甘えた彼氏の秘密【巽瑛一】
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昼下がりの午後、小春日和の室内は暖かでいつも忙しそうにしている彼氏は瞳を閉じていて、ご機嫌は最高に良い。
少しばかり膝が重い気がするけどこのご満悦顔の彼氏の顔が見れるのなら毎日だって構わないなと朝日奈は締まりのない顔をして彼氏、巽瑛一の髪を優しく撫でていた。
「何が可笑しいのです?顔がニヤついてますよ」
「ん……だって巽が膝枕なんて……御門さんにヤキモチして膝枕して欲しいなんて可愛いなって、それに巽だって笑ってるじゃない」
「可愛くなんてないです……笑ってもないです。むしろ撮影の為とはいえ私に断りもなく膝を許した事に腹を立てています」
「そうかな?巽って顔に出ないけどご機嫌いい時はすこーしだけ口の端が上がってるの……知ってた?」
「フフよく私の事を見ておられる、私の機嫌の良し悪しが分かるのは慧様くらいかと思っていました」
「月城さん並み?嬉しいな月城さんとお付き合い長いよね?」
「3年ですね」
「無になった状態から今のグランツを作った……私の彼氏は凄い人だね……私も弱音なんて吐いてられないよ」
「唯、そんなに褒めても何も出ませんよ今日は膝枕を堪能したいので私が唯に甘えさせていただく日です」
「うん、巽って意外に甘えたさんだよね」
「いけませんか」
「ううん嬉しい……けど」
朝日奈は小さく言い淀む……巽がご機嫌なのは嬉しいけど少々退屈してきたのは否めない。
暖かな室内、自分自身もうつらうつらしそうになるのを防ぐために朝日奈は前々からの疑問を巽に聞いてみることにした。
「あのね…… 巽は私の事……以前から知ってたの?」
「話の意図が分かりません」
「うん……グランツで一番接点がないの瑛一だったんだけど巽って……今思えば積極的だったなって」
「おや気付かれてしまいましたか?」
「えっ……以前から私のこと知ってた?」
「どうでしょう?」
「ええ~よく漫画にあるような?実は小さい頃にあってたとか?初恋……だったり?生き別れの兄妹とか??」
「何を馬鹿なことを……兄妹は倫理的にまずいでしょう?妹にしてはイケナイ事していますし」
「………言わなくてもいいと思うの!!」
「言わせたのはあなたでしょう」
「……………… 巽が誤魔化すから」
巽が目を開く琥珀色の瞳はほんの少しだけ揺れ戸惑いが感じられた。
「何か聞いちゃいけないことだった?」
「いえ………少し不安でして………軽蔑しませんか」
仰向けで寝ていた巽の身体が横向きになり朝日奈の腹側に顔を向けて両腕を朝日奈の腰に回してきた。
自分より一回り以上大きい巽にぎゅっと抱き付かれた朝日奈は少し慌てた後に顔を真っ赤に染める。
『なになに?大きな子供みたい………ぎゅってぎゅって!!』
「あなたのことは随分前から知ってました……」
「えっなんで?」
「私は慧様の身の回りのお世話をしています」
「うん」
「必然的に慧様の敵になるような輩……悪質なファンも調べるのです」
「ええ!!私はガチ勢だけどマナーには気を付けていたんだけど……」
「はいあなたはとても優良なファンで……高校に進学されるまでは年に1、2回のコンサートに。高校に進学されてからは距離が近くなったこともありグランツ交響楽団の定期コンサートも度々顔を出されていました」
「うん……何で知ってるの??」
「ファンクラブからの情報です」
「うん……」
「けしてストーカーではないのですよ。あなたの慧様を見る目が綺麗で可愛らしくてついつい目で追ってしまっていたのです。ただそれだけです」
「へっ、へ~そうなんだ」
「そんなある日、あなたがヴァイオリンケースを肩にかけ制服姿でコンサート会場に現れました……星奏学院の普通科の制服で、気になった私は使える権限であなたのことを調べてしまいました。音楽科の試験に落ちてしまったこと、星奏のオケ部に入部できなかったこと、スターライトオーケストラのコンミスに大抜擢されて苦労されていること……その辛い中で慧様のヴァイオリンを聞くあなたの顔がとてもいい顔をなさっていて……可愛らしくて」
「えっ巽……!!」
「話に聞く”恋”とはこんな感情だったんですね」
「う~っ恥ずかしい……私は巽のこと月城さんの怖い付き人みたいに思っていました」
「ええ、あなたの眼中には慧様しか映っていなかった。だから積極的に攻めるしかなかった、あなたに私を見てもらえるようになるまで……狙った獲物は逃がさない主義でしたが……思ったより苦労しましたね」
いつのまにか巽は仰向けに戻り朝日奈の長い髪を一筋指に巻き付け弄んでいる。
「巽?」
「これで全てです……軽蔑しましたか?」
「ううん、ちょっと恥ずかしいけど嬉しい」
「唯」
「巽?!」
自分を呼ぶ声に甘さを含むのを感じた朝日奈は身を起こそうとするが巽に髪のひと房を掴まれていて逃げを打つ事が出来ない。
「唯……」
「えっ?今なの?!」
「フフおやつの時間にあなたをいただいても?」
甘い口づけに朝日奈が溶かされてしまうまであと僅か。
夕食は朝日奈の好きな物を用意しようと巽はクスリと嗤った。
おしまい
少しばかり膝が重い気がするけどこのご満悦顔の彼氏の顔が見れるのなら毎日だって構わないなと朝日奈は締まりのない顔をして彼氏、巽瑛一の髪を優しく撫でていた。
「何が可笑しいのです?顔がニヤついてますよ」
「ん……だって巽が膝枕なんて……御門さんにヤキモチして膝枕して欲しいなんて可愛いなって、それに巽だって笑ってるじゃない」
「可愛くなんてないです……笑ってもないです。むしろ撮影の為とはいえ私に断りもなく膝を許した事に腹を立てています」
「そうかな?巽って顔に出ないけどご機嫌いい時はすこーしだけ口の端が上がってるの……知ってた?」
「フフよく私の事を見ておられる、私の機嫌の良し悪しが分かるのは慧様くらいかと思っていました」
「月城さん並み?嬉しいな月城さんとお付き合い長いよね?」
「3年ですね」
「無になった状態から今のグランツを作った……私の彼氏は凄い人だね……私も弱音なんて吐いてられないよ」
「唯、そんなに褒めても何も出ませんよ今日は膝枕を堪能したいので私が唯に甘えさせていただく日です」
「うん、巽って意外に甘えたさんだよね」
「いけませんか」
「ううん嬉しい……けど」
朝日奈は小さく言い淀む……巽がご機嫌なのは嬉しいけど少々退屈してきたのは否めない。
暖かな室内、自分自身もうつらうつらしそうになるのを防ぐために朝日奈は前々からの疑問を巽に聞いてみることにした。
「あのね…… 巽は私の事……以前から知ってたの?」
「話の意図が分かりません」
「うん……グランツで一番接点がないの瑛一だったんだけど巽って……今思えば積極的だったなって」
「おや気付かれてしまいましたか?」
「えっ……以前から私のこと知ってた?」
「どうでしょう?」
「ええ~よく漫画にあるような?実は小さい頃にあってたとか?初恋……だったり?生き別れの兄妹とか??」
「何を馬鹿なことを……兄妹は倫理的にまずいでしょう?妹にしてはイケナイ事していますし」
「………言わなくてもいいと思うの!!」
「言わせたのはあなたでしょう」
「……………… 巽が誤魔化すから」
巽が目を開く琥珀色の瞳はほんの少しだけ揺れ戸惑いが感じられた。
「何か聞いちゃいけないことだった?」
「いえ………少し不安でして………軽蔑しませんか」
仰向けで寝ていた巽の身体が横向きになり朝日奈の腹側に顔を向けて両腕を朝日奈の腰に回してきた。
自分より一回り以上大きい巽にぎゅっと抱き付かれた朝日奈は少し慌てた後に顔を真っ赤に染める。
『なになに?大きな子供みたい………ぎゅってぎゅって!!』
「あなたのことは随分前から知ってました……」
「えっなんで?」
「私は慧様の身の回りのお世話をしています」
「うん」
「必然的に慧様の敵になるような輩……悪質なファンも調べるのです」
「ええ!!私はガチ勢だけどマナーには気を付けていたんだけど……」
「はいあなたはとても優良なファンで……高校に進学されるまでは年に1、2回のコンサートに。高校に進学されてからは距離が近くなったこともありグランツ交響楽団の定期コンサートも度々顔を出されていました」
「うん……何で知ってるの??」
「ファンクラブからの情報です」
「うん……」
「けしてストーカーではないのですよ。あなたの慧様を見る目が綺麗で可愛らしくてついつい目で追ってしまっていたのです。ただそれだけです」
「へっ、へ~そうなんだ」
「そんなある日、あなたがヴァイオリンケースを肩にかけ制服姿でコンサート会場に現れました……星奏学院の普通科の制服で、気になった私は使える権限であなたのことを調べてしまいました。音楽科の試験に落ちてしまったこと、星奏のオケ部に入部できなかったこと、スターライトオーケストラのコンミスに大抜擢されて苦労されていること……その辛い中で慧様のヴァイオリンを聞くあなたの顔がとてもいい顔をなさっていて……可愛らしくて」
「えっ巽……!!」
「話に聞く”恋”とはこんな感情だったんですね」
「う~っ恥ずかしい……私は巽のこと月城さんの怖い付き人みたいに思っていました」
「ええ、あなたの眼中には慧様しか映っていなかった。だから積極的に攻めるしかなかった、あなたに私を見てもらえるようになるまで……狙った獲物は逃がさない主義でしたが……思ったより苦労しましたね」
いつのまにか巽は仰向けに戻り朝日奈の長い髪を一筋指に巻き付け弄んでいる。
「巽?」
「これで全てです……軽蔑しましたか?」
「ううん、ちょっと恥ずかしいけど嬉しい」
「唯」
「巽?!」
自分を呼ぶ声に甘さを含むのを感じた朝日奈は身を起こそうとするが巽に髪のひと房を掴まれていて逃げを打つ事が出来ない。
「唯……」
「えっ?今なの?!」
「フフおやつの時間にあなたをいただいても?」
甘い口づけに朝日奈が溶かされてしまうまであと僅か。
夕食は朝日奈の好きな物を用意しようと巽はクスリと嗤った。
おしまい
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