1.番い
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「…家内って…あれだろ?」
「なんだ “家内”の意味も知らんのか? お前はどうしようもない阿呆だな」
左之助はブチ切れた。
「意味くらい知ってるわ!! お前には似合わねェ言葉だと思っただけだ!! …ん?」
その時 左之助は厳重な牢に気づいた。
斎藤は牢を鍵で開けた。
「志々雄直属の特攻部隊 “十本刀”の一人、通称 “刀狩”の張」
まず、斎藤は先日 神戸で起きた 斎藤が選りすぐった志々雄討伐隊 五十人が一夜にして殺された事件を、志々雄の配下で出来るものがいるかを質問をした。
張は真面目に答えず、左之助と言い合いを始めた。
斎藤は煙草を吸い始めた。
「いいか、このワイに勝ったら なーんでも質問に答えたる! だが 負けた時はどうなっても知らんでェ」
張と左之助に合図を頼まれ、斎藤は吸っていた煙草を上に弾いた。
そして 煙草が床に落ち 左之助と張の闘いが始まった。
だが、張は左之助の戦い方が気に食わず、闘いをすぐにやめてしまった。
「答えてやるから さっさと質問してとっとと失せい」
「…フン」
「そうかい。 それじゃあ さっそく」
斎藤はご機嫌そうだった。
琴乃は笑った。
どうやら 得をしたのは一様だけの様ですね
一つ目の質問の答えとして、五十人を一夜にして殺れるのは“天剣”の宗次郎と“盲剣”の宇水の二人を挙げ、下手人は宇水の方だと言った。
ちょうどその頃、志々雄のアジトでは宇水が侵入者まがいの事をしていた。
張は“天剣”の宗次郎と“盲剣”の宇水が十本刀の二強である事を言った。
張は斎藤を指で差した。
「あんたも相当腕が立つと見たが、ハッキリ言うて 宇水さんはもっと上やで」
「!?」
一様より強い…!?
「フ…そいつは面白そうだな」
そう言って 斎藤は煙草を吸い始めた。
その後、斎藤は二つ目の質問として “京都破壊計画”の事を聞いた。
「………池田屋事件――ってあんた知っておるかい?」
「「!」」
元新撰組だった琴乃と斎藤は反応した。
「……ま 人並程度にな」
張は志々雄が京都を完全に焼け野原とし、その火災に紛れて 京都中の要人を抹殺する事を言った。
左之助は志々雄一派と維新政府にブチ切れた。
左之助は斎藤を見た。
「斎藤! てめーとの決着は後回しにするぜ。 まず剣心を探し出すのが先決だ!」
「お前との決着なんざどーでもいいが…確かにそれが先決だな」
斎藤は扉に向かって歩き出した。
「誠の旗の下に散った 狼達の鎮魂の為にも、京都大火は絶対阻止だ」
琴乃は頷いた。
左之助は斎藤を見ていた。
「……なんだ?」
「まさかてめーと意見があうたぁ 夢にも思わなかったぜ」
「………フン」
「一様 これで少しは仲良くなれるんじゃないですか?」
琴乃は微笑んだ。
「「それはない(!)」」
「…やっぱり…」
「誰がこいつとなんか仲良くなるか ってんだ!」
「それは俺のセリフだ。 …ぐだぐだ言ってないで お前はとっとと抜刀斎を探しに行け! この阿呆が」
斎藤は張の牢から出て行った。
「ちょっと待て! 命令すんじゃねーよ コラ!! 俺はてめーの部下じゃねェぞ!」
左之助も牢から出て行った。
「じゃあ このままここにいるか?」
「ちょっと待て! こんなホウキ野郎と一緒にいられるか!」
「だったら早くしろ 阿呆が」
「誰が“阿呆”だ!」
「お前だ 阿呆」
「言うな――っ!」
琴乃は二人のやり取りを見て 笑った。
喧嘩する程仲がいい…かな?
一方、剣心は“飛天御剣流”の奥義、“天翔龍閃”の伝授が始まっていた。
しかし、剣心には奥義を会得するにあたって“欠けているもの”があった。
清十郎に一晩時間をもらったが、何も思いつかなかった。
時間になり 剣心は中途半端の状態で 白外套を取った清十郎と対峙した。
そして、死闘の中 生きようとする意志に気づき、“天翔龍閃”を会得した剣心は清十郎に勝った。
逆刃刀とは言え、飛天御剣流の最強の技である“天翔龍閃”によるダメージは深く 清十郎は倒れた。
その頃、志々雄のアジトには、張を除く 残りの十本刀が集結していた。
志々雄は明晩 十一時五十九分を以て、京都大火を実行に移す事を告げた。
防げるものなら 防いでみろ 抜刀斎、斎藤…
俺の真の目的を―――