【過去】咲
一番最初の記憶は一冊のノートを読んだ時、それ以前の記憶はない。
両親の顔も分からなければ名前も知らない。
でもただそこに書いてあった「生きて」の1文字と自分の名前、それだけを頼りに生きてきた。
広い広い雪山でひとりで生きてきた。
けれどある時、ひとりの少女に出会った。
彼女は自分に沢山のものを与えてくれた。
人の暖かさ、知識、誕生日、そして愛情。
彼女の過ごした日々はとても輝いていて、人生で初めて失いたくないと思った。
けれど世の中は残酷だった、妖である自分を気に食わない人間が自分を追い出す為に彼女を殺した。
全てを失うのはあっという間だった。
その後の記憶は曖昧であまり覚えていない。
それでも、彼女の暖かさと冷たさだけは、はっきりと覚えている。
もう、なにも失いたくない。
だから、僕は全てを拒み続ける。
僕の人生は真っ白だ。
両親の顔も分からなければ名前も知らない。
でもただそこに書いてあった「生きて」の1文字と自分の名前、それだけを頼りに生きてきた。
広い広い雪山でひとりで生きてきた。
けれどある時、ひとりの少女に出会った。
彼女は自分に沢山のものを与えてくれた。
人の暖かさ、知識、誕生日、そして愛情。
彼女の過ごした日々はとても輝いていて、人生で初めて失いたくないと思った。
けれど世の中は残酷だった、妖である自分を気に食わない人間が自分を追い出す為に彼女を殺した。
全てを失うのはあっという間だった。
その後の記憶は曖昧であまり覚えていない。
それでも、彼女の暖かさと冷たさだけは、はっきりと覚えている。
もう、なにも失いたくない。
だから、僕は全てを拒み続ける。
僕の人生は真っ白だ。
1/1ページ