約束の証【堂本大我】
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日曜日の朝にキッチンからいい匂いがする。
ああ、唯だ。
昨日、そう言えば泊まったな……。
「おはようさん」
キッチンでなにやら悪戦苦闘している唯を見ると今朝は何やら凝ったメニューのようだ。
彼女に聞いてみると今朝はスモークサーモンのエッグベネディクト風オープンサンド。
カリカリのイングリッシュマフィンにスモークサーモンを乗せさらにポーチドエッグを乗せて特製ソースをたっぷりかける……その隣にはベビーリーフのサラダ。
まるで洒落たカフェのメニューにどうしたものかと俺は口を開く前に彼女が先んじて言った、朝食は大切だと。
「朝食は大切だ?食えりゃなんでもいいぜ」
その俺の言葉に見事に頬を膨らます彼女が微笑ましくなって、彼女の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「膨れるな……そうだなたまにはお嬢さんの言う通りにするのもいかもな」
一年前に出会った彼女と恋人になった。
自分とは生まれも育った環境も全く違う彼女、平凡な家庭に生まれ平和に生きて欲しい……そう願いながらなぜ彼女を手に入れたのが自分なのか?今だ信じられないがこの甘ちゃんで幸せな日々を続けるためにほんの少しくらいの苦労は構わないさと思わせる俺にとっての稀有な存在。
早く早くと俺が食べるのを今か今かと待ち構える表情は子供っぽくもあり憎めない。
「ん、美味いぜ」
やったと小さく拳を握る彼女を見て俺は今日こそはとリビングの戸棚から小さい箱を取り出し彼女の目の前に置いた。
本当はもっと以前に渡す予定だった……渡すことに怯えていた自分の前にいるあんたは俺の幸せの象徴。
その幸せを失うことを再び失うことを恐れて渡しそびれていた自分。
彼女は美味しい!と目を輝かせてもぐもぐと自分の作った朝食を堪能している……その彼女が置かれた箱に気付きしげしげと見つめてハッとした顔をした。
「これやるよ」
その箱は手のひらに俺の失くした、とある有名ジュエリーショップの箱。
ええええっと目を丸くして口をぱくぱくする彼女は本当に無邪気で幸せのカタチとはこんな事ではないかと思わせる。
「指輪だ石も何にもついてないシンプルなただのリング……素材だけはいいのを選んだプラチナだ。念のために言っておくが俺とペアになっている」
指輪の言葉に反応する彼女が愛おしい。
以前に彼女に話したことがある、あるイベントに共演した時に自分の両親の事。
『俺にとっちゃ、結婚指輪ってのは親の死にざまを思わせるシロモノでね……俺の親はふたり同時に崩れた建物の下敷きになったんだがーー俺が駆けつけたら、手をつないだまま事切れていた。親父と握り合ったおふくろの手には結婚指輪が光っていたよ、すすけて汚れきってんのに馬鹿に輝いて見えたモンだ』
その事を知って彼女は遠慮がちに聞く、いいの?と。
「最期の瞬間まで互いの手を離さない。人生の光も陰りも分かち合うーーその存在に俺をしてくれないかい?唯、あんたにはそれを願いたいんだ」
ああ、唯だ。
昨日、そう言えば泊まったな……。
「おはようさん」
キッチンでなにやら悪戦苦闘している唯を見ると今朝は何やら凝ったメニューのようだ。
彼女に聞いてみると今朝はスモークサーモンのエッグベネディクト風オープンサンド。
カリカリのイングリッシュマフィンにスモークサーモンを乗せさらにポーチドエッグを乗せて特製ソースをたっぷりかける……その隣にはベビーリーフのサラダ。
まるで洒落たカフェのメニューにどうしたものかと俺は口を開く前に彼女が先んじて言った、朝食は大切だと。
「朝食は大切だ?食えりゃなんでもいいぜ」
その俺の言葉に見事に頬を膨らます彼女が微笑ましくなって、彼女の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「膨れるな……そうだなたまにはお嬢さんの言う通りにするのもいかもな」
一年前に出会った彼女と恋人になった。
自分とは生まれも育った環境も全く違う彼女、平凡な家庭に生まれ平和に生きて欲しい……そう願いながらなぜ彼女を手に入れたのが自分なのか?今だ信じられないがこの甘ちゃんで幸せな日々を続けるためにほんの少しくらいの苦労は構わないさと思わせる俺にとっての稀有な存在。
早く早くと俺が食べるのを今か今かと待ち構える表情は子供っぽくもあり憎めない。
「ん、美味いぜ」
やったと小さく拳を握る彼女を見て俺は今日こそはとリビングの戸棚から小さい箱を取り出し彼女の目の前に置いた。
本当はもっと以前に渡す予定だった……渡すことに怯えていた自分の前にいるあんたは俺の幸せの象徴。
その幸せを失うことを再び失うことを恐れて渡しそびれていた自分。
彼女は美味しい!と目を輝かせてもぐもぐと自分の作った朝食を堪能している……その彼女が置かれた箱に気付きしげしげと見つめてハッとした顔をした。
「これやるよ」
その箱は手のひらに俺の失くした、とある有名ジュエリーショップの箱。
ええええっと目を丸くして口をぱくぱくする彼女は本当に無邪気で幸せのカタチとはこんな事ではないかと思わせる。
「指輪だ石も何にもついてないシンプルなただのリング……素材だけはいいのを選んだプラチナだ。念のために言っておくが俺とペアになっている」
指輪の言葉に反応する彼女が愛おしい。
以前に彼女に話したことがある、あるイベントに共演した時に自分の両親の事。
『俺にとっちゃ、結婚指輪ってのは親の死にざまを思わせるシロモノでね……俺の親はふたり同時に崩れた建物の下敷きになったんだがーー俺が駆けつけたら、手をつないだまま事切れていた。親父と握り合ったおふくろの手には結婚指輪が光っていたよ、すすけて汚れきってんのに馬鹿に輝いて見えたモンだ』
その事を知って彼女は遠慮がちに聞く、いいの?と。
「最期の瞬間まで互いの手を離さない。人生の光も陰りも分かち合うーーその存在に俺をしてくれないかい?唯、あんたにはそれを願いたいんだ」
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