お花屋さん夢主と御剣さん
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「いやぁ、すまないねいつもいつも」
ニット帽をかぶった成歩堂がヘラヘラ笑いながら頭をかく。
「清々しいほど申し訳なさが感じられないわね」
ユラはふふ、と笑いながら散らかっている部屋を片付けていた。
ユラと成歩堂は大学時代の友人であり、今でも時々連絡を取り合っている。
付き合っているわけではないが、お互いのこの距離感がとても居心地が良かった。
「なるほど君がパパになるなんてねぇ」
洗濯物をテキパキ畳みながらしみじみつぶやく。
「何が起こるかわからないもんだね」
頬杖をつきながらユラを眺める。
成歩堂に子供ができたと聞いたユラは、家事が苦手な成歩堂を心配して月に一度事務所を訪ねて様子を見に来ている。
散らかった部屋を片付け、何品か作り置きの料理を冷凍庫に入れて変えるのがお決まりになっていた。
「前置いて行ってくれた料理、おいしかったってみぬきが」
「ほんと?良かった、また同じの作っていこうかな」
「うん、ありがと。みぬきがユラさんに会ってみたいってさ」
「そうねぇ、まだ会ったことないんだよね」
ユラが来る時間は学校にいるため、みぬきと直接顔を合わせたことはなかった。
「みぬきが『ママになってくれればいいのに』って」
「ふふ、そうね、みぬきちゃんのママはきっと楽しいわね…なるほど君が夫になるのは遠慮するけど」
「ははは、まいったなぁ」
事務所にはただ2人の軽口と、穏やかな時間が流れていた。
「おっと、時間だ。そろそろ出るから、帰る時鍵よろしくね」
「うん、行ってらっしゃい」
成歩堂はゆっくり立ち上がり、仕事と呼べるかわからない仕事へ出かけた。
ユラは主のいなくなった事務所で1人、残りの洗濯物を畳む。
ガチャ
「失礼、成歩堂、いるか?」
ノックをせずに事務所に入ってきたのは赤いスーツの男だ。
小脇に大きな封筒を抱えている。
「あら、こんにちは、なるほど君ならさっき出かけちゃいましたよ」
ユラは微笑んで告げる。
「!そ、そうか、うム…」
赤い男はユラに驚いた様子で少しの間黙ってしまった。
「えと、今日中には戻ってくると思いますから、書類なら机に置いといても大丈夫だと思いますよ」
「あぁ、ではそうさせてもらおう…」
2人だけの妙な雰囲気に耐えられなくなったのか、男は足早に帰ろうとした、その時
「あの、もしかしてあなたが御剣怜侍さんですか?」
「ム!?」
初対面の女性にいきなり名前を言い当てられ思わず動揺する。
「そ、そうだが、君は一体…」
男の名前を確信したユラの顔はぱああと明るくなって嬉しそうだ。
「わぁ!やっぱりそうなんですね!やっと会えた!」
「なるほど君全然紹介してくれないから、会ったこともない御剣さんにもう嫌われてるのかと思いましたよ。矢張君は紹介してくれたのに…」
嬉しそうにブツブツ喋るユラを怪しげにみる御剣の頭にははてなが浮かんでいる。
「す、すまないが君はその、」
「あぁ、すみません!私なるほど君の大学時代の友達で、御剣さんのことずっと聞いていたんです。聞いてたっていうか、聞かされてたっていうか?」
「ふむ、そうだったのか…」
明るく、嬉しそうに話すユラに圧倒されながら返事をする。
自分のいないところで自分の紹介がされているとは少し気恥ずかしいようで、視線を左右に動かしていた。
それにしても、
(綺麗な人だ)
御剣はちらりと視線をユラに向ける。
ゆるくカールのかかった髪は、彼女が笑うのと共にふわりと揺れて、細めた目は宝石でも埋め込まれているかのように上品な輝きを見せた。
友達と言ってはいるが、実際はどういう関係なのだろうと考えてしまう。
「どうかしましたか?」
「あ、いや、すまない」
思わずじっと見つめていることに気が付き、慌てて目を逸らす。
「と、とにかく、書類は置いていく。成歩堂によろしく伝えてくれたまえ。」
ぎこちなく挨拶すると、御剣はそのままそそくさと出ていった。
「…やっぱり嫌われてるかな?」
1人残ったユラは不思議そうに呟いて、残りの洗濯物を片付けた。
________________________________________________
数日後
御剣はあれからしばらくユラのことが忘れられないでいた。
成歩堂とはどう言った関係なのか。
部屋を片付けているようだったが、手伝いか何かか?
いや、今の奴にはそんな金はないはずだ。
では、彼女の厚意で?
ぶっきらぼうに事務所を出てしまったが、印象は悪くなっていないだろうか。
そもそも成歩堂は彼女に自分をどのように紹介したのか。
ぐるぐると思考がおさまらないでいる。
なぜこんなにも彼女のことが気になるのか、もうわからない年ではない。
「…く」
なんとかこの思考回路から抜け出そうとして、積み重なった書類に手を伸ばした。
________________________________________________
「そういえば、」
そろそろ御剣とユラさんを合わせてみたいな〜とか
1人事務所のソファーに寝っ転がる成歩堂は天井を見上げながら考える。
「御剣は彼女いないし、ユラさんもそろそろ幸せになるべきだし?」
2人がくっ付いたら面白そうだな
空のぶどうジュースをちらりとみて微笑んだ。
ニット帽をかぶった成歩堂がヘラヘラ笑いながら頭をかく。
「清々しいほど申し訳なさが感じられないわね」
ユラはふふ、と笑いながら散らかっている部屋を片付けていた。
ユラと成歩堂は大学時代の友人であり、今でも時々連絡を取り合っている。
付き合っているわけではないが、お互いのこの距離感がとても居心地が良かった。
「なるほど君がパパになるなんてねぇ」
洗濯物をテキパキ畳みながらしみじみつぶやく。
「何が起こるかわからないもんだね」
頬杖をつきながらユラを眺める。
成歩堂に子供ができたと聞いたユラは、家事が苦手な成歩堂を心配して月に一度事務所を訪ねて様子を見に来ている。
散らかった部屋を片付け、何品か作り置きの料理を冷凍庫に入れて変えるのがお決まりになっていた。
「前置いて行ってくれた料理、おいしかったってみぬきが」
「ほんと?良かった、また同じの作っていこうかな」
「うん、ありがと。みぬきがユラさんに会ってみたいってさ」
「そうねぇ、まだ会ったことないんだよね」
ユラが来る時間は学校にいるため、みぬきと直接顔を合わせたことはなかった。
「みぬきが『ママになってくれればいいのに』って」
「ふふ、そうね、みぬきちゃんのママはきっと楽しいわね…なるほど君が夫になるのは遠慮するけど」
「ははは、まいったなぁ」
事務所にはただ2人の軽口と、穏やかな時間が流れていた。
「おっと、時間だ。そろそろ出るから、帰る時鍵よろしくね」
「うん、行ってらっしゃい」
成歩堂はゆっくり立ち上がり、仕事と呼べるかわからない仕事へ出かけた。
ユラは主のいなくなった事務所で1人、残りの洗濯物を畳む。
ガチャ
「失礼、成歩堂、いるか?」
ノックをせずに事務所に入ってきたのは赤いスーツの男だ。
小脇に大きな封筒を抱えている。
「あら、こんにちは、なるほど君ならさっき出かけちゃいましたよ」
ユラは微笑んで告げる。
「!そ、そうか、うム…」
赤い男はユラに驚いた様子で少しの間黙ってしまった。
「えと、今日中には戻ってくると思いますから、書類なら机に置いといても大丈夫だと思いますよ」
「あぁ、ではそうさせてもらおう…」
2人だけの妙な雰囲気に耐えられなくなったのか、男は足早に帰ろうとした、その時
「あの、もしかしてあなたが御剣怜侍さんですか?」
「ム!?」
初対面の女性にいきなり名前を言い当てられ思わず動揺する。
「そ、そうだが、君は一体…」
男の名前を確信したユラの顔はぱああと明るくなって嬉しそうだ。
「わぁ!やっぱりそうなんですね!やっと会えた!」
「なるほど君全然紹介してくれないから、会ったこともない御剣さんにもう嫌われてるのかと思いましたよ。矢張君は紹介してくれたのに…」
嬉しそうにブツブツ喋るユラを怪しげにみる御剣の頭にははてなが浮かんでいる。
「す、すまないが君はその、」
「あぁ、すみません!私なるほど君の大学時代の友達で、御剣さんのことずっと聞いていたんです。聞いてたっていうか、聞かされてたっていうか?」
「ふむ、そうだったのか…」
明るく、嬉しそうに話すユラに圧倒されながら返事をする。
自分のいないところで自分の紹介がされているとは少し気恥ずかしいようで、視線を左右に動かしていた。
それにしても、
(綺麗な人だ)
御剣はちらりと視線をユラに向ける。
ゆるくカールのかかった髪は、彼女が笑うのと共にふわりと揺れて、細めた目は宝石でも埋め込まれているかのように上品な輝きを見せた。
友達と言ってはいるが、実際はどういう関係なのだろうと考えてしまう。
「どうかしましたか?」
「あ、いや、すまない」
思わずじっと見つめていることに気が付き、慌てて目を逸らす。
「と、とにかく、書類は置いていく。成歩堂によろしく伝えてくれたまえ。」
ぎこちなく挨拶すると、御剣はそのままそそくさと出ていった。
「…やっぱり嫌われてるかな?」
1人残ったユラは不思議そうに呟いて、残りの洗濯物を片付けた。
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数日後
御剣はあれからしばらくユラのことが忘れられないでいた。
成歩堂とはどう言った関係なのか。
部屋を片付けているようだったが、手伝いか何かか?
いや、今の奴にはそんな金はないはずだ。
では、彼女の厚意で?
ぶっきらぼうに事務所を出てしまったが、印象は悪くなっていないだろうか。
そもそも成歩堂は彼女に自分をどのように紹介したのか。
ぐるぐると思考がおさまらないでいる。
なぜこんなにも彼女のことが気になるのか、もうわからない年ではない。
「…く」
なんとかこの思考回路から抜け出そうとして、積み重なった書類に手を伸ばした。
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「そういえば、」
そろそろ御剣とユラさんを合わせてみたいな〜とか
1人事務所のソファーに寝っ転がる成歩堂は天井を見上げながら考える。
「御剣は彼女いないし、ユラさんもそろそろ幸せになるべきだし?」
2人がくっ付いたら面白そうだな
空のぶどうジュースをちらりとみて微笑んだ。
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