観月夢/診断メーカー短編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『制限時間はあと1分』
門限まであと5分。2人はデートの余韻も忘れて、寮へと足を急がせた。「無理、諦める」「寮生管理委員の僕に門限を破れと?」「貴方が時刻表を間違えてたのがいけないの!」「ギリギリまで居たいと言ったのは誰ですか?僕は余裕を持って帰るつもりでした」門限まであと1分、2人が安堵に微笑むまであと1分。
『愛される覚悟をしておいて』
自宅の表札に掲げられた「観月」の2文字が嬉しくて眺めていると「いつまでそうしてるんですか」と尋ねられた。「これからはずっと一緒だね」彼の目がすっと細くなって、鍵の回る音がした。「四六時中愛される覚悟、しておいて下さいね」
真新しいタイルの上に、私の靴と彼の靴が寄り添っていた。
『箝口令』
何を贈ったら彼女は喜ぶだろう。雑貨屋の棚の前、あれやこれやと思案していると知り合いに声を掛けられる。「何してるの?」「ウワッ、驚かさないでください」「プレゼント?観月も迷うことがあるんだね。クスクス、言っちゃおうかな」「絶対言うな!練習増やしますよ!」彼女の前では余裕でいたい。
『それは寒い夜だった。』
これから雪が降る予報だっていうのに、二人で寮の屋上に座り込んでいた。「どうしてこんな寒い夜にわざわざ……」「東京の雪って珍しいんだよ?初雪だよ?」「雪は嫌というほど見慣れていますので」手袋をはめた手を握る。「はじめくんと初雪が見たいの」耳が真っ赤なのは、しもやけか、それとも──
6/6ページ