第零章 ~プロローグ~
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ブ「では、このようにして如何ですかな?王女」
『そうだな、これで誰も文句はあるまい』
無事アークボルトに戻ったレントと兵団達は、早速会議室に駆け込み会議を開いていた。
ブラストがレントに提案を上げたのは、北の洞窟で魔物の親玉と戦える者を募集し、その者と2~3度違う者と戦い試してから向かわせるというもの。
殆どの者には洞窟で警備をさせ、倒せる魔物は簡単に倒す権利……そして、残った者に旅人と戦う権利を渡した。
アークボルトは険しい山々と森に囲まれているが、魔物は大していない為こういうことは珍しい。だから旅人が集まりやすい場としても有名だ。
逆に、一般には"戦士の国"という愛称から恐ろしくて近づけない者もいるとか。
『皆の者よく聞け!この事件はきっと長引くことだろう。なんとしてでも私達アークボルトの者が責任を取り、現在この国に滞在している旅人達全員を無事に家に帰らせるのだ!!』
「「「はっ!!」」」
会議室に、兵士達の声が重なり響く。やる気のない者など決していないように見えた。
『ガルシアは一階の警備に、ホリディとスコットはバルコニーで警備に当たれ。ブラスト兵団長はいつ戦える奴が出てきてもいいよう、ちゃんと体を休めておくように』
「「「はっ!!」」」
レントの命令に、ブラスト達四人も同時敬礼した。
この口調もランスにとても似ているが、このような口調の時のレントの命令は"絶対"なのだ。逆らうことはまず許されない。
『――では、作戦を開始する。全員死ぬ気でかかれ!』
レントの掛け声に素早く散る兵士達。洞窟に戻り警備をする者、城に残り万が一に備える者など様々だ。
しかし、レントはこの時何故言えなかったのだろうか……。
"死ぬ気で"ではなく、"必ず生きて帰れ"と――。
ガ「張り切ってますね、レント王女」
『……この辺りに魔物が出るなんて"あの日"以来だからな。だが油断はするな。やる気のない奴らは切り殺してでも追い出せ。お前達4人には期待している。
――一番尊敬してるのもお前達4人だから……((ボソッ』
ガ・ホ「「王女……」」
ボソッとそう呟いたレントの頬は少々赤い。これは、レントが珍しく素直になる時の癖。ランスもそうだったから似てしまったのだろうか。
こんな嬉しい言葉を聞けば四人の兵士達が黙っているはずもなく、四人共ハンカチで嬉し涙を拭っている。
ス「うっ、なんと嬉しいお言葉…………」
『あ、そうそう……特にガルシア。お前は緩くて早死にしそうだから任務中にあまりヘラヘラ笑わないように』
「「「ブッ!!」」」
ガルシア以外の三人は、レントの言葉に思いっきり吹き笑いだす。ガルシアは焦って首をブンブンと横に振りながら否定した。
ガ「そんなヘラヘラしてませんよ!レント王女や先輩達の前でだけです!!」
『本当に?怪しいぞ、その反応……』
ガ「してませんって!!」
『噓噓、冗談だよ(笑)』
必死に否定するガルシアを見ておかしく思ったのか、レントは面白そうにニコニコと笑った。
そんな割と悪戯好きな子供らしい一面を見せるレントに、後ろで面白そうに大笑いするブラスト達と、汗を浮かべながら苦笑いするガルシアの姿があった。
それと同時に、案外子供らしいところもあるのだな――と安心している様子だった。
――兄に似た偽りの彼女が見られるのは、そのランス本人の遺言だったのか。それとも、レント自身が望んでいる事なのか……それは誰にも分らない。