6.答え
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向かい合っていた剣心と縁はお互いに刀の切先をぶつけ合った。
そして 直ぐ、体を沈ませた縁は倭刀術“戰嵐刀勢”を繰り出してきて 剣心は防戦一方になったが、一瞬の隙をついて 飛天御剣流“九頭龍閃”で繰り出し 反撃した。
が、お互いに絶妙の捌きで防御し、渾身の一撃の衝撃によって二人は弾き飛んで 砂浜に倒れた。
立ち上がった縁は 同じく立ち上がった剣心に、“速さ”は剣心が上、“力”は自分が上、技は互角である旨を言い、残る “高さ”で勝負を挑んできた。
そして、縁の耳飾りを合図に二人は宙へ飛んだ。
最初は誰もが予想した通り 剣心の方が上だったが、人離れした空中疾走をした縁は倭刀術“疾空刀勢”を繰り出し、 剣心は肩を斬られ 地面に着地した。
剣心は直ぐに飛天御剣流“龍翔閃”を繰り出したが、既に制空権を得ていた縁は再び 倭刀術“疾空刀勢”で突進してきて 剣心は腹部に食らった。
その後、直ぐに剣心は飛天御剣流“龍巻閃”、縁は倭刀術“戰嵐刀勢”を繰り出したが、剣心が押し負けた。
そして 剣心は飛天御剣流“九頭龍閃”を繰り出そうとしたが、縁に顔面を押さえつけられ そのまま松林に背中から突っ込んでいった。
縁は憎・恨・怒・忌・呪・滅・殺・怨…ありとあらゆる 負の感情から滲み出す負の強さによって、縁は格段に強くなっていた。
斎藤は剣心の飛天御剣流の技を悉く破っている旨を言った。
「わずか二度の手合わせで 全ての“詰め手”を封殺された」
「……剣心さん…」
縁は座り込んでいる剣心に歩み寄り、立ち上がる様に言った。
「立つさ…言われるまでもない…」
剣心は立ち上がった。
「ようやく見つけることが出来たんだ。 人斬りの罪を――。 巴をも殺めた罪を あまねく償う答を―――…」
怒りを露わにした縁は倭刀術“轟墜刀勢”を繰り出し 剣心を砂浜に叩き付けた。
「人を殺めた罪は “死”と言う罰によってのみ償われる! だが 死人に罰を下す術はない。 だから 愛するものが代わりに罰を執行する!!」
「っ!」
「咎人は もがき苦しみ、絶望と後悔の中で死んでいく! それが答だ!!」
「……それは違う…」
「「「!」」」
琴乃の消え入りそうな声は、直ぐ傍にいた斎藤たちにだけ聞き取れた。
斎藤たちは振り返って 琴乃を見ると、琴乃は顔を伏せていた。
「…琴乃さん…?」
「……人を殺めてしまった罪…それは償いきれない罪なのかもしれない…。 …でも そこでその咎人を殺したとしても…それで終わってしまう……」
「………」
「まして 愛する者に人を殺めて 仇を取って欲しい なんて……」
琴乃の瞳から流れ落ちた涙が砂浜を濡らした。
「…私は育ての親を目の前で殺されているからこそ 強く思うのかもしれない…。 …亡くなってしまった者は残してしまった 愛する者に仇ではなく、幸せになって欲しいと願っているって――…」
「……琴乃…」
斎藤は琴乃の頭に手を置いた。
「!」
琴乃は斎藤を見上げた。
「お前の気持ちもわからなくはないが…」
斎藤の目つきが鋭くなった。
「…もし お前が殺されたとなったら…、その時 俺はお前を手に掛けた奴を抹殺する」
「! ……一様…」
「安心しろ。 例えば の話だ」
斎藤は琴乃の髪を撫でた。
お前は必ず俺が護る―――…
剣心に再び 立つ様に言った縁の頬に血管の様な物が浮かんだ。
「「「!」」」
縁は剣心の名を呼んだ薫を見て 微笑ってくれなくなってしまった巴の姿が重なった。
縁はしゃがみ込む剣心の目の前の砂浜に刀を投げて 刺し、自害する様に言い、“死ね”を連呼した。
剣心は砂浜に刺さっている縁の刀を抜き 縁に投げ返した。
縁は自害しない事に怒り 剣心に向かって来た。
剣心は生き地獄の中で色々考え、答を見つけた旨を言った。
「“剣と心を賭して この闘いの人生を完遂する!” それが拙者が見出した答えでござる!!」
「剣心―――…」
薫は涙を浮かべた。
「…剣心さん…」
剣心さんらしい答……
とても険しい生き方だけど、これからは傍に薫さんもいる……
きっと 剣心さんなら―――…
剣心はその答に辿り着いて 目覚めようとした時、巴が微笑ってくれた事を言った。
「縁 お前に見える巴は今も 微笑ってくれているのか?」
剣心の問いかけに激怒した縁の頬に再び 血管の様な物が浮かんだ。
「殺す…殺してやる。夢でも! 現でも! 幻でも! 二度と貴様が天の姉さんに遭えない様 殺して地獄に叩き落としてやる!!」