第2章 偽の繋がり、真の絆
「香緒里!」
その日の帰り。
部活を終えて一人帰っている香緒里に後ろから真が声を掛け、走ってきた。
「今部活帰り?」
「うん。真は一人?野球部の人たちは?」
「あー、まだ、学校。着替えながらグダグダ話してる。俺は………ちょっと、先に抜けてきた。」
「そっか。」
なんとなく、並んで一緒に歩く。
まだ下校時刻の中では早い方だからか、周りにはほぼ生徒はいない。
「今日は、ありがとね。」
「礼なら充分聞いた。」
他愛ない話をしながら帰る。
授業のこと、秀人たちのこと、部活のこと。敢えて昼間のことには触れずに。
「あ、私の家こっちだから。」
そのうちに家の近くまで来たため、角を曲がろうとする。
その手を、真は掴んだ。
「真………??」
「俺は、一番に、無条件に、お前に頼って貰いたい。その理由が欲しい。」
ぽかんとする香緒里を真っ直ぐ真剣に見つめながら、真は言葉を続ける。
「まぁ、つまり、好きなんだ、香緒里のこと。付き合いたい。彼氏として側にいて、支えたいんだ、一番に。」
「え………え………???」
動揺し、固まる香緒里を見てくすりと笑い、掴んだ手を離す。
「返事は、急がないから。ちゃんと、本気だからな。」
そう言って立ち去る真の背中を、未だ事実を上手く飲み込めないまま香緒里は見送る。
「好き………???真が?私を……??」
一難去ってまた一難。
香緒里の悩みはまだまだ尽きない。
オレンジから黒に変わっていこうとする空を見上げ、香緒里は溜息をついた。
その日の帰り。
部活を終えて一人帰っている香緒里に後ろから真が声を掛け、走ってきた。
「今部活帰り?」
「うん。真は一人?野球部の人たちは?」
「あー、まだ、学校。着替えながらグダグダ話してる。俺は………ちょっと、先に抜けてきた。」
「そっか。」
なんとなく、並んで一緒に歩く。
まだ下校時刻の中では早い方だからか、周りにはほぼ生徒はいない。
「今日は、ありがとね。」
「礼なら充分聞いた。」
他愛ない話をしながら帰る。
授業のこと、秀人たちのこと、部活のこと。敢えて昼間のことには触れずに。
「あ、私の家こっちだから。」
そのうちに家の近くまで来たため、角を曲がろうとする。
その手を、真は掴んだ。
「真………??」
「俺は、一番に、無条件に、お前に頼って貰いたい。その理由が欲しい。」
ぽかんとする香緒里を真っ直ぐ真剣に見つめながら、真は言葉を続ける。
「まぁ、つまり、好きなんだ、香緒里のこと。付き合いたい。彼氏として側にいて、支えたいんだ、一番に。」
「え………え………???」
動揺し、固まる香緒里を見てくすりと笑い、掴んだ手を離す。
「返事は、急がないから。ちゃんと、本気だからな。」
そう言って立ち去る真の背中を、未だ事実を上手く飲み込めないまま香緒里は見送る。
「好き………???真が?私を……??」
一難去ってまた一難。
香緒里の悩みはまだまだ尽きない。
オレンジから黒に変わっていこうとする空を見上げ、香緒里は溜息をついた。