6.答え
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縁の頬に浮かんだ血管の様な物の正体は誰にもわからなかった。
縁は剣心に向かってきたが、先程と比べ物にならない速さだった。
剣心はなんとか縁の攻撃をかわし 刀を防御した。
恵は縁の頬に浮かんだ血管の様な物の正体が神経である事に気づいた。
縁は巴が与えてくれた 剣心の復讐の力であり、切り札である“狂経脈”である事を言った。
“狂経脈”を発動した縁は一方的に剣心を攻撃し、剣心を海へ投げつけた。
「高さについで 速さもか…。 決め手どころか、飛天御剣流そのものが封じられたな」
「!」
剣心と縁の死闘に手を出さないつもりだった左之助は、剣心たちを引き上げさせ 自分が引き受ける旨を言った。
「やっぱあいつを死なせるわけにゃいかねェよ」
操は蒼紫を見た。
「蒼紫様 あたしも緋村 死なせたくないよ…」
「………そうだな」
琴乃は斎藤を見た。
「…一様」
「……フン」
斎藤と蒼紫と左之助は 縁に向かって歩き出した。
が、弥彦に立ち塞がれた。
弥彦は剣心が“負けた”と言ってない為 まだ剣心の闘いが続いている旨、剣心は常勝無敗である旨を言った。
海から立ち上がった剣心は琴乃たちの方へ向かって歩いてきた。
「みんな…気持ちだけ 有難く頂くでござる…」
「剣心さん…」
「この私闘は拙者にとって 決して他人に譲れない闘い…。 そして 闘いの人生への覚悟を決めた 一つの区切り…。 拙者自らの手で勝利を掴む!!」
砂浜に戻って来た剣心は再び 縁と向かい合った。
そして、縁は倭刀術“疾空刀勢”で突進してきた。
剣心は縁の剣の威力が自分を上回っている旨を言った。
「時代時代の苦難から人々を守る この飛天御剣流に 底など無い!!! 飛天御剣流“龍鳴閃”!!」
倭刀術“疾空刀勢”を外した縁は片膝を付いた。
「貴様 いったい、今何をした!!」
縁の左耳からは血が流れていた。
剣心は飛天御剣流“龍鳴閃”が“神速の納刀術”で、相手の聴覚神経を強制麻痺の状態に陥れる技である事を言った。
そして、“狂経脈”の影響下にある縁はそれだけで済まず、聴覚器官の奥にある 平衡感覚を司る三半規管をも麻痺していた。
それにより、“狂経脈”は決して無敵ではなく、攻撃力を上げる程 防御力を下げる両刀の剣になる事がわかった。
それでも、縁は麻痺した神経器官を自ら潰し、平衡感覚がイカれたまま 立ち上がった。
そして 剣心に向かって行った。
剣心はかわし、縁の攻撃はもう当たらない旨を言った。
縁は自分に守りは不要である事を言った。
「俺が唯一守りたかったものは 既に貴様に…貴様に奪い取られている!!!」
琴乃たちの間に沈黙が流れた。
「……っ…」
「琴乃?」
「ちょっと どいて!」
恵は顔を伏せている琴乃の顔色を見ようとした。
「…大丈夫です 恵さん…」
琴乃は恵の手をそっと払った。
「……あの人の話を聞いてたら…可哀想な人なんだなって思ってしまって……」
「………」
頬が熱を持っていて、呼吸も少し荒い…
恐らく 炎天下で太陽の光を受けていたから……
斎藤は制服の上着を脱ぎ 琴乃の頭の上にかけた。
「…一様…」
「少しは楽になるだろ」
「…はい…」
「あとしばしの辛抱だ。 この次で恐らく勝敗が決まる」
斎藤は剣心と縁に視線を戻した。
琴乃も視線を戻した。
巴さん…どうか剣心さんにお力を―――…
「貴様は俺の手で必ず殺す!!」
縁は刀を逆手に持ち、倭刀術“虎伏絶刀勢”を構えをした。
剣心は刀を鞘に収めて、飛天御剣流“天翔龍閃”の構えをした。
縁は剣心に見える巴は今も微笑っているのかを問いた。
剣心には一度きりの笑顔以来 姿が見えず、声も聞こえない事を言った。
「けれど それでいい…。 一度きりでも十分…。 それだけで拙者は、今 一番大切な人と 仲間と 目に映る全ての人々の笑顔を求めて、前より力強く 新たな一歩を踏み出せるのでござる」
縁は剣心を殺し、もう一度巴の笑顔を取り戻す旨を言った。
「「いくぞ!!!」」
そして、剣心と縁は それぞれの奥義で向かっていった。
答を見出した剣心の左足の踏み込みは、力強く “虎伏絶刀勢”に優勢に立ち、縁の中の巴に助けを求めたが、巴は最後まで微笑ってくれず、戦意を喪失した縁は倭刀を手放してしまった。
そして倭刀は剣心により折られ、剣心は奥義で勝利した。