6.答え
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体調が落ち着いてきて 短時間の外出を許可された琴乃は、警視庁にいる斎藤と共に過ごす様になっていた。
琴乃は剣心に会いに“落人群”へ行こうか悩んでいたが、自分がちゃんと薫を守っていれば…と考えてしまい 会いに行けずにいた。
一方、斎藤は資料と睨めっこの日々を送っていた。
「…少し 休憩にしませんか?」
「…いらん」
斎藤は資料を見たまま そう答えた。
「………」
琴乃は瞳を伏せた。
…私…やっぱり邪魔なんじゃ……
琴乃は帰ろうと立ち上がった。
「何処へ行く?」
「!」
琴乃が斎藤を見ると 目が合った。
「……家に帰ろうかと…」
「…辛いのか?」
琴乃は首を横に振った。
「…一様…お忙しそうなので……」
斎藤は資料に視線を戻した。
「気にするな。 座っていろ」
「……でも…」
「…ここに居ろ」
「……はい…」
琴乃はソファに座った。
斎藤は嬉しそうに微笑した。
お前は…無用な心配はせず、俺の傍に居てくれるだけでいい―――…
――そして…
操と弥彦が荒川河口辺りを捜索してから三日が経った――…
一方、連絡船が行ってしまい、脱出に失敗した薫は縁の分も食事を作ってあげていた。
夜、連絡船で東京に戻って来ていた外印が薫の人形である屍人形を引取りに来ていた。
だが、屍人形が入っていた桶には罠が仕掛けられていた。
そこに 罠を仕掛けた本人である蒼紫が姿を現した。
「言え。 神谷 薫は何処だ」
外印は斬鋼線によって 罠である網を斬った。
咄嗟に後ろに下がった蒼紫は頬を少し斬られていた。
「貴様 私の造形美の傑作を何処に隠した!!」
お互いに答え様とはしなかった。
「再起不能は覚悟せい 四乃森 蒼紫!!」
痺れを切らした外印は蒼紫に向かって来た。
蒼紫は流水の動きでかわした。
外印は斬鋼線で墓石を操り 蒼紫を飛沫にしようとしてきた。
が、蒼紫は二本の小太刀を抜いて 墓石を粉砕していた。
外印は蒼紫を褒め称え、そして 蒼紫に手を組む様に提案してきた。
「生憎だが、凡百の小料亭の主と言うのも 悪くないと俺は思っている」
「………」
「だが それも暫く先の話…」
蒼紫は禅を組んで得た答えを言った。
その頃、小国診療所を退院した琴乃は久し振りに斎藤と一緒に眠りに就いていた。
…が、お互いになかなか眠れずにいた。
「………」
「………」
「…琴乃」
「…はい?」
「……なぜ 体の異変を直ぐにあの女に言わなかった?」
「!」
「…何かしらの兆候はあったはずだと聞いたが…」
「……それは…」
琴乃は瞳を伏せた。
貴方がいなくて…ちゃんと育てていける自信がなかったから……
斎藤は琴乃を抱きしめた。
「……俺のせいか…」
「! 違っ… !」
琴乃が斎藤の顔を見ると 髪を触れられた。
そのまま 頬を触れられた。
「……一様…?」
「お前は嘘が下手だな」
「ん…」
その瞬間 琴乃は軽く口付けられた。
「……だって…」
琴乃は斎藤の胸元に頭をつけた。
…本当の事を言ったら…貴方を傷付けてしまうかもしれないから……
斎藤は微笑して 琴乃の髪を撫でていた。
少しして 琴乃は斎藤の腕の中で眠ってしまった。
「………」
斎藤は琴乃の頭に口付けた。
お前は気を遣い過ぎなんだよ―――…