6.答え
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「剣心さん 辛くないですか?」
「大丈夫でござるよ。 琴乃殿こそ 大丈夫でござるか?」
「はい」
琴乃は微笑んだ。
少しして、松林の方を見ていた斎藤が、人影に気づいた。
「フン」
斎藤は煙草を捨てた。
「やはりな……。 どうやら これ以上他者を巻き込みたくない などと、甘い考えが通用する相手ではないな」
「「「!?!」」」
縁に代わって 自分たちで復讐を完成させる事にした黒星たちが琴乃たちの前に姿を現した。
斎藤は容貌からNo.2の呉 黒星である事に気づいた。
「さあ 四星、今まで随分我慢してきたろう…。 しばしの間、私の護衛に任を解く…暴悪に荒れ狂えッ!!」
四星は不気味な笑みを浮かべた。
蒼紫たちは剣心の前に立ち塞がった。
「部下は引っ込んでいた方が身の為だヨ」
「あ?」
黒星は剣心を見て、剣心自身が出てくる様に言った。
「彼らは…“部下”ではござらんよ」
剣心は 琴乃たちは信をおいている仲間である事を言った。
その後、剣心は黒星に縁に出てくる様に伝えて欲しい旨を言った。
が、斎藤は黒星は実務が本職で 戦陣に来る役ではない事から、縁に捨てられたか、敗北を察して逃げ出してきたかである事を言った。
「失礼なコト言うね アナタ」
黒星は斎藤の言葉を否定し、自分が組織のNo.1になった旨、元ボスである縁に “世の中 自分の思い通りにいかない”事を教えてあげる為に剣心を狙った旨を言った。
「要は雪代 縁への当てつけか。 頭脳は良くても 精神の方は子供並だな」
「!」
「組織もお下がりのお子様ボスか…今日の仕事は思ってた以上につまらなさそうだ」
「イチイチ カンに障るね アナタ。 わかった。 そんなに死にたいならアナタはもういい。 サァ 抜刀斎、雑魚共を下げて出て来なさい」
「……部下の次は“雑魚”でござるか?」
「雑魚でなくば、チンピラとガキと陰気な男だ!」
黒星は怒りを露わにした。
黒星の侮辱の言葉にそれぞれが反応した。
操は蒼紫に対しての“陰気”と言う言葉に激怒していた。
「操ちゃん…」
琴乃は蒼紫の忠告を受けて 怒りが爆発しそうな黒星を見た。
「黒星さん」
「…なんダネ!?」
「皆さんの事を見た目だけで悪く言うのは良くないと思います」
琴乃は煙草を吸っている斎藤を見た。
「一様は少し毒舌な部分があるかもしれませんが…」
「…いや かなりな」
左之助の言葉に操たちは頷いた。
琴乃は困った様に微笑して 黒星に視線を戻した。
「一様が言われた言葉が真実であるからこそ 貴方は癇に障られたのでしょう?」
「…だろうな」
「!」
「それに…」
琴乃は左之助と弥彦を見た。
「左之助さんと弥彦君は、剣心さんが本当に信頼をおく人たちだから 甘く見ていたら痛い目に合います」
「おうよ!」
「当たり前だ!」
「………」
「そして…」
琴乃は蒼紫を見た。
「蒼紫お兄さんは無口な人かもしれないけど、本当はとても優しい人…。 それに 若くから御頭を務めている人…」
琴乃は再び 黒星に視線を戻した。
「貴方は先程 蒼紫様の忠告に怒りを露わにしたけど、貴方より 一団をまとめる力は 圧倒的に上だと 私は思います」
「……琴乃…」
「………」
黒星は悔しそうに歯を食いしばった。
「わかった! もういい!! どうやら全員 ここで死にたいようダナ! “スーシン”!!!」
激怒した黒星の合図によって 四星は高く跳び上がり、そして 地面に着地した衝撃で中華帽子が外れ、各自の額にはそれぞれの四神の名が刻まれていた。
「! 私…余計な事を…」
「結果的に 闘いは避けられないでござるよ」
「……剣心さん…」
琴乃は瞳を伏せた。
…闘いは避けられない…か―――……
「さあ四神よ。 まずは 一人一殺!!」
斎藤たちと一 対 一で向かい合っていた四神はそれぞれ武器を取り出し、向かって来た。
蒼紫たちは武器と拳で受け止めた。
不気味な笑みを浮かべていた青龍は琴乃をちらっと見た。
「っ!」
斎藤は刀を抜いて 青龍に切先を向けた。
「どこを見ている?」
青龍は不気味な笑みを浮かべたままだった。
四神は相手の力量を見極めて 自分たちに適した相手を選択していた。
斎藤は先を斬られた煙草をぺっと捨てた。
「俺を無視して、琴乃を見るとは…。 ましてや…」
斎藤は牙突の構えをした。
「この“牙突”を前に 間合いで勝負を挑もうなどと…身の程知らずにかわりはない!!」
そして 斎藤は青龍に向かっていった。
青龍は一歩も動かず、左腕で牙突を食らった。
「見切った」
不気味な笑みを浮かべていた青龍は 手で口を閉めた。
「腕一本と引き換えで済むなら 勝利の代償としては十分安い!」
「…右腕一本でこの俺に勝てる気か」
「!」
一様にそんなんで勝とうなんて甘い…
…でも…どこからそんな自信が―――……