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【クロロ・ヒソカ】二人と旅する夢(長編/1章完結)

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デフォルトの名前はユリです

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デフォルトの名前はユリです


1023号室に着くと、クロロは鍵を開けてくれていたようで、すんなりとドアが開いた。
ユリが中に入ってドアを閉めると、オートロックがかかる。

「こんばんは」
「こんばんは。どうぞ、荷物は適当に置いて」

言われた通り、ユリは自身のベッド付近に荷物を置く。
クローゼットに服を入れはじめたところで、横目にクロロを見る。
彼は、シャンパンのグラスを片手にソファで寛いでいた。
いつものオールバックは降ろされており、心なしか幾分幼く感じる。

──今のクロロは怖くない。なんだか爽やかな青年って感じ。こうしてみるとイケメンね。いや、どちらかというと可愛い?

今になって、うっかり彼を男性として意識してしまい、戸惑いを隠せない。
複雑な心境をいったん胸に仕舞うと、それを察したかのようにクロロが問いかける。

「どうした?」

「……いや、あの。疑うようで言い難いのだけど、何もしないわよね?」
「まだ信用されてないようだな。少なくとも、ユリが想像するようなことを、するつもりは無いんだけど」
「そう、よかった。変なこと聞いて悪かったわね」

クロロなら大丈夫、信頼しようと改めて思うユリだが、一方で何故か残念に感じている自分に気づいてしまう。
まさか、クロロを異性として意識してしまったせいだろうか。
言葉とは裏腹に、別の答えを期待していていたような気持ちを、慌てて打ち消そうとする。
しかし、僅かな心の機微を見逃さなかったクロロが聞いた。

「それ、遠回しに誘ってる?」
「あ、え……?」
「思いの外、ユリが残念そうにして見えたから」
「……どうしてか、隠したいことまで貴方にはわかってしまうのね」

クロロは肯定と解釈して受けとる。
ユリが素直で顔に出やすい性格をしているのもあるが、彼女が隠したいことまでわかるらしい自分に苦笑した。

「いっそ本気で拒んでくれた方が、オレとしてはありがたいんだけど」
「……わかってる。ごめんなさい」

ユリが謝ると、クロロは少し砕けた口調で話を続けた。

「とはいえオレも同じだ。謝らなくていい。ユリが部屋に居るのを見て、正直ヤバいと思ったし」
「……?」
「それでも律することは容易い。ユリにその気が全く無いならね」
「でも、私は……」

その言葉を遮るように、クロロは手の動作で”こちらへ来い”と促す。
ユリは一旦荷物を整理する手を止め、クロロが座っているソファの隣に並ぶようにして腰を掛けた。
そして、"どうしたらいいかわからない"というような視線を向ける。

「だから、満更でもなさそうにされると困る。他の団員とは、どんな状況になろうが手を出そうなど思うことは無かった。つまり、ユリも問題ないと思っていたんだが。これはオレの判断ミスだな」
「──待って、頭が追い付かないわ……」

ユリの話を意に介さず、クロロは内心呟きながら考える。

──何故、美しくて犯しがたいと感じていたユリに手を出したくなるのか。

「……いや。美しいモノだからこそ、愛でたくもなるか」

理屈ではなく本能的なそれだと感じたクロロは、それ以上の動機は考えなかった。
隣にいるユリの髪を優しく撫で、一方でその繊細な仕草とは相反した、黒い悦が沸々と表面化してくるのを感じる。

──ユリを傷つけまいと大切に思う反面、特別なあなたを壊してしまいたい。

クロロは、ある種の破壊衝動に呑まれてかけていた。





※次のページは裏夢なので18歳未満の方は閲覧禁止となります。
そこそこ残酷な加虐表現がありますので、苦手な方やトラウマのある方は読み飛ばし推奨です。
(甘めが好きな方には申し訳ない)

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