桜海祭実行委員会!
青い空に桜のピンクがよく栄える、そんな春。
私、島村華音は無事に第一志望の大学に入学した。
都心から少し離れた場所にある、広く美しいキャンパス。私が憧れ続けていた大学。
そんな大学に通うことが出来て、私は身も心も今までにないくらい軽かった。
担任の先生や親にも無理だと言われ続け、記念受験よね、受けに行くだけでも嬉しいわ。
そんな風に思っていた、全国でもランクの高い位置にあるこの大学に、私は補欠合格で合格したのだ。
合格通知が届いた時、私は封筒の送り先と宛先を確認し、通知書に書かれている名前と大学を確認し、そしてもう一度封筒を見て……ようやく歓喜の声を上げた。
『お母さーーん!!受かった!受かったよっ!』
それが、今から一ヶ月程前。
晴れて入学し、数日が経ち。
大方(ここ、大事。全部じゃないのよ。)のことが上手くいき、私は楽しいキャンパスライフを送っていた。
「サークル、どこに入る?」
一通り授業が終わり、いくつものサークルがブースを構えている広場を歩きながら、私が聞くと私の親友の三田友里恵はう〜ん、と首を傾げた。
「まだ、わからないけど…綾子ちゃんは?」
小首を傾げる仕草も妙に似合ってしまう、私と正反対の女の子らしくかわいらしい友里恵は私を挟んで反対側にいる鳥居綾子を見た。
「絶対バスケ部。」
短く簡潔に綾子は言った。
「バスケ、好きだねぇ。」
ショートカットが似合う、スラリと背の高い綾子は中学の頃からずっとバスケを続けていて、バスケが強いという理由でこの大学に入学した。
「当たり前。で?華音は?」
「私〜?まだわかんない……でも、思いっきり楽しめるのがいいな!」
だって、せっかくの大学生活。楽しまなきゃ損だよ!思いっきり遊んで、バイトして、サークルして、たま〜に勉強して、毎日楽しく過ごせるなんて、大学でしか出来ないもの…!
「大学、楽しみたいの?」
「それならばぜひ、俺達と一緒に活動しないかい?」
突如、頭上から聞こえてきた声に私は顔を上げる。
そして、固まった。
イ、イケメン!超イケメン……!
如何にも女の子受けしそうなモデルのような整った顔立ちに、きらきらと無駄に輝かしい笑顔を讃えた背の高い男の人と。
同じ背が高く、いかにもスポーツやってます!というような外見をしていながらもきれいな顔立ちをした爽やかでかっこいい男の人。
思わず頬を緩めて見とれてしまいそうなその二人を見て、私は動けなくなった。
私の両脇にいる友里恵と綾子も驚いたように、滅多に出会えないくらいのイケメンレベルの二人を見ている。
いち早く正気に戻ったのは綾子で。そして二人に尋ねた。
「何のサークルなんですか?」
すると、二人は再びニッコリと笑った。眩しいくらいの笑顔で。
「桜海祭の実行委員会だよ。」
「おうみ…さい?」
私の容量の少ない頭の中を必死に掻き回してその単語を探す。
確か……桜海祭って、うちの大学の文化祭、だよね?
「うん、そう。桜海祭。どう?興味ない?」
「君達みたいなかわいい子達が入ってくれたら僕達も嬉しいんだけどな。」
「は、入ります!」
魅惑的な微笑みでそう言われてしまえば、私に断る理由はない。
と、言うより断れない。イケメンにそんなことを言われたら。
「じゃ、詳しくはこの紙に書いてあるから、ぜひ来てみてね。」
私達三人にビラを渡すと、微笑みながら二人は人混みの中に戻って行こうとする。
「あのっ…!」
ようやっと放心状態から抜けた私は去って行く二人の背中に思わず声をかけてしまった。
『何?』というように振り返った二人に尋ねた。
「お名前…!名前はなんておっしゃるんですか!?」
なんだかよくわからない話し方をする私に苦笑いをしている綾子の視線を感じるが、気にしない。
「僕が真鍋彰で。」
モデルのように整った方の人が言い、続いて、
「俺が小山田慧。」
スポーツ系の爽やかな方の人が言う。
よろしくね、なんて言いながら人混みに紛れて行く二人を見て、私は頬を緩ませた。
かっこいい……!
入学早々、こんな素敵な先輩に会えるなんて、超ラッキー!
って、思ってたんだけど。
良くも悪くもこの時から、私の運命は変わったんじゃないだろうか。
そんな風に思ったのは、まだ先の話。
私、島村華音は無事に第一志望の大学に入学した。
都心から少し離れた場所にある、広く美しいキャンパス。私が憧れ続けていた大学。
そんな大学に通うことが出来て、私は身も心も今までにないくらい軽かった。
担任の先生や親にも無理だと言われ続け、記念受験よね、受けに行くだけでも嬉しいわ。
そんな風に思っていた、全国でもランクの高い位置にあるこの大学に、私は補欠合格で合格したのだ。
合格通知が届いた時、私は封筒の送り先と宛先を確認し、通知書に書かれている名前と大学を確認し、そしてもう一度封筒を見て……ようやく歓喜の声を上げた。
『お母さーーん!!受かった!受かったよっ!』
それが、今から一ヶ月程前。
晴れて入学し、数日が経ち。
大方(ここ、大事。全部じゃないのよ。)のことが上手くいき、私は楽しいキャンパスライフを送っていた。
「サークル、どこに入る?」
一通り授業が終わり、いくつものサークルがブースを構えている広場を歩きながら、私が聞くと私の親友の三田友里恵はう〜ん、と首を傾げた。
「まだ、わからないけど…綾子ちゃんは?」
小首を傾げる仕草も妙に似合ってしまう、私と正反対の女の子らしくかわいらしい友里恵は私を挟んで反対側にいる鳥居綾子を見た。
「絶対バスケ部。」
短く簡潔に綾子は言った。
「バスケ、好きだねぇ。」
ショートカットが似合う、スラリと背の高い綾子は中学の頃からずっとバスケを続けていて、バスケが強いという理由でこの大学に入学した。
「当たり前。で?華音は?」
「私〜?まだわかんない……でも、思いっきり楽しめるのがいいな!」
だって、せっかくの大学生活。楽しまなきゃ損だよ!思いっきり遊んで、バイトして、サークルして、たま〜に勉強して、毎日楽しく過ごせるなんて、大学でしか出来ないもの…!
「大学、楽しみたいの?」
「それならばぜひ、俺達と一緒に活動しないかい?」
突如、頭上から聞こえてきた声に私は顔を上げる。
そして、固まった。
イ、イケメン!超イケメン……!
如何にも女の子受けしそうなモデルのような整った顔立ちに、きらきらと無駄に輝かしい笑顔を讃えた背の高い男の人と。
同じ背が高く、いかにもスポーツやってます!というような外見をしていながらもきれいな顔立ちをした爽やかでかっこいい男の人。
思わず頬を緩めて見とれてしまいそうなその二人を見て、私は動けなくなった。
私の両脇にいる友里恵と綾子も驚いたように、滅多に出会えないくらいのイケメンレベルの二人を見ている。
いち早く正気に戻ったのは綾子で。そして二人に尋ねた。
「何のサークルなんですか?」
すると、二人は再びニッコリと笑った。眩しいくらいの笑顔で。
「桜海祭の実行委員会だよ。」
「おうみ…さい?」
私の容量の少ない頭の中を必死に掻き回してその単語を探す。
確か……桜海祭って、うちの大学の文化祭、だよね?
「うん、そう。桜海祭。どう?興味ない?」
「君達みたいなかわいい子達が入ってくれたら僕達も嬉しいんだけどな。」
「は、入ります!」
魅惑的な微笑みでそう言われてしまえば、私に断る理由はない。
と、言うより断れない。イケメンにそんなことを言われたら。
「じゃ、詳しくはこの紙に書いてあるから、ぜひ来てみてね。」
私達三人にビラを渡すと、微笑みながら二人は人混みの中に戻って行こうとする。
「あのっ…!」
ようやっと放心状態から抜けた私は去って行く二人の背中に思わず声をかけてしまった。
『何?』というように振り返った二人に尋ねた。
「お名前…!名前はなんておっしゃるんですか!?」
なんだかよくわからない話し方をする私に苦笑いをしている綾子の視線を感じるが、気にしない。
「僕が真鍋彰で。」
モデルのように整った方の人が言い、続いて、
「俺が小山田慧。」
スポーツ系の爽やかな方の人が言う。
よろしくね、なんて言いながら人混みに紛れて行く二人を見て、私は頬を緩ませた。
かっこいい……!
入学早々、こんな素敵な先輩に会えるなんて、超ラッキー!
って、思ってたんだけど。
良くも悪くもこの時から、私の運命は変わったんじゃないだろうか。
そんな風に思ったのは、まだ先の話。
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