙にいたたまれなくなり言葉を発したがその言葉はアレンの言葉により遮られた

「辛くないですか？」と。

『どうして私が辛いの……？』

「だってこれからの物語を知っているということは避けれないことだってたくさんあるから。それを知っているのに何もできない時だって出てくるかもしれないから……」

そう言うアレンの顔は少し悲しげであった

『し、信じてくれるの？』

そう聞けば「もちろんです」と言い、ニコッと笑いかけてくれた。
そして「あなたが嘘をついているようには見えませんからね」と。