2.嘆き
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蒼紫は志々雄たちに歩み寄った。
「事実は事実。 負け犬と言われれば否定はしない。 だが」
蒼紫は剣心が倒れている所で立ち止まった。
「その負け犬との闘いを避けずに応じた為、抜刀斎は 本来不要のはずだった傷を負い 体力を消耗した。 その事もまた否定出来ない事実だ…」
蒼紫は再び志々雄に歩み寄った。
「つまりその分を お前が補うと言う事か…」
志々雄は微笑した。
「とりあえず 抜刀斎どもを倒した俺が今は最強と言う事になるが、その俺を倒して 御庭番衆の墓前に 華として供えてみるか?」
「………」
蒼紫は流水の動きをした。
「同盟決裂だな…!」
そして 蒼紫と志々雄の闘いが始まったが、蒼紫は防戦一方だったが、蒼紫は志々雄を角に追い込み 背後を取り、小太刀二刀流 “回天剣舞六連”を繰り出した。
…が、剣心の“天翔龍閃”によってかなり負傷した状態の“回天剣舞六連”の攻撃力はほとんど皆無だった為 志々雄にあっさり防がれた。
「今 お前に出来る事と言えば最初から一つ。 ただの“時間稼ぎ”だ!」
そして 志々雄の壱の秘剣 “焔霊”によって 蒼紫は吹っ飛んだ。
志々雄は、蒼紫が自分に巡り合った時点で命運が尽きていたことを言った。
「奴がお前より弱いとは 俺にはどうしても思えん」
その瞬間、瀕死状態の剣心が立ち上がった。
「「!!!!」」
そして 剣心の目に光が戻った。
「闘うべき時は今…この場に集まった者たちの誰一人、まだ命運は尽きてはいない!!」
琴乃たちは反応を示した。
「最終戦 第二局目開始か…」
志々雄は微笑した。
「おおおッ!!!」
瀕死状態から目覚めた剣心は雄叫びをあげた。
ビシィッ バシィッ
剣心の剣気によって 舞い散る木の葉が切れた。
それによって 琴乃たちの目に光が戻った。
「……私…」
「…琴乃」
琴乃は斎藤に上半身を抱えられていた。
「……一…様…」
斎藤は微笑した。
「! …一様っ!」
琴乃は斎藤に抱きついた。
「…琴乃… !」
斎藤は琴乃の脇腹から血が流れ出している事に気づいた。
「…傷が開いたのか?」
「…そんな心配そうな顔しないで下さい。 このくらいの傷 大した事ないです。それより…」
琴乃は斎藤から離れて 立ち上がり、剣心を見た。
「剣心さんの傷の方が深刻ですから…」
「………」
斎藤も立ち上がった。
奴の傷もそうだが…、俺はお前の方が心配なんだよ―――…
そして 剣心と志々雄の闘いが再び始まった。
懐中時計を見ていた由美は、志々雄が闘い始めて十五分経っている事に気づき 方治に闘いを止めるように言った。
方治は隠し持っていたライフルを捨て、由美に志々雄を信じる様に言った。
剣心の首を掴んだ志々雄は、剣心の体を上にあげ 弐の秘剣 “紅蓮腕”を放とうとした。
が、一瞬の隙を衝かれ 剣心の刀の柄の一撃で腕を解かれた志々雄は“紅蓮腕”を自ら食らってしまった。
その好機に乗じた剣心は 飛天御剣流 “龍槌閃”、“龍翔閃”を食らわせ、そして、龍巻閃・“凩”、“旋”、“嵐”の 計五連撃を食らわせた。
だが、志々雄は倒れず、壱の秘剣 “焔霊”で反撃をしてきた。
効いていない様子の剣心は解けてきていた志々雄の体の包帯の端を掴んだ。
「傷の痛みなど それを超える気迫と覚悟で耐えればいい…。 闘いの中に身を置く者にすれば そんな事は至極当然」
剣心の目つきが変わった。
「だが 力弱くとも懸命にいきる人達にまでその痛みを当然と強いる 貴様の時代など! 拙者の命が続く限り 絶対に来させはせん!!!」
そして 剣心は飛天御剣流 “九頭龍閃”を食らわせて、柄頭の一撃で志々雄の額を吹っ飛ばした。
剣心は“焔霊”のダメージによって片膝をついた。
ゴッオオオオオオオ
志々雄の剣気によって 闘場“大灼熱の間”の周囲の炎が激しく燃え上がった。
「先程の抜刀斎の時と同様、志々雄の剣気に反応している…」
「“同様”? 木の葉と炎じゃ“ケタ”が違うぜ…」
「……剣心さん…」
少しして 志々雄が剣心の前に戻って来た。
「最終局面…いくぜ…。 終の秘剣 “火産霊神”」
「「「!!?」」」
琴乃たちは目を見開いて驚いた。
呼吸が乱れている剣心は刀を支えにして立ち上がり、地面から抜いた刀を鞘にしまって 抜刀術の構えをした。
「久々に 愉しい闘いだったぜ。 こんなに愉しいのは幕末以来だが、この先 国盗りが控えているんでな。 これ以上 遊んでやる時間はねぇ…」
「…愉しくはないが、お主の力量には正直 感服した。 だが志々雄、時間を言うのならもう お主や拙者の様な“人斬り”の時間は とうの昔に終わっているんだ」
「終わりはしねえさ。 俺がこの無限刃を手にしている限り!」
「終わっているんだ。 拙者がこの逆刃刀を手にした時に…」
「………」
もう二人とも余力はあとわずか……
…次の一撃が…最後になるかもしれない――…