女の勘
大学のテスト期間が終わり、久しぶりに幽助の屋台に食べにきた。
会うのも少し久しぶりで、家に行くのがなんだか恥ずかしくてあえて屋台で会うことにした。
「いらっしゃーい、
ってなんだ螢子かよ」
「なんだとはなによ、お客様に向かって」
「へーへー失礼しました。
で、なんにする?」
「チャーシューめん」
「あいよーかしこまりー」
「へいっおまちどーさん」
「ん、ありがと」
麺をすする、
「うん。やっぱ美味しいわね」
「へへっそりゃどーも。
お前テスト終わったのか?」
「うん、今日終わった」
「じゃー明日からまた頼むぜー」
「はぁ。なんであたしが毎日あんた起こしに行かなきゃいけないのよ」
なんて言いながら、少し嬉しかったりする。
「まーまー、これからの起こし賃ってことで今日のおごりにしてやるからよー」
「なにそれ」
「チャーシューあと2枚サービスしてやるから」
「それは遠慮なく頂くわ。」
「こんばんはー」
「おう、いらっしゃい」
「また来ちゃった!えへへ。
幽助くん、いつものちょーだい」
「うちは毎日でも大歓迎だぜー
あいよう!」
初めて見た女の子だった。
いつもの、ってことは常連さん?でも見たことないし最近来るようになったのかしら。
髪の毛もふわふわして、洋服も今時のふわっとしたワンピースを着て。こういう子もラーメン食べに来るんだ、なんてぼんやり考えていた。
…なによ、毎日でもなんて。
セールストークだとしてもなんか…すごい嫌。
「幽助くーん、聞いてよー」
「なんだ?また変な男に引っかかったのか?」
「そーなの。大学の先輩なんだけど、昔からすごい言い寄られててさぁ、この前告白されちゃって。
わたし好きな人いるって言ってるのに全然聞く耳持ってくれなくって本当に困っちゃうっ」
「モテる女は大変だなー」
そーかそーか、と話を聞いてあげてる。
あたしが話してる時は、聞いてるんだから聞いてないんだかわからないくらいの返事なのに。
話し方、仕草、雰囲気。すべてとって、可愛らしい女の子だった。
そして気づいた、この子幽助の事好きなんだって。コレが女の勘ってやつなのかしら。
「ほーんと困るんだよねぇ。
早く王子様現れてわたしのこと守ってくれないかなぁ?」
女の子から出てくる、甘ったるいオーラがキツくて早く帰りたくなった。
…せっかく久しぶりに幽助に会えたのになんか嫌なもの見た気分。
もう少しで、ラーメンを食べ切りそうだ。
食べたらすぐに帰ろう。
「幽助くんはぁ守りたいお姫様いるー?」
彼女の特上の落とし声であろう甘い声で幽助に聞く。
ズズーっと、あたしがラーメンをすする音だけが聞こえる。
別に、幽助がなんて言うのか気にならないし。
別に、2人の会話なんて、興味ないし…
「姫ってガラじゃねえけど、女神ならいるぜ」
「え?」
「ゲホッ…」
彼女の驚きの声とあたしのむせる音はほぼ同時だったと思う。
彼女は固まっている。
あたしは未だにせきが止まらない。
「おいおい、けーこ大丈夫かよ?」
「だ、大丈夫よ、、」
水を勢いよく飲む。
どーしてくれんよ、
あんたのせいで止まらないんだってば。
「め女神?」
女の子は、信じられないと言った表情で幽助を見つめていた。
「そう、コイツ。」
親指で指されるあたし。
…女神を親指で指すなんて罰当たりもいいところだわ。
思わずあたしは彼女の方をチラリと見てしまった。
すると彼女はあたしを睨んだ後、
ごちそーさま、
と半ばキレたような声色でお金を置いてすぐさま帰っていた。
ああいう女の子の睨み顔って結構迫力あるのね、初めて知ったわ。
「あっおい!釣り忘れてんぞー!」
叫ぶ幽助だけど、もちろんその声で振り返るはずもなく去っていく彼女。
「なんだあいつ?」
「鈍感」
「なにがだよ?」
「べっつにー」
「まあいいや、次また来た時渡すかー。
今日もう閉めるから帰ろーぜ」
なんて、のんきに言ってる幽助。
でも彼女はもう2度と来ないと思うけど。
これも女の勘ってやつね。
帰り道、手を繋いで歩く。
「あのさぁしばらく会ってねーからもう溜まりまくりで俺やべーんだけど」
「知らないわよ」
「今日は寝かさねーぜ」
「あたし今日は家帰るから」
「な、なにぃ」
「ばいばーい」
家の前まで着いたので、手を名残惜しむことなく解いてドアを開け家に入る。
「あ、おい、螢子!
…あいつほんとに帰りやがった。
次会った時はぜってー逃がさねぇからなっ」
ぶつぶつ外で言ってる声が聞こえる。
本当は泊まっても良かったんだけどなんだか今日は、幽助にいじわるしたくなって。
でも明日は幽助の家に行こうかな。
後日聞いたところ、案の定彼女は2度と幽助の屋台に来なくなったらしい。
やっぱり、女の勘って当たるものね。
会うのも少し久しぶりで、家に行くのがなんだか恥ずかしくてあえて屋台で会うことにした。
「いらっしゃーい、
ってなんだ螢子かよ」
「なんだとはなによ、お客様に向かって」
「へーへー失礼しました。
で、なんにする?」
「チャーシューめん」
「あいよーかしこまりー」
「へいっおまちどーさん」
「ん、ありがと」
麺をすする、
「うん。やっぱ美味しいわね」
「へへっそりゃどーも。
お前テスト終わったのか?」
「うん、今日終わった」
「じゃー明日からまた頼むぜー」
「はぁ。なんであたしが毎日あんた起こしに行かなきゃいけないのよ」
なんて言いながら、少し嬉しかったりする。
「まーまー、これからの起こし賃ってことで今日のおごりにしてやるからよー」
「なにそれ」
「チャーシューあと2枚サービスしてやるから」
「それは遠慮なく頂くわ。」
「こんばんはー」
「おう、いらっしゃい」
「また来ちゃった!えへへ。
幽助くん、いつものちょーだい」
「うちは毎日でも大歓迎だぜー
あいよう!」
初めて見た女の子だった。
いつもの、ってことは常連さん?でも見たことないし最近来るようになったのかしら。
髪の毛もふわふわして、洋服も今時のふわっとしたワンピースを着て。こういう子もラーメン食べに来るんだ、なんてぼんやり考えていた。
…なによ、毎日でもなんて。
セールストークだとしてもなんか…すごい嫌。
「幽助くーん、聞いてよー」
「なんだ?また変な男に引っかかったのか?」
「そーなの。大学の先輩なんだけど、昔からすごい言い寄られててさぁ、この前告白されちゃって。
わたし好きな人いるって言ってるのに全然聞く耳持ってくれなくって本当に困っちゃうっ」
「モテる女は大変だなー」
そーかそーか、と話を聞いてあげてる。
あたしが話してる時は、聞いてるんだから聞いてないんだかわからないくらいの返事なのに。
話し方、仕草、雰囲気。すべてとって、可愛らしい女の子だった。
そして気づいた、この子幽助の事好きなんだって。コレが女の勘ってやつなのかしら。
「ほーんと困るんだよねぇ。
早く王子様現れてわたしのこと守ってくれないかなぁ?」
女の子から出てくる、甘ったるいオーラがキツくて早く帰りたくなった。
…せっかく久しぶりに幽助に会えたのになんか嫌なもの見た気分。
もう少しで、ラーメンを食べ切りそうだ。
食べたらすぐに帰ろう。
「幽助くんはぁ守りたいお姫様いるー?」
彼女の特上の落とし声であろう甘い声で幽助に聞く。
ズズーっと、あたしがラーメンをすする音だけが聞こえる。
別に、幽助がなんて言うのか気にならないし。
別に、2人の会話なんて、興味ないし…
「姫ってガラじゃねえけど、女神ならいるぜ」
「え?」
「ゲホッ…」
彼女の驚きの声とあたしのむせる音はほぼ同時だったと思う。
彼女は固まっている。
あたしは未だにせきが止まらない。
「おいおい、けーこ大丈夫かよ?」
「だ、大丈夫よ、、」
水を勢いよく飲む。
どーしてくれんよ、
あんたのせいで止まらないんだってば。
「め女神?」
女の子は、信じられないと言った表情で幽助を見つめていた。
「そう、コイツ。」
親指で指されるあたし。
…女神を親指で指すなんて罰当たりもいいところだわ。
思わずあたしは彼女の方をチラリと見てしまった。
すると彼女はあたしを睨んだ後、
ごちそーさま、
と半ばキレたような声色でお金を置いてすぐさま帰っていた。
ああいう女の子の睨み顔って結構迫力あるのね、初めて知ったわ。
「あっおい!釣り忘れてんぞー!」
叫ぶ幽助だけど、もちろんその声で振り返るはずもなく去っていく彼女。
「なんだあいつ?」
「鈍感」
「なにがだよ?」
「べっつにー」
「まあいいや、次また来た時渡すかー。
今日もう閉めるから帰ろーぜ」
なんて、のんきに言ってる幽助。
でも彼女はもう2度と来ないと思うけど。
これも女の勘ってやつね。
帰り道、手を繋いで歩く。
「あのさぁしばらく会ってねーからもう溜まりまくりで俺やべーんだけど」
「知らないわよ」
「今日は寝かさねーぜ」
「あたし今日は家帰るから」
「な、なにぃ」
「ばいばーい」
家の前まで着いたので、手を名残惜しむことなく解いてドアを開け家に入る。
「あ、おい、螢子!
…あいつほんとに帰りやがった。
次会った時はぜってー逃がさねぇからなっ」
ぶつぶつ外で言ってる声が聞こえる。
本当は泊まっても良かったんだけどなんだか今日は、幽助にいじわるしたくなって。
でも明日は幽助の家に行こうかな。
後日聞いたところ、案の定彼女は2度と幽助の屋台に来なくなったらしい。
やっぱり、女の勘って当たるものね。
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