【クロロ・ヒソカ】二人と旅する夢(長編/1章完結)
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ふわふわのオムレツ、拘りの野菜サラダ、可愛らしいパンケーキ……!
バイキングに並ぶお料理はどれも美味しそうで、何を食べようか迷ってしまうほどだ。
ユリは上機嫌で次々とお皿にのせていく。
「~~♪」
一通り好きなものを取り分けると空いている席に座った。
さっそく野菜サラダをもぐもぐと食べはじめる。
「おはよう、ユリ。隣は空いてるか?」
「ぉ、おはほう! ……どうぞ」
突然クロロに話しかけられて驚いた。
食べていた口元を手で抑えながら返事をしたが、少し声が籠ってしまって恥ずかしくなる。
「意外と
「そう? 昨日と同じよ」
「いや、今日のほうが自然に見える」
「言われてみれば? 昨日は緊張してたのかも」
「そうか。少しは慣れたようでなにより」
「……うん」
料理を口にしながら、会話の続きを考える。
「そういえば、露天風呂どうだった?」
「あぁ、いい湯加減だったよ。辺りの紅葉も見頃だな」
「風情があって素敵ね。私も後でいってみようかしら」
「そうするといい」
一瞬、露天風呂に入ったユリを想像しかけたが口にはしなかった。
軽くごまかすように言葉を続ける。
「後は、そうだな。これも悪くない」
クロロは自身の着てる浴衣の生地を触って示す。
部屋に常備されている浴衣なのだが、湯上がりのクロロが着ると随分かっこよく、そして艶かしく見えた。
「あなたが着ると、宿の浴衣も絵になるわね」
それを聞いたクロロの広角が僅かに上がる。
「それって、口説いてる?」
「……は?」
「そう嫌な顔をしてくれるな。さすがにヘコむ」
「はぁ……。それ、逆に口説いてくれって誘ってるようなものよ?」
「あぁ、そう捉えてくれて構わない」
ユリはなんと答えていいかわからず、少しの間が空いた。
「真に受けて笑われるのがオチでしょうに」
「いや、本気にしていい」
「……え? まぁ、少し考えておくわ」
自分のペースを乱されつつも、適当にあしらえるくらいには慣れてきたようだ。
──まったく、どこまでが冗談なのかわからない人。
そんなことを思いながら、いつの間にか料理を食べ終えたユリは、何か物欲しそうにして席をたつ。
「どうした?」
「パンケーキ、おかわりしてくるわ!」
~~~♪
そう言って、ユリはまた上機嫌でバイキングの列に並んでいった。