6.答え
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琴乃たちが縁のアジトへ向かっている頃、警察署の留置所では、見張りである二人の警官が斎藤の正体の話をしていた。
「なんでも 実は、新撰組幹部の数少ない生き残りで、あの人斬り抜刀斎と互角に渡り合えた凄腕剣客って話だぜ」
「ホントか!」
その時、“抜刀斎”という単語に反応した鯨波が、牢を破壊して脱走し、縁の基地から押収された連射型改造擲弾射出装置を強奪した。
そして 留置所目掛けて乱射して警察署を焼き払い、その後 剣心を探して 市街地で暴れ始めた。
その頃、久しぶりに空き時間ができた弥彦は燕と一緒に過ごしていた。
元気がない燕に薫が生きている事を告げようとした時、半鐘の音が響き渡った。
そこに新米である新市がやって来て 街の人達の避難を呼びかけた。
新市と協力して 鯨波を止める事にした弥彦は、燕に引き止められながら その場を後にした。
避難に当たっている警官の1/3を集めてきた新市は弥彦と合流した。
そして、弥彦は新市と連携して 鯨波に向かっていった。
最初は押していた弥彦たちだったが、父親とはぐれてしまった子供を助ける為、弥彦たちは擲弾射出装置を食らってしまった。
弥彦の姿に剣心の姿が見えた鯨波は、標的を弥彦にしてきた。
一方、弥彦の死の危険を感じた燕は一人、助けを求めて 剣心がいる “落人群”に向かっていた。
その頃、斎藤と蒼紫は 縁の部下を倒していた。
二人が揃うとすごい……
それに…
琴乃は闘っている蒼紫を見た。
蒼紫お兄さんの闘う姿…初めて見た……
「何をぼーっとしている…」
「!」
琴乃が斎藤を見ると、縁の部下が全員倒されていた。
「……いえ…お二人はすごいなって思っていただけです」
少しの間、蒼紫お兄さんだけ見てたのは内緒
「今更言う事か…」
「………」
斎藤は手元の資料を見た。
「断外の孤島か…予想通り 海の上か…」
「そこに 雪代 縁と神谷 薫がいるのか」
「行くか」
「そうだな」
「! 剣心さんは!?」
「…いつ元に戻るかわからん奴を待っている程 暇じゃない」
「…抜刀斎を待っている間に 逃亡の可能性もある」
「……でも…」
【大変だ 藤田警部補!】
浦村署長から鯨波が警察署を破壊して 脱走した旨を聞いた琴乃たちは馬車で街に戻る事になった。
「琴乃」
馬車に乗った琴乃は斎藤に手を引かれ、馬車の揺れの衝撃がこないように 斎藤の膝の上に座らされた。
「……ありがとうございます」
「…座りにくいかもしれんが、少しの間 我慢してろ」
「…大丈夫です。 こうしていれば…」
琴乃は斎藤の首に手を回した。
「!」
「…安定しますから」
そう言って 琴乃は微笑んだ。
その頃、神谷活心流 奥義の防り“刃止め”で擲弾射出装置を受け止め 血が噴き出しだ弥彦だったが、神谷活心流 奥義の攻め“刃渡り”で人体急所である脇腹に斬撃を与えた。
が、怒りが勝っている鯨波によって 弥彦を地面に叩き付けられた。
一方、“落人群”にやって来た燕は剣心に涙を流して 弥彦を助けて欲しいと頼み込み、オイボレによって帰らされた。
剣心の心の中には 燕の言葉が残り、刀を握り締めた。
「まだ…見つかってないんだ…。 俺が犯した罪の…人斬りの罪を償う答が…どうしても見つからないんだ…」
剣心は握り締めている刀を見た。
「……大事なものを失って…身も心も疲れ果て…、けれど それでも決して捨てる事が出来ない想いがあるならば、誰が何と言おうと それこそが君だけの唯一の真実―――」
真実の――――…
剣心は刀を強く握り締めた。
現在も…
そして未来も…
変わらず君を信じ続ける人達が――
君の帰りを待っている!!!
剣心は刀に巻いていた鎖を千切った。
弥彦は鯨波に痛めつけられ 既に闘える状態ではなかった。
そこに剣心が駆けつけ、飛天御剣流 “九頭龍閃”で鯨波を仰向けに倒した。
また、馬車から降りた琴乃たちと、小国先生から 警官たちに混じって竹刀を持った少年が闘っている と言う話を聞いた操と恵がちょうどやって来た。
緋村 剣心 復活!!!
「………どうやら 答が見つかった様だな」
「さァ…どうかな…」
「………」
剣心さん…
立ち上がった鯨波は、剣心に向けて擲弾を放とうとした。
「飛天御剣流 “龍翔閃”!!」
一気に間合いをつめた剣心によって、右腕の武器が破壊された。
それにより、かつて右腕を斬り落とされたのが反復され 鯨波は正気を取り戻した。
鯨波は剣心に止めを刺すように言ったが、剣心は拒否した。
鯨波は激怒したが、弥彦に諭された事で 自身の過ちを悟り、ついに長年の怨恨を捨てて 感謝の涙を流した。
――午後 四時四十七分、鯨波 兵庫 捕縛―――