第1話 ~惑星ベジータの王女!? 名前はリック!~
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――翌日。
リックは、最下級戦士の子供二人――スーナとリキューがパタス星に行き苦戦している事を耳にし、ラディッツと共にその応援に向かうことになった。
リックがいつもの待ち合わせ場所でラディッツを待っていると、そこには見覚えのある二人のサイヤ人の姿があった。
『あっ、セリパ姉さん!トーマ兄さん!』
ト「お、リック」
セ「これから遠征かい?」
――そう、バーダックチームのセリパとトーマだ。二人を始めたバーダックチームの五人はリックに親しく接してくれており、まだサイヤ人に警戒心を抱いているリック自身にとってもとても親しみやすい人物達だった。それは、その五人だけはリックを"王女"と呼ばないからだろう。だからその分距離が短く感じられるからだ。
まだ若干人見知りなリックは、特別な人達にだけに向けるような無邪気で優しい笑顔でセリパとトーマに駆け寄る。
『うん、ラディッツとパタス星に。ふたりは?』
セ「あたし達もこれから遠征さ。でもちょっとハプニングでね……」
ト「パンブーキンが朝飯食べ過ぎて腹壊しちまって、トテッポがそれを担いだら腰やられちまって、バーダックは何か知らんけど遅刻。最悪な状況だ」
『あはは……大変なんですね……;;』
バーダックチームのちょっとしたハプニングに、リックは思わず苦笑い。セリパは呆れて腕を組み、遠くを見つめている。
セ「こりゃ、あたし達だけで行くしかなさそうだね」
『因みに、どこの星へ行くんですか?』
?「ヤチオ星だ」
丁度リックがそんな問いをしたところで、バーダックがそこへやって来た。三人は勢いよくバーダックの方へ振り返る。
ト「バーダック!」
『バーダックさん!』
バ「リックも来てたか、ラディッツならすぐ来るはずだぜ」
『わかりました、ありがとうございます』
リックが丁寧にお辞儀をして礼を言うと、バーダックに"ませた事してんじゃねーよ"と頭をクシャリと撫でられた。リックが少し照れくさそうに撫でられた頭に手を置くと、そこへラディッツがやって来た。
ラ「リックーっ!」
『ラディッツ!まってたよ』
ラ「またせてごめんな」
無事合流といったところだが、リックの方に駆け寄るラディッツを見たトーマが心配そうに二人の方を見た。
ト「だが、ラディッツとリックが二人でパタス星って……大丈夫なのか?」
ラ「違うよ、先に行ったスーナとリキューが危ないからおーえんにってさ」
『わたしはあのふたりキライだから行きたくなんてないけどさ、フリーザサマの命令で仕方なくね』
"フリーザ"
その名に少し殺意があったような気もするが、それは気のせいではない。リックはフリーザを憎み恨んでいるからだ。その理由はまだ誰にも話していない。何故なら、話したところで誰も"信じてくれない"と思っているからだ。
リックはまだ4歳の幼い子供だ。そんな彼女が過去の事を話したところで、子供の戯言だと言って誰も信じてはくれないだろう。それに、彼女自身がまだサイヤ人全体を信じられていないからでもある。正しくは、フリーザに良いようにされている事に気づいていないことに腹を立てているという事でもあるが。
とはいえ、バーダックやギネといった信じることができる人物も少なからずはいるというのに、リック自身が逃げているというのもあった。それは、"嫌われたくない"という子供らしい言い訳。
もしこれが無ければ、この先に起こる未来を防ぐことができただろう。それが何なのか、それはまだ誰にも分からない。
バ「最下級戦士のガキなんざに興味はねぇが……ラディッツ、リックを虐めんじゃねぇぞ」
ラ「いじめてねぇよっ!」
『大丈夫だよ、バーダックさん。ラディッツ優しいもん!ねっ♪』
ラ「う、うん……//」
セ「あーあ、相変わらずラブラブでいいねぇー」
ト「軽くバカップルだな」
『??ばかっぷる?――ってなぁに?』
ラ「き、気にしなくていいよ!行くぞ!//;;」
『え?う、うん……じゃあまたね、バーダックさん!セリパ姉さんとトーマ兄さんも!おしごとがんばってね~っ!』
バ「気を付けて行けよー」
『わかってる~っ!』
そう大きく手を振ってラディッツと共に去っていくリックの笑顔は、とても優しく可愛らしいものだった。その姿が遠くなると同時に、バーダック達も出発の準備に取り掛かった。
その笑顔がいつか、サイヤ人全体の目に届くように――という願いと共に……。