何気ない日々を君と【月城慧】
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快晴の気持ちのいい朝。
今日は休日で何の予定も入れていない。
久しぶりの休みなので出かける予定を入れようとしたが止められた。
いいコンサートがあったのにと思ったが恋人は嫌と言う。
本当に久し振りに会うのだ、コンサートを鑑賞しに行き感想を述べあったり食事だって雰囲気のいいところで……そう思ったのも止められた。
「明日は巽とゆっくりしたいの」
今日はどう過ごすか?
昨夜は彼女の手料理を味わった。
大学に進学した彼女は寮から出てマンションの一室を借りている。
小さな部屋の小さなベッドでぴったりと身を寄せ合って寝るのは思いの外心地よかった。
久方ぶりの逢瀬、昨夜にほんの少しだけ無理をさせてしまったせいか彼女はまだ夢の中だ。
一昨年前の国際コンクールのごたごたを乗り越えた自分達は昨年とは大きく違う道が拓けた。
朝日奈は若手女性ヴァイオリニストとして注目される存在に。
自分には……不治の病と諦めていた自らの病に画期的な治療法が開発された。
画期的とはいえまだ確立されていない治療方法と手術に周囲の人間は反対したが俺は迷わずその手術を受けることにした。
それは以前に巽にも言ったように“運命の喉元を締め上げてやる”を実現するために。
成功率は低かったように思う。
成功率を聞いたところで手術を受ける気持ちに変わりはなかったので覚えていない。
その結果、何の問題もなく日々を過ごすことができるようになった。
常に発作を気にする日々はなんと窮屈だったことか……今も経過観察は必要だがそんなことは以前に比べれば些細なことだ。
ただ彼女が心配そうな顔で手術痕を撫でる時にほんの少しだけ怖い気持ちになる。
手術が失敗していた場合どんなリスクがあったのだろうかと……こんな幸せはなかったのだろうかと。
カチャーーーー
「唯、朝だ」
「うううううぅうん……まだ眠い」
「ほら起きろ、朝食だぞ」
「ふぇ……ご飯……あっ朝ご飯作らないと……」
「朝食ならそこのコンビニで買った」
「ええ!!慧様がコンビニに……えっと!ありがとう巽」
俺だって持病は克服しつつあるんだ自立だって考えている……彼女の失礼な発言にムッとはしたが、ふにゃりと締まりなく笑う彼女を可愛く思い許してしまう自分もたいがいだなと思って笑みが漏れた。
去年から呼び方も変わったライバルからライバル兼恋人に。
呼び名も“月城さん”から“巽”に……俺のDVDを鑑賞するときはファンの気持ちになるらしく“慧様”と呟いているのも微笑ましく思う。
「サンドイッチにしたが良かったか?」
「うん。お茶?コーヒーどっち?淹れるね?」
「もう淹れた。無難にニルギリを……今、蒸らしてるところだミルクティーがいいか?」
「ええ…巽が?」
のそのそとベッドから出てきて側に立つ彼女が驚きの声を上げる姿に再びムッとした。
だから俺は彼女を抱きしめて耳元で囁いてやる。
「恋人同士の朝だ、唯俺だって茶ぐらい淹れる」
その言葉に、真っ赤になる彼女が愛おしくて……幸せとはこんな朝を言うのだと思った。
今日一日は二人きりで何もしない日があってもいい……そんなことを想う朝ーーー。
今日は休日で何の予定も入れていない。
久しぶりの休みなので出かける予定を入れようとしたが止められた。
いいコンサートがあったのにと思ったが恋人は嫌と言う。
本当に久し振りに会うのだ、コンサートを鑑賞しに行き感想を述べあったり食事だって雰囲気のいいところで……そう思ったのも止められた。
「明日は巽とゆっくりしたいの」
今日はどう過ごすか?
昨夜は彼女の手料理を味わった。
大学に進学した彼女は寮から出てマンションの一室を借りている。
小さな部屋の小さなベッドでぴったりと身を寄せ合って寝るのは思いの外心地よかった。
久方ぶりの逢瀬、昨夜にほんの少しだけ無理をさせてしまったせいか彼女はまだ夢の中だ。
一昨年前の国際コンクールのごたごたを乗り越えた自分達は昨年とは大きく違う道が拓けた。
朝日奈は若手女性ヴァイオリニストとして注目される存在に。
自分には……不治の病と諦めていた自らの病に画期的な治療法が開発された。
画期的とはいえまだ確立されていない治療方法と手術に周囲の人間は反対したが俺は迷わずその手術を受けることにした。
それは以前に巽にも言ったように“運命の喉元を締め上げてやる”を実現するために。
成功率は低かったように思う。
成功率を聞いたところで手術を受ける気持ちに変わりはなかったので覚えていない。
その結果、何の問題もなく日々を過ごすことができるようになった。
常に発作を気にする日々はなんと窮屈だったことか……今も経過観察は必要だがそんなことは以前に比べれば些細なことだ。
ただ彼女が心配そうな顔で手術痕を撫でる時にほんの少しだけ怖い気持ちになる。
手術が失敗していた場合どんなリスクがあったのだろうかと……こんな幸せはなかったのだろうかと。
カチャーーーー
「唯、朝だ」
「うううううぅうん……まだ眠い」
「ほら起きろ、朝食だぞ」
「ふぇ……ご飯……あっ朝ご飯作らないと……」
「朝食ならそこのコンビニで買った」
「ええ!!慧様がコンビニに……えっと!ありがとう巽」
俺だって持病は克服しつつあるんだ自立だって考えている……彼女の失礼な発言にムッとはしたが、ふにゃりと締まりなく笑う彼女を可愛く思い許してしまう自分もたいがいだなと思って笑みが漏れた。
去年から呼び方も変わったライバルからライバル兼恋人に。
呼び名も“月城さん”から“巽”に……俺のDVDを鑑賞するときはファンの気持ちになるらしく“慧様”と呟いているのも微笑ましく思う。
「サンドイッチにしたが良かったか?」
「うん。お茶?コーヒーどっち?淹れるね?」
「もう淹れた。無難にニルギリを……今、蒸らしてるところだミルクティーがいいか?」
「ええ…巽が?」
のそのそとベッドから出てきて側に立つ彼女が驚きの声を上げる姿に再びムッとした。
だから俺は彼女を抱きしめて耳元で囁いてやる。
「恋人同士の朝だ、唯俺だって茶ぐらい淹れる」
その言葉に、真っ赤になる彼女が愛おしくて……幸せとはこんな朝を言うのだと思った。
今日一日は二人きりで何もしない日があってもいい……そんなことを想う朝ーーー。
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