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第1章 いじめなんて

ドアの前は嫌いだ。
なぜならそれを開けると人と関わらなければならないから。
それが例え家の玄関のドアであろうと、リビングのドアであろうと。
どこかに入る前は決まって嫌な気分になる。
例外は自分の部屋に入る時。なぜなら一人になれるから。
教室のドアは例外ではない。他のドアと同じだ。
けれど入らなければならないのだから、入るしかない。
ため息を一つついた後、吉崎香緒里は教室のドアに手をかけた。


―――――――――
始まりはいつも扉が開くところから。
ならば開けるしかないのだ。
例えそれが自身が望まないことでも……
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