【クロロ・ヒソカ】二人と旅する夢(長編/1章完結)
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「そろそろ降ろしてくれませんか? ずっとこれは、さすがに……」
逃走時からお姫様抱っこ状態で抱えられているユリが気まずそうに訴える。
気持ちを察してか、クロロはすんなりと身体の自由を解放した。
ようやく自分の足で立ったユリは、地面を歩いただけで少し安堵する。
「……はぁ、最初から私にYes以外の選択肢は無かったのね」
気が緩んで思わずため息と愚痴が漏れる。
妙なことに巻き込まれたという衝撃から、接待時の丁寧さも忘れて素が出ていた。
「気づくのが遅いな」
「早く気づいたって、力ずくじゃあなたに勝てないでしょう……」
「それは、ごもっとも」
クロロはふとユリを一瞥し、それを感じたユリが言う。
「今、 『念を制限されてることの口封じに殺さなかっただけありがたく思え』なんて考えたりした?」
「ご名答。あなたが
心が読める類いの念能力を持っているのか?
と思考を巡らすクロロ。
だが、それは違うという表情でユリが答えた。
「心音で気持ちが読める友人とずっと一緒にいたせいかしら。なんとなく、勘でわかるの」
話しながら、ユリは親友のセンリツと過ごした日々が脳裏に浮かんだ。
「なるほど。女の勘とは、良く当たるものだな」
クロロのほうは旅団メンバーのマチを思い浮かべる。
彼女の勘もまた鋭かった。
お互い知らずして仲間を懐かしむ気持ちに浸るなか、クロロがおもむろにユリを眺める。
「なんだか、見られると落ち着かないわね」
「いや、失礼。ユリを見てたら仲間を思い出してね」
「……え、どんな人なの?」
「ユリみたいに、勘が鋭い人」
いろいろと気になるユリだが、それ以上の詮索はクロロにはぐらかされて終わったため、早々に諦めた。