6.答え
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“激しい攻撃”を得意としている白虎と闘っていた左之助は、圧倒的な手数で攻め立てられていた。
が、左之助の打たれ強さには全く通用していなかった。
左之助は白虎に大技を出してくる様に言ったが、それでも小技しか出してこない白虎に痺れを切らし 両手で繰り出す“二重の極み”の改良型によって勝利を収めた。
一方、“思慮深い闘い”を得意としている玄武と闘っていた弥彦は、相手の様子を伺いながら 奥義を繰り出す機会を狙っていた。
弥彦は神谷活神流奥義「刃渡り」で向かっていったが、長尺の棍棒だと思っていた武器は中が鎖で繋がれた仕掛六節棍だった為、弥彦はそのまま地面に叩きつけられた。
弥彦は再び 神谷活神流奥義「刃止め」をしようとしたが、同様に仕掛六節棍に変形させ 弥彦のお腹を突いた。
弥彦はもう一度 棍で打ってくる様に挑発し、玄武が打ってきた棍の先を竹刀の柄頭で押さえる 神谷活神流奥義「刃止め」の応用で受け止め、押しても引いても負けるという状況に追い込んだ。
弥彦はカウントダウンをしていき、冷静な判断力を失っていた白虎は まともな思考が出来ず、そのまま武器破壊され 弥彦は勝利した。
黒星は四神が全員が敗北した事に驚いた。
剣心は 斎藤が“正義”、蒼紫が“信念”、左之助が“生き様”、弥彦が“未来”、それぞれ 最強の想いを以て闘いを繰り広げている旨を言った。
「もう一度言う。 ここにいるのは皆、拙者が心から信をおいている 仲間でござる――――」
四神は砂浜に 仰向けに倒れた。
動揺した黒星は背を向けて逃げ出したが、そこにやって来た縁に殴られ 気絶した。
縁は剣心に歩み寄ってきた。
「立て 抜刀斎」
「ちょっと待った!!」
弥彦は竹刀で縁の行く手を塞いだ。
そして 薫の居場所を問いた。
【あ――もう!】
その時 薫の声が聞こえてきた。
「「「!」」」
「一人でさっさと先に進むな! こっちは下駄なんだぞったく! 島の地理だって全然わかんないんだし いったい今何処をどう――」
薫は顔を上げた。
「歩いて…」
操たちは名前を呼び、薫の元気な姿に安心した。
「……薫さんっ!」
涙を浮かべた琴乃は思わず立ち上がった。
「…琴乃さん!」
琴乃は涙を拭った。
良かった…本当に……
薫は琴乃の横に座っている剣心に気づいた。
「剣―――」
その時、縁の刀によって 塞がれた。
「連れて帰りたくば この最後の死闘に死力を尽くせ。 女 お前はそこで抜刀斎の死に様を見ていろ。 その松林から一歩でも出たら 即 殺す!」
操と左之助と弥彦は薫を取り返そうとした。
「みんな ここまで力を貸してくれて 感謝するでござる」
琴乃たちは剣心を見た。
剣心は小舟から立ち上がり 斎藤たちに労いの言葉をかけ、恵と操に手当てを頼んだ。
「琴乃殿」
「!」
剣心は振り返って 琴乃を見た。
「琴乃殿は座ったまま 拙者の闘いを見届けていてくれ。 …同じ幕末に生きた 不殺の者として――…」
「! ……はい!」
琴乃は微笑んだ。
剣心は正面を見て 薫を見た。
「薫殿」
「!」
「すぐに迎えに行く。 そこで待っていてくれ」
剣心は穏やかな笑みを浮かべた。
「うん。 わかった」
薫は嬉しそうに笑みを返した。
剣心と縁は向き合い お互いに刀を抜いた。
寒い寒い雪の日に、二つの感情が凍てついた――
悲しみと―――
憎しみ――――
そして 十五年の時を経て 今、凍てついたまま変わる事のなかった二つの感情は 一つの笑顔の下に動き出す―――――――